連日の猛暑で、うんざりの毎日です。こんな暑さに関わらず、陸上競技場では陸上競技の大会が開催されていました。選手の皆さんはご苦労さんです。
某所で久しぶりにラーチャンを食べて、13時からのロビーコンサートを聴きました。涼めると思ったのですが、節電のためか冷房はほどほどで、ちょっと暑かったです。
今日のロビーコンサートは、十亀さん、田尻さん、福留さん、山廣さん。、川井さんによりブラームスのクラリネット五重奏曲が演奏されました。この曲は十亀さんは初めての演奏とのことでした。
響きの良いホワイエに弦楽四重奏とクラリネットの柔らかな音色が響いて、聴いていて心地よかったです。演奏後に十亀さんから話があり、第1楽章の後半で演奏を間違えてしまったそうで、アンコールとして間違えた部分を演奏してくれました。素人の私には全く分からず、すばらしい演奏に思えたのですが、プロとしてはごまかせなかったものと思います。
その後、開演まで時間があったので、某大型書店で時間をつぶしたのですが、ここも冷房が効いておらず、蒸し暑くて困りました。
再びホールに出直して、定期の開演です。いつものように拍手の中に楽員が入場。最初は交響曲第25番です。指揮台はなく、弦は10-8-6-6-4と小編成です。他にはオーボエ2、ファゴット2、ホルン4+1。ホルンは4人のはずなのですが、なぜかハミルさんがいて、暇そうにしていました。コンマスはニキティンさんで、その隣に高木さん、2列目に田尻さんに廣岡さんという豪華な布陣。スダーンの指揮の下、キビキビした演奏で、いつもの東響以上にすばらしいアンサンブルだったと思います。
続いては、キュッヒルさんと西村さんのソロによる協奏交響曲です。編成は、弦が10-8-8-6-4に、オーボエ2、ホルン2です。コンマスは高木さんで、隣がニキティンさんとなりました。薄いピンクのドレスの西村さんは清楚で良かったです。
演奏は、キュッヒルさんのすごさが目立っていました。音量豊かに輝きがありました。西村さんは、私が勝手に抱いているイメージそのもののように、柔らかな、優しい音色で、ふんわりとした雰囲気でした。カデンツアではキュッヒルさんと絶妙のアンサンブルを聴かせてくれましたが、音量的に弱い場面もあり、オケに埋もれてしまうこともありました。でも、すばらしい演奏であり、十二分に楽しむことができました。
アンコールに、第2楽章のカデンツアの部分が演奏されましたが、指揮者なしでオケも合わせて盛り上げてくれました。会場も大盛り上がり。再度アンコールに応えて、第3楽章を演奏してくれました。オケは指揮者なしでしたが、時折キュッヒルさんが管に指示を出していました。スダーンさんが指揮していたとき以上に良い演奏だったように感じました。
休憩後は浄夜です。弦楽版ということで、弦7部での演奏です。各楽器がどのように配分されているのかわかりませんが、ヴァイオリンが16+14、ヴィオラが12、チェロ10、コントラバスが8でした。コントラバスは中央後方に横に1列に並んでいました。
コンマスはキュッヒルさんで、隣がニキティンさん。2列目に高木さんと田尻さん、3列目に廣岡さんと、東京の誇るコンマス陣は大谷さんを除いて揃い踏みです。このコンマスの5人だけ他の奏者と椅子が違っていたのが面白かったです。西村さんも着替えてヴィオラの1列目に青木さんと並んでおられました。なお、今度は指揮台が用意されていました。
演奏はすさまじいもの。大編成の弦楽の分厚い響きがホールを満たし、芳醇なサウンドに酔いしれ、心は浄められました。キュッヒルさんのソロも光っていました。ヴィオラが縦に6人ずつ2つのパートに分かれて演奏していたのが新鮮で面白かったです。
この曲がこんなにもすばらしかったなんて、初めて気付きました。実はこの曲は、5月に名古屋フィルの演奏で聴いているのですが、そのときは感動できず、欲求不満でした。今日の演奏は言うことはありません。拍手がもう5秒遅いと良かったのですけれど、余韻をかき消すようにフライングする人には閉口してしまいます。
音楽監督のスダーンが指揮するときの東響は一味違います。今日はキュッヒルさんを迎えて、一段と熱が入っていたように思います。前半だけでも大満足だったのですが、浄夜のすばらしさに息を呑みました。早くも今年のベストコンサートに上げたいくらいです。
(客席:2階C5-**、S席:定期会員、5500円) |