山本真希 オルガンリサイタルシリーズ 
グレンツィングオルガンの魅力 No.5  
      メシアンとフランス音楽 
〜メシアン生誕100周年を記念して〜
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2008年10月5日(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
パイプオルガン:山本真希
 
メシアン:「主の降誕」より
             第1番 聖母と幼子
             第2番 羊飼いたち
             第3番 永遠の摂理
             第5番 神の子たち
             第6番 天使たち
             第7番 イエスは苦難を受け給う

デュプレ:前奏曲とフーガ ト短調 作品7/3

(休憩20分)

リテーズ:序曲とフーガ風舞曲

メシアン:天上の宴

メシアン:「栄光の御体−甦りし者たちの命に関する7つの短い幻影−」より
             第5番 栄光の御体の力と敏捷さ
             第6番 栄光の御体の喜びと輝き

メシアン:永遠の教会の出現

メシアン:「聖霊降臨祭のミサ」より
             第5番 閉祭唱 −聖霊の風−

(アンコール)
メシアン:モノディ

 
 

 日曜日夕方の開演で、スケジュール的には空いていたものの、メシアンのオルガン曲など馴染みがありませんので、山本さんファンの私ではありますが、今回はパスしようかと考えていました。でも、せっかくフリーで他に予定もありませんでしたので、料金も安いことですし、行ってみることにしました。

 白山公園に着くと駐車場は満車。しばらく待って駐車することができました。陸上競技場ではJリーグのサテライトの試合が行われており、アルビレックス新潟とベガルタ仙台の試合がちょうど終わって、観客が帰るところでした。残念ながらホームゲームではありましたが、試合は引き分けに終わったようでした。
 ホールに着くと開場待ちの長い行列ができていてビックリしましたが、オルガンの方ではなく、劇場で開催される「洋舞踊合同公演」の行列でした。ロビーでは生け花の展覧会も開催されていて、文化の秋到来を感じさせました。

 当日券を買って入場しましたが、こちらはガラガラ。ちょっとさびしい気もしますが、オルガンのコンサートはこんなものでしょう。かく言う私も本当なら来ないはずでしたし・・・。2階席正面はそれなりに埋まっていましたが、私の座った3階席は客がまばらで、その分ゆったり気分で鑑賞できました。なお、当初の発表と曲目が若干変更されました。

 曲は、すべてが初めて聴く曲で、予想通り馴染みにくい感じがしました。神秘的という表現もできましょうが、やや単調さを感じ、音を長く伸ばして、メロディを聴かせるのではなく、音を聴かせるという感じでした。曲の終わりもはっきりせず、ためらいながらの拍手でした。曲毎に照明が工夫され、演奏効果を上げていましたが、各曲とも短く細切れに拍手を入れながら演奏され、精神性の高さは感じたものの、盛り上がりに欠けたように思います。各曲を連続して演奏した方が曲に没頭できて聴きやすかったと思います。音楽を娯楽として聴く私にとっては、集中力を維持するのがつらかったのは事実です。

 後半も前半同様の曲が続いて、精神集中が切れそうになりましたが、「永遠の教会の出現」で目が覚まされました。神秘的で荘厳なオルガンの響きがホールにこだまし、幻想的な照明効果もあって、まさに眼前に教会が出現しました。コンサートホールは音の大伽藍と化し、夢幻の世界へと誘われ、トランス状態となりました。ホールは音の洪水に振動し、ホールも楽器なんだということを実感させました。山本さんの聴き応えある迫力ある演奏に一気に引き込まれました。
 最後の曲も締めくくりにはピッタリの迫力あるものでしたが、ちょっと短かったように思いました。でも怪しげな照明が雰囲気を盛り上げていました。 
 アンコールは単調な曲で、せっかくの盛り上がりを鎮めてくれました。派手に終わった方が印象深いように感じますが、しめやかに終わるというのも意図があってのことなのでしょう。

 音楽の素養のない私にとっては、曲自身は当初の予想通りに馴染みにくく、楽しめたとは言い難かったですが、終わってみれば充実したコンサートだったと思います。日頃聴く機会のないこういう曲を聴けたということは良かったと思います。家でゴロゴロしているより、出てきて良かったと感じました。曲調にピッタリ合った照明も効果的でした。

 山本さんの次のリサイタルは来年2月22日に開催され、今度はスペインのオルガン音楽だそうです。りゅーとぴあのオルガンはスペイン製ですからまさにピッタリ。期待できそうですね。
 

(客席:3階 I3-8、会員割引:1350円)