幸田浩子&林美智子の極上のモーツァルト
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2011年3月6日(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
ソプラノ: 幸田浩子 (S)
メゾソプラノ: 林美智子 (M)
ピアノ: 田島亘祥
  
 
春への憧れ K.596 (S,M)

すみれ K.476 (M)
ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき K.520 (M)
夕べの想い K.523 (M)
クローエに K.524 (M)
可愛い糸紡ぎ娘 K.531 (M)
おいで、愛するツィターよ K.351 (M)

モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ!」 K.165 (S)
  I.踊れ喜べ II.聖処女の冠よ III.アレルヤ

(休憩20分)

歌劇「皇帝ティートの慈悲」K.621 より 
  二重唱「ああ、これまでの愛に免じて許してください」 (S,M)
  セストのアリア「ああ、この今この時だけでも」 (M)

歌劇「ドン・ジョヴァンニ」K.527 より
  ツェルリーナのアリア「恋人よ、さあこの薬で」 (S)

歌劇「フィガロの結婚」K.492 より 
  ケルビーノのアリエッタ「恋とはどんなものかしら」 (M)
  スザンナのアリア「とうとうこの時が来た〜恋人よ早くここへ」 (S)

歌劇「クレタの王イドメネオ」K.366 より
  序曲 (ピアノ・ソロ)
  イリアのアリア「お父様、お兄様、さようなら」 (S)
  イダマンテのアリア「凍るような恐怖に〜愛しい父を」 (M)
  二重唱「私は心に幾多の後悔を感じている〜この言葉を聞いて私が死ぬのなら」 (S,M)

(アンコール)
  アヴェ・ヴェルム・コルプス (S,M)
 
 

 毎週のように輸入新譜CDを貸していただき、いち早く音楽情報を教えていただいている音楽通の知人がいるのですが、その人が何年も前から、林美智子というすごい歌手がいるので、是非新潟に呼んでもらえるよう働きかけたいと話していました。武満徹の歌曲のCDを貸してもらったら、確かにすばらしい歌手であり、ヴィジュアル的にも私好みで、是非コンサートを聴きたいなあと思っていました。
 そんな折、このコンサートが企画され、きれいなチラシも魅力的で、大変楽しみにしていました。ラジオ番組でお馴染みの幸田さんとの共演というのも魅力です。

 このコンサートは毎年恒例の「りゅーとぴあオペラ劇場オペラコンサート2011」としてのコンサートですが、「りゅーとぴあ・モーツァルト・ツィクルス」の第7回ということで、題名のごとくオール・モーツァルト・プログラムです。

 3月になったというのに、真冬の寒さが)続いていましたが、週末はどうにか天候が持ちこたえてくれました。所用を済ませ、開場時間まで県民会館の情報ラウンジで時間をつぶそうと行ってみたら、コスプレ姿の若い女性たちがウヨウヨ。ヴィジュアル系のバンドのコンサートのようでした。場違いなところに来ちゃった感じで、早々に退散しました。

 気を取り直してりゅーとぴあへ。ホールは1階と2階B,C,Dブロックのみが使用されましたが、6割程度の入りでしょうか。ちょっと空席が目立ちましたが、私の隣は誰もおらず、ゆったりできて良かったです。

 白いドレスの幸田さん、紫のドレスの林さんが登場して開演です。いずれ劣らぬ美貌と美声。良く響くホールも後押しして、すばらしい歌声に酔いしれました。

 後半は幸田さんは鮮やかなピンクのドレス、林さんは銀色のドレスに衣裳換えして歌いました。二人とも声量豊かで、リリカルな幸田さん、浪々と歌う林さん、ともに魅力全開です。音域こそ違いますが、二人の声質は良く似ているので、二重唱はすばらしいハーモニーで美しかったです。

 アンコールにアヴェ・ヴェルム・コルプスをしっとり歌って終演となりましたが、期待以上にすばらしいコンサートでした。題名どおりの極上のモーツァルトでした。
 見事なコルラトゥーラを聴かせてくれた幸田さんも最高でしたが、林さんの歌声のすばらしさには感激でした。すらりとした容姿に長い黒髪というヴィジュアル面でも感激しました。

 お二人とも新潟は初めてと話されていましたが、またの来演を期待させるすばらしいコンサートでした。ホールの響きの美しさも再認識しました。いいホールでいい歌声。幸せなひとときでした。
 

(客席:2階D5-31、A席:会員割引、2700円)