ロレンツォ・ギエルミ オルガンリサイタル
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2011年9月3日(土) 15:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
オルガン:ロレンツォ・ギエルミ
ベーム:前奏曲、フーガと後奏曲 ト短調

ベーム:天にいますわれらの父よ

スカルラッティ:ソナタ イ短調 K61、ソナタ ニ短調 K92

J.S.バッハ:前奏曲、ラルゴとフーガ ハ長調 BWV545、529/2

J.S.バッハ:イタリア風のアリアと変奏 BWV989

(休憩)

J.S.バッハ:主イエス・キリストよ、われらを顧みたまえ BWV655

J.S.バッハ:おお愛する魂よ、汝を飾れ BWV654

J.S.バッハ:前奏曲とフーガ イ短調 BWV543

J.S.バッハ:目覚めよ、と呼ぶ声あり BWV645

J.S.バッハ:トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564

(アンコール)
J.S.バッハ:わが心の切なる願い BWV727
J.S.バッハ:シュープラーコラールより われらとともに留まりたまえ、主イエス・キリストよ BWV649
 
 
 

 台風が日本列島に上陸。新潟はフェーン現象で猛烈な暑さです。雨こそ降りませんが、怪しげな雲がかかり、強風が吹いています。

 こんな土曜日の午後、このコンサートに行ってきました。私は不勉強で知りませんでしたが、ギエルミ氏はイタリアのオルガンとチェンバロの奏者で、ルネッサンス、バロック音楽の第一人者なんだそうです。CD録音も活発にしており、どうな演奏を聴かせてくれるのか期待が膨らみました。
 ホールはいつものオルガンコンサート並みの入りでしょうか。私は音響的に好きな3階のサイド席に席を取りました。

 前半は、ベーム、スカルラッティが演奏された後バッハの2曲が演奏されました。落ち着いた音色ときれいな響きがホールを満たし、癒しのひと時を過ごすことができました。遅めの昼食を摂った後で、しばしまどろみの世界へ。

 後半は我に返り、精神集中。いずれもすばらしい演奏でした。重苦しさのない軽快な演奏に感じました。音色的にもうるささがなく、重低音も良く響き、聴いていて心地良さを感じました。何となく、イタリア的な明るさが漂っていたような印象がありましたが、イタリア人という先入観が強すぎでしょうか。

 オルガンは、演奏もさることながら、どのような音色を選ぶかにも演奏者の技量が現れます。 音楽とオルガンの音色とがベストマッチし、心に染みる音楽を作り出していたように思います。
 りゅーとぴあの大オルガンは何度も聴いていますが、これまでにない美しい響きがホールを満たし、新鮮な喜びを感じることができました。特に後半のバッハは眠気も消し去るようなすばらしい演奏だったと思います。
 パイプオルガンというと重厚とか荘厳とかという印象を持ってしまいますが、ギエルミ氏の演奏はピアノでも弾くかのように、仰々しくない軽やかな演奏で、心にすんなりと入り込んできました。卓越した演奏技術のなせる技なのでしょう。

 終演後、CD購入者にはサイン会が開かれましたが、そのまま会場を後にしました。外に出ると夕方というのに猛烈な暑さ。風も強くなっているようです。早く台風が通り過ぎますように・・・。

(客席:3階J2-14、全席自由、会員割引2700円)