中村紘子 ピアノ・リサイタル
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2008年7月20日(日) 15:00  新発田市民文化会館
 
ピアノ:中村紘子
 
ハイドン:ピアノソナタ 第53番 ホ短調 Hob XVI-34

シューマン:クライスレリアーナ

(休憩15分)

ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」

 プロムナード〜小人〜古城〜テュイルリー〜ブイドロ〜卵の殻をつけたひなどりのバレエ〜二人のユダヤ人、太ったのとやせたの〜リモージュの市場〜カタコンブ〜鶏の足の上に建っている小屋〜キエフの大きな門

(アンコール)
ショパン:別れのワルツ
グラナドス:アンダルーサ
ショパン:幻想即興曲
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番
マクダウェル:魔女の踊り

 
 

 梅雨明けして、暑さが益々厳しくなってきました。今日は新発田でのコンサートです。タワーレコード新発田店でCDを買い、2時過ぎにホールに行くと既に行列ができており、私も並んで開場を待ちました。今回のコンサートは新発田市内のピアノ教室の50周年記念ということで、料金も安く設定されていましたので、駆けつけた次第です。

 ホールに入ると、複雑な構造でちょっと戸惑いました。扇形の997席(+車椅子席5席=1002席)の大ホールで、3層構造になっています。いわゆる1階席が2階にあるため、2階席と表現され、1階席は存在しません。同様に2階席が3階席、3階席が4階席と表現されているので混乱してしまいます。また客席のゾーン毎に、S席、A席、B席、C席、D席、E席という表現がされているため、料金の席種と混乱しそうです。初めての者にとっては分かりにくいホールです。館内はエレベーターもありますが、狭い階段で上がり下がりする必要があります。4階席最後方でもステージからの距離が近く、見やすい構造なのは良いと思います。私は2階席中央(普通に言えば1階席)の来賓席のすぐ後ろに席を取りました。前半のプログラムは当初の発表と大きく変更されて、ブラームス、アルベニス、シチェドリンがハイドンとシューマンになってしまいました。ピアノはちょっと古ぼけたスタインウェイです。

 薄いピンク(朱鷺色)のドレスの中村が登場して演奏が開始されました。ハイドンは優しい演奏でうっとり。シューマンはまどろみの世界へ。ちょっとウトウトしてしまいました。先週ツィメルマンのすばらしいピアノの音を聴いた後では、このホールのピアノの音色は若干濁りを感じてしまいます。思い入れたっぷりの演奏でしたが、メロディが細切れになって、流れなかったように感じました。
 後半のムソルグスキーは豪快そのもの。ダイナミックな力強い演奏に圧倒されました。いかにも中村というような有無も言わせぬ演奏でした。繊細さには若干欠けましたが、音の大伽藍とでもいうような演奏で、これはこれですばらしい演奏だったと思います。
 アンコールはサービス良く5曲。それぞれ性格の違った曲を弾き分けて、楽しませてくれました。特に幻想即興曲での流れるような指つかいには息を呑みました。まだまだ若い者には負けないという気概を感じさせ、さすがに日本の重鎮ということを再確認させられました。このアンコールはいずれも良かったです。

 さて、今日のコンサートは曲目が大きく変わったのは残念でしたが、いい演奏を聴かせてくれたと思います。椅子に座ると同時に演奏を始めるのにはビックリしました。ピアノの音色はイマイチに感じたものの、ホールの響きは意外にも良かったです。県民会館や音楽文化会館より数倍残響が多く、りゅーとぴあ並みに感じました。ただし、空調の雑音がうるさかったのは残念でした。また、椅子は座面が固定されていて、がっちりした作りであり、一見豪華そうにみえますが、背もたれが低く、座面が固くて尻が痛くなってしまいました。でも、なかなかいいホールだと思います。

 終演後ロビーでサイン会が行われましたが、サインしている様子を隣で眺め、ホールを後にしました。 
 

(客席:B-15-29、全席自由:3000円)