東京交響楽団 第68回新潟定期演奏会
  ←前  次→
2011年11月6日(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮: 大友直人
ピアノ: ホーヴァル・ギムセ
コンサートマスター:グレブ・ニキティン
 



ホルスト:セント・ポール組曲 作品29-2

グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 作品16

  (アンコール)
   ヨハンセン:スウェーデンの山々に伝わる俗謡

(休憩20分)

シベリウス:交響曲 第5番 変ホ長調 作品82


(アンコール)
グリーグ:ホルベアの時代 より 前奏曲



 

 
 

 秋も深まり、りゅーとぴあ周辺の木々は散り始め、赤い落ち葉の絨毯がきれいです。今日はあいにくの天候となりましたが、2ヶ月ぶりの東響新潟定期です。今回は3日に東京オペラシティで開催されたコンサートと同じです。

 今日は1時からのロビーコンサートも聴こうと思ったのですが、周辺の駐車場はどこも満車で、駐車できず、聴くことができませんでした。雨模様に関わらず、隣の陸上競技場では大会が開かれていて、大変そうでした。

 某所で一休みして出直しました。ホールに入ると、オーボエの荒さんが音出しをしていて、良い音色に聴き入りました。大友さん恒例の渋い演目のためもあってか、S席エリアは埋まっているものの、両サイドは空席が目立ちました。

 最初は弦楽だけで、セント・ポール組曲です。曲自身は面白みを感じませんでしたが、東響の弦楽の素晴らしさが実感されました。ニキティンさんのソロもきれいでした。

 続いてはグリーグのピアノ協奏曲です。ギムゼ氏のダイナミックな力強いピアノに圧倒されましたが、荒っぽくて、雑にも感じました。勢い余って、音符をかなり飛ばしてたんじゃないでしょうか。超有名曲ですので、皆さんそれぞれの思い入れがあるものと思いますが、私はもっとロマンチックな演奏を期待していたので、ちょっとがっかりというのが正直な感想です。オケも暴れ馬に手を焼いていたように思いましたが、いかがでしょうか。アンコールは正反対に透き通るような演奏で良かったです。

 後半はシベリウスの5番です。日頃聴く曲じゃないので、手持ちのCD(デイヴィス/ロンドン響、サカリ/アイスランド響)で予習したのですが、退屈するばかりでした。しかし、今日の演奏は飽きることなく楽しむことができました。やっぱり生演奏は違いますね。
 大友さんの分かりやすい曲作りのお陰なんだと思いますが、曲の良さを感じることができました。耳に良くなじむ単純なメロディが繰り返される第2楽章が特に楽しめました。CDを聴いていても、この面白さは感じられませんでした。第3楽章では弦が大活躍しますが、東響の弦楽の素晴らしさを再度感じました。もちろん管も良かったです。打楽器はティンパニー1人だけでしたが、ちょっと音がこもって聴こえたのは私だけでしょうか。

 曲のエンディングが変わっていて、拍手のタイミングが難しいのはわかりますが、拍手はもう2-3秒待ってほしかったです。今日は鑑賞マナーについてのチラシが配られ、指揮者が手を下ろすまで待つよう書かれてあったのですが、守ってくれない人がいて残念です。先を争う必要などないでしょうに。

 アンコールは弦楽だけでグリーグを演奏。これもきれいな演奏でした。総じて、今日は弦の活躍が目立ちました。感動というほどではなかったですが、まずまず楽しめた演奏会でした。
 

(客席:2階C5-**、S席:定期会員、4500円)