チェコ国立ブルノ・フィルハーモニー管弦楽団
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2011年10月10日(月・祝) 14:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:レオシュ・スワロフスキー
ピアノ:ヴィタリー・ピサレンコ
 
 


スメタナ:交響詩「わが祖国」より ボヘミアの森と草原から

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23

   (アンコール)ラヴェル:「鏡」より 悲しい鳥

(休憩15分)

チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 作品74
 
   (アンコール)モーツァルト:「フィガロの結婚」序曲
 
 

 今日は体育の日。天候にも恵まれって、爽やかな休日です。暖かな陽気に誘われて、ドライブにで行きたい気分でしたが、ブルノ・フィルを聴きに出かけました。

 毎年のように来ている東欧系のオケ。いまさら聴くのもはばかられるような気持ちもありましたが、いつもの「モルダウ」と「新世界」じゃないし、せっかくの休日でもあるので、チケットを買ってしまいました。ブルノ・フィルの新潟への来演は何回かあると思いますが、調べてみたら、私は2007年11月に聴いていました。

 ホールに入ると3分の2程度の入りでしょうか。ちょっと空席が目立ちました。観客層は東響定期とはかなり違って、お年を召された方の割合が多いように感じました。私の席は3階正面の前方。A席エリアでは一番好きな場所です。

 スメタナで演奏開始。オケの音色としてはなかなかきれいであり、特に弦の良さには驚きました。さすがにお国物は安心して聴けます。「わが祖国」といえば、モルダウばかり聴かされますので、今日はなかなか聴けない曲で良かったです。

 続いてはチャイコフスキーのコンチェルト。ピアノのピサレンコは初めてですが、ちょっと小柄ながらもダイナミックな演奏で良かったです。客層から想像されましたが、予想通りに第1楽章の後に盛大な拍手が贈られました。全体として、オケもピアノも良い演奏だったと思います。
 アンコールにラヴェルが演奏されましたが、これはチャイコフスキー以上に良かったです。透明感のある音色で、なかなかのピアニストのようです。アンコールにこういう静かな曲を選ぶところに好感を持ちました。

 後半は「悲愴」。これも良い演奏だったと思います。残念なのは前半同様に楽章間の拍手。「悲愴」という曲を知らなければ、第3楽章の後に拍手するのは理解できなくもありませんが、やはりちょっと残念でした。
 もっと残念だったのはフライング拍手。賑やかなエンディングの曲なら我慢もできますが、悲愴の最後にフライイング拍手はないでしょう。おまけにブラボーときましたから・・・。音が消えるまでなぜ待てないのでしょうか。マーラーの9番と並んでフライング厳禁の曲と思うのですが。私の気持ちが「悲愴」になってしまいました。

 アンコールはスラブ舞曲と予想しましたが、見事に外れて「フィガロ」でした。これも良い演奏でした。

 1流オケというわけではありませんが、演奏そのものは非常に良かったと思います。このような低料金で高水準な演奏が聴けるのは東欧のオケならではであり、得した気分です。楽章間拍手は我慢するにしても、悲愴の後のフライングさえなければ良かったのですけれど。

 でも、一部の人は除いて、大多数の人はオーケストラの素晴らしさを楽しまれていたようです。空席が多かったのは残念でしたが、こんな低料金ですばらしい演奏が聴けるのですから、どんどん足を運んでいただきたいものです。
 

(客席:3階I3-9、A席:7000円)