新潟交響楽団 第88回定期演奏会
  ←前  次→
2011年6月12日(日) 14:00  新潟県民会館 大ホール
 
指揮: 松沼俊彦
ヴァイオリン: 鈴木 舞
 



(追悼演奏)J.S.バッハ:G線上のアリア

ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」序曲

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 op.61

(休憩15分)

シベリウス:交響曲第2番ニ長調 op.43

(アンコール)シベリウス:悲しきワルツ



 

 
 

 何だかんだで、3週間ぶりのコンサートです。東響定期以来ですから、ずいぶん久しぶりになりました。今日の潟響定期はヴァイオリンの鈴木さんが目玉。関係者から、若いのにすごいという噂を聞き、楽しみにしていました。潟響は、LFJ新潟プレ公演で、奥村愛さんと同じ曲を演奏しており、今度はどんな演奏になるのか、期待が高まりました。

 今日は朝からどんよりとした曇り空。日光が遮られた分、暑さが和らぎ、過ごしやすい陽気となりました。混み合うかと思って早めに会場入りしたのですが、それほどの混みようではなく、空席も目立ちました。県民会館ではお気に入りの2階席最前列に席を取りました。

 最初は東日本大震災の犠牲者を追悼して、弦楽だけでバッハのアリアが演奏されました。きれいなアンサンブルにうっとりと聴き入り、黙祷をささげましたが、状況をわきまえずに拍手した人が2名ほどおられたのは残念でした。さらにその後、追悼演奏に関わらず盛大な拍手が沸いたのはもっと残念でした。

 さて、いよいよ本公演。ロッシーニの序曲で開演となりましたが、どうも締りのない演奏に聴こえてしまいました。軽快さがなく、音にまとまりが感じられません。オーボエは良かったですけれど。今週は体調がイマイチだったので、音楽に集中しきれない面もあるのかもしれません。

 続いては本命のベートーヴェンの協奏曲です。白いドレスの鈴木さんは大変チャーミングで、ステージに華やぎが感じられました。演奏はちょっと線の細さが感じられ、異音が聴こえたりもあり、ちょっと肩透かしというのが個人的感想です。若いのですから、もっと元気良く、颯爽と演奏してほしかったなあ・・。期待しすぎたのが良くなかったのかも。潟響の演奏もまとまりのないような印象。前半の2曲は欲求不満と言わざるを得ません。

 休憩後はシベリウス。潟響としては22年ぶりの演奏だそうです。もしかしたら22年前も聴いていたかも。オケの編成が大きくなり、トラの皆さんも参加されており、ファンである渋谷陽子さんや庄司愛さんのお姿もありました。
 この演奏はすばらしかったです。後半のために前半は力を温存していたんじゃないかと感じました。管楽器のソロ、アンサンブルともお見事。金管が鳴らしすぎかとも思いましたが。弦楽もきれいであり、全身を使ってダイナミックな指揮をする松沼さんに良く応えていたと思います。冷房が効きすぎていたせいもありますが、ホール内は北欧の空気に包まれていたように感じられました。

 アンコールに「悲しきワルツ」をしっとりと演奏して終演となりましたが、前半はイマイチ、後半はブラボーというのが私の感想です。音響の悪い県民会館というのも欲求不満の一因かもしれません。

 次の定期は11月27日。創立80周年記念演奏会となります。前から噂には聞いていましたが、三船優子さんとの共演が公式発表されました。曲目はラプソディ・イン・ブルーにマーラー:交響曲第1番ほかです。これは楽しみですね。 
 

(客席:2階1−18、自由席:1000円)