新潟シューベルティアーデ
− シューベルトの歌曲 その世界を味わう Vol.3 −
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2011年2月27日(日) 14:00  新潟市民芸術文化会館 スタジオA
 
田辺千枝子(ソプラノ)、中森千春(メゾソプラノ)、高橋宣明(テノール)、佐藤 匠(バス)
栄長敬子(ピアノ)、八子真由美(ピアノ)
 
〜シューベルトとゲーテ〜

I 「ゲーテ=シューベルト歌曲アルバム第1巻」より
 恋人の近く D162  (高橋、八子)
 野ばら D257
 悲しみの喜び D260  (佐藤、栄長)
 海の静寂(第2作) D216

II 「ヴィルヘルム・マイスター」に寄せて
 ミニョンに D161b  (高橋、八子)  
 「ヴィルヘルム・マイスター」より
   ミニョン D321  (田辺、八子)
   ミニョンの歌(話すようにと言わないで) D877,2  (中森、栄長)
   ミニョンの歌(このままの姿で) D877,3
   ミニョンの歌(憧れを知る者だけが) D877,4  (田辺、八子)
   ミニョンと竪琴弾き D877,1  (田辺、高橋、八子)

(休憩15分)

 竪琴弾きの歌 D478  (佐藤、栄長)
   孤独に身を委ねる者は
   涙と共にパンを
   戸口に忍んで

III 「ゲーテ=シューベルト歌曲アルバム第1巻」より
 魔王 D328  (中森、栄長)
 羊飼いの嘆きの歌 D121
 糸を紡ぐ女 D247  (田辺、八子)
 糸を紡ぐグレートチヒェン D118
 漁師 D225  (高橋、八子)
 狩人の夕べの歌(第2作) D368

(アンコール)ネズミとり  (全員)
 
 

 声楽に疎い私は、歌曲を聴く機会はほとんどなく、シューベルトの歌曲をまとめて聴けるこのコンサートは、私にとりましては貴重な勉強の場でもあります。地元の音楽家による手作りコンサートというのもすばらしいことと思います。
 第1回のコンサートも聴かせていただき感銘を受けましたが、昨年の第2回は所要で行けませんでした。もっともチケットもすぐに完売になってしまいましたが。今年もテノールの高橋先生からお誘いをいただき、今年こそは聴きに行かねばと、早々にチケットを確保しておきました。

 今日は日曜日。ちょっと肌寒い曇り空ですが、何とか天候は持ちこたえていました。ちょっと早めに家を出て、東響新潟定期の日に恒例の、1時からのロビーコンサートを聴きました。東響ヴィオラ主席の青木さんの素晴らしい演奏にうっとりすると、ちょうど開場の時間となりました。

 毎回チケット完売の大人気のコンサートであり、今日も満員となりました。私は右側2列目に席を取りましたが、会場内はご婦人方が9割がたを占めており、男の肩身が狭く感じました。

 今日のコンサートはゲーテにちなんだ曲で、「ゲーテ=シューベルト歌曲アルバム第1巻」と「ヴィルヘルム・マイスター」の曲が歌われました。「竪琴弾きの歌」で終わると暗い気持ちになるので、「ゲーテ=シューベルト歌曲アルバム第1巻」を前半後半に分けて演奏することにしたそうです。各曲の解説と、歌詞・対訳の載った立派な冊子が配られて、大変参考になりました。

 最初はテノールの高橋さんの歌でしたが、声量豊かに、明るく楽しそうに歌うお姿が印象的でした。一方、バスの佐藤さんは曲調もありましょうが渋い歌声でした。初めて聴くソプラノの田辺さんも良かったですが、メゾソプラノの中森さんの歌声は迫力がありました。まだお若いと思いますが、貫録ある声量豊かな歌いぶりに感銘しました。

 四人の歌手それぞれに個性があり、シューベルトの歌曲の楽しみを教えていただけたように思います。各曲とも良かったですが、「魔王」はおどろおどろしいような迫力がありました。毎回テーマを決めて選曲しているそうですが、人気曲である「野ばら」と「魔王」は外せないと話しておられました。

 この歌手たちを支えたピアノの八子さん、栄長さんのお二人の素晴らしさも特筆するべきでしょう。アンコールには全員登場しましたが、ピアノの八子さんはそのまま伴奏でしたが、栄長さんは歌手として歌っておられたのも面白かったです。
 出演の皆さんの熱演に満員の客席は大盛り上がりでした。来年もこの時期に開催されるとのことであり、来年もにぎわうことでしょう。
 

(客席: 左側2列目、全席自由:1500円)