山本真希 オルガンリサイタルシリーズ 
グレンツィングオルガンの魅力 No.8 オルガンで聴くハイドン
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2009年11月14日(土) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
オルガン:山本真希
Vn:廣川抄子、佐々木友子、Vc:渋谷陽子
トランペット:佐藤友紀
 
 
 
ハイドン:オルガン協奏曲 ハ長調 Hob.XVIII-8

      弦楽アンサンブル:Vn:廣川抄子、佐々木友子、Vc:渋谷陽子

ハイドン:音楽時計による音楽より

ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調 Hob.VIIe-1

      トランペット:佐藤友紀

(休憩20分)

モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス 

      トランペット:佐藤友紀

ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 作品56a
 
 

 本日は所用多く、聴きに行けそうもなかったのですが、山本さんファンとしましては万難を排して行かねばならず、某所での会合を途中で退席してタクシーで駆けつけ、開演にギリギリ間に合いました。客席の入りはいつもより多いようで、2階席はかなり埋まっており、いつもの3階正面に席を取りました。

 最初は弦楽アンサンブルとの共演によるオルガン協奏曲でした。小編成の弦楽アンサンブルとオルガンに組み合わせは音量的差があって難しいのではないかと危惧していたのですが、全くに杞憂でした。オルガン席の前に仮設されたステージで演奏されたのですが、ヴァイオリン、チェロともに十分な音量でホールに響いていました。改めてりゅーとぴあの音響の良さに感心しました。3階席で聴く限り、ステージで演奏するより良い響きのように感じました。演奏も素晴らしく、音量を控えたオルガンと見事なアンサンブルを聴かせてくれました。この最初の1曲で聴きに来た甲斐があったと思いました。

 続いてはオルガンの小品で、6曲続けて演奏されましたが、なかなかチャーミングな曲でした。続くトランペット協奏曲は佐藤さんの名演奏があって、大いに楽しめました。オルガンとトランペットの組み合わせは、2004年9月のコンサートで、高橋敦さんのトランペットと前専属オルガニストの和田さんの共演を思い出します。今回の演奏はそのとき以上の感動をもらったように思います。抑え気味のトランペットとオルガンが美しく噛み合って、うっとりと聴き入りました。

 休憩後は次の会合があるため途中退席も覚悟して、3階最後方に席を移して臨みました。最初は再びトランペットの佐藤さんが登場して、アヴェ・ヴェルム・コルプスが演奏されました。佐藤さんの演奏が素晴らしかったですが、短い曲で、すぐに終わったのが残念でした。

 最後はブラームスですが、オーケストラ版は聴いたことがありますが、オルガン版は初めてでした。これは圧巻の演奏だったと思います。山本さんの面目躍如たる演奏であり、コンサートの最後を飾るにふさわしい名演奏だったと思います。オルガンの魅力を十二分に聴かせてくれた山本さんに感謝したいと思います。

 終演は6時半。次の会合へ向かうべく、カーテンコールの途中に後ろ髪を引かれながら退席したのですが、プログラム全曲を聴くことができて幸いでした。アンコールはなかったようでちょうど良かったです。しかし、随分早く終わったものでしたね。

 今回は弦楽アンサンブルやトランペットとの共演もあり、これまでのリサイタルよりさらに楽しめたように思います。次のリサイタルは3月。もしかしたら山本さんは最後になるかもしれません。任期が終わるようですが、是非とも契約延長してもらいたいものです。歴代の専属オルガニストに比して、親しみやすい人柄であり、積極的にオルガンの魅力を市民にアピールした功績は賞賛すべきと思います。
 

(客席:3階 I4−8、全席自由:1350円、セット券・会員割引)