ロングアイランド・ユースオーケストラ 日米親善コンサート
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2008年7月9日(水) 18:30  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:マーティン・ドライヴィッツ、 スコット・ダン(*)
 

 
グラズノフ:ロシアの主題による行進曲
ブラームス:大学祝典序曲
ウェーバー:クラリネット協奏曲第1番
ポンキエルリ:歌劇「ジョコンダ」より 時の踊り

(休憩20分)

ボロディン:歌劇「イーゴリ公」より だったん人の踊り(*)
ガーシュイン:歌劇「ポギーとベス」より 組曲
スーザ:行進曲「エルキャピタン」

(アンコール)
スーザ:行進曲「星条旗よ永遠なれ」 (2回演奏)

 
 

 日米親善に寄与するために、仕事を何とか片付けて、開演ぎりぎりにホール到着しました。自由席でしたが、通常のコンサートでのS席エリアは結構埋まっており、空いていた3階席に座りました。コンサート開催が告知されたのがつい最近ですし、宣伝もほとんどされていなかったので、一般にはほとんど周知されていなかったように思います。その割には客が入っていたと見るべきでしょう。学生さんが多いのが目に付きました。
 さて、このオーケストラは、ニューヨーク郊外のロングアイランドの16〜22歳の青少年によるオーケストラであり、世界各地でサマーコンサートを開催しているそうです。今回の演奏旅行では、日本(富山、新潟)のほかに、ロシア、韓国、ハワイで公演を行うそうです。新潟公演は、新潟日米協会と国際ロータリー第2560地区(新潟)が受け皿になっていて、赤いリボンを付けた関係者の姿が目に付きました。7日には新潟入りしていたようで、新潟の中学校や高校での訪問演奏が行われたり、新潟の青少年との交流の機会が持たれたりしたとのことです。日米親善が図られたようで良かったと思います。
 ユースということで、あまり期待もしていなかったのですが、もしかしたら世界ツアーをやるくらいだから、いい演奏をするのかもしれないと考え、500円と低料金でもあったため、チケットを買った次第です。

 プログラムは当初の予定と大きく変わっていました。どういう事情だったのでしょうか。奏者はいかにも少年という感じから老けた人まで様々。人種も様々。演奏は、淡い期待に反して、予想通りに、いかにもユースという感じでした。クラリネット協奏曲でソロを演奏した青年は大変上手でしたけれど、オケの演奏としてはイマイチであり、音がよく出ず、アンサンブルが整っていませんでした。おっかなびっくり演奏している感じがありありで、特に打楽器が危なっかしく感じました。演奏レベルとしては高くはなく、曲によっては、新潟市ジュニアオケのB合奏の方が上手なんじゃないかと思う場面もありました。同じユースでも、私が昨年聴いたアジア・ユースとは大違いです。でも、アマチュアの、それも青少年の演奏ということで考えればまあまあと言うべきでしょうか。それなりに聴かせてはくれましたから。
 後半1曲目の「だったん人の踊り」は副指揮者というトロンボーン奏者が指揮しました。演奏効果を出しやすい曲のはずですが、やっぱり不発でした。ただし、その後のアメリカ物はそれなりに上手で、聴き応えがありました。ガーシュインの組曲の中のサーマータイムなどは泣かせてくれました。スーザは曲調もあって、まあまあ盛り上がりました。
 アンコールは「星条旗よ永遠なれ」が演奏されました。打ち合わせをしたかのように、会場から手拍子が湧き、シエナ・ウインドオーケストラのフィナーレみたいな雰囲気でした。最後を盛り上げるには適当な曲と思います。拍手に応えてもう一度演奏して終演となりました。

 演奏がどうのと言うより、日米の青少年の交流が図られたのは良かったと思います。新潟とニューヨークの若者の相互理解が深まったとするなら、成功と言うべきでしょう。こういうオケが海外ツアーをするなんて、さすがアメリカですね。
 

(客席:3階 I 2−5、自由席:500円)