ジュニアオーケストラ・フェスティバル 2007 in NIIGATA
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2007年8月19日(日) 12:30  新潟市民芸術文化会館・コンサートホール
 
 
 
ロビーコンサート)11:50〜12:20
(1)新潟市ジュニア邦楽教室(指揮:鯨岡 徹)
     川崎絵都夫:砂山ファンタジー
(2)岩倉市ジュニアオーケストラ(指揮:村木純一)
     イエッセル:おもちゃの兵隊の行進
     グリーグ:ノルウェー舞曲第2番
(3)岡山市ジュニアオーケストラ
     モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク 第3楽章
     小六禮次郎/マルケニーズ編:マーチ’05
(4)新潟市ジュニア合唱団
     藤公之助・作詞、小六禮次郎・作曲:愛の十二星座


1.みたかジュニア・オーケストラ(指揮:内藤有佳)
  モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K.364 より 
       第1楽章(ヴァイオリン:長倉亜砂、ヴィオラ:福田道子
(卒団生)
  ハイドン:交響曲第90番 ハ長調 Hob.I-90

2.トリフォニーホール・ジュニアオーケストラ(指揮:松尾葉子)
  J.シュトラウスU世:ワルツ「春の声」Op.410
  グノー:歌劇「ファウスト」よりバレエ音楽
       第1曲:ヌピア人の踊り
       第2曲:クレオパトラと黄金の杯、
       第3曲:ヌピア奴隷の踊り
       第4曲:クレオパトラと奴隷たちの踊り
       第5曲:トロイの娘たちの踊り
       第6曲:鏡の踊り、第7曲:フリネの踊り
  ビゼー:「アルルの女」第2組曲より 第4曲:ファランドール

3.仙台ジュニアオーケストラ
  ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲(指揮:秋元宏泰)  
  ガーシュイン:パリのアメリカ人(指揮:山下一史)

4.ジュニアオーケストラ浜松(指揮:河合尚一)
  チャイコフスキー:序曲「1812年」
  プロコフィエフ:バレエ音楽「ロミオとジュリエット」Op.64より 
       第51曲:ジュリエットの葬式
       第52曲:ジュリエットの死

(休憩20分)

5.豊田市ジュニアオーケストラ(指揮:新通英洋)
  モーツァルト:交響曲第35番ニ長調 K.385「ハフナー」

6.北九州市ジュニアオーケストラ(指揮:関谷弘志)
  ムソルグスキー:交響詩「禿山の一夜」
  ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調 Op.95 より 第4楽章

7.新潟市ジュニアオーケストラ教室A合奏(指揮:藤井裕子)
  ウッドハウス:いなかの踊り
  リムスキー=コルサコフ:歌劇「雪姫」より 「軽業師の踊り」

  新潟市ジュニアオーケストラ教室B合奏(指揮:上野正博)
  モーツァルト:歌劇「後宮からの誘拐」序曲 K.384
  ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」Op.92

(休憩20分)

8.フェスティバル・オーケストラ(指揮:上野正博)
  シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
  シベリウス:交響詩「フィンランディア」Op.26

 
 

 全国公立ジュニアオーケストラ連絡協議会に加盟し、交流を続けている9つの団体が新潟に集まりました。8月17日から練習と交流を深め、今日がその発表会です。この催しは3年ごとに開催され、今回が3回目です。新潟でこのような会が催されることはすばらしく、前々から楽しみにしていました。
 12時に会場に着くと、すでにロビーコンサートが始まっていました。残念ながら新潟市ジュニア邦楽教室の演奏は聴くことができませんでした。岩倉市と岡山市のジュニアオケの選抜メンバーによる演奏はジュニアとは思えないすばらしいものでした。しかし、もっと驚いたのは新潟市ジュニア合唱団の演奏です。小編成でありましたが、すばらしいハーモニーで感激しました。レベルの高さに改めて驚かされました。曲も大変美しいものでした。

 ホールに入ると客席の大部分は参加者や関係者の席となっており、3階後方にどうにか席を確保しました。各オケとも30分間の持ち時間で練習の成果を披露しました。
 最初はみたかジュニアオーケストラです。小編成ではありましたが、まとまりの良さを感じました。モーツァルトの協奏交響曲ではアンサンブルがちょっと不安定で、独奏者も力不足の感は否めませんでしたが、こういう曲をジュニアで演奏できることはすばらしいと思います。ハイドンはジュニアとは思えないしっかりとした大変良い演奏でした。あまりのすばらしさで、終楽章のパウゼで盛大な拍手が湧き上がってしまいました。
 2番目はトリフォニーホール・ジュニアオーケストラです。大編成のオーケストラで、少々大味なような感じもありましたが、聴かせどころをうまくまとめて盛り上げてくれました。演奏映えのする選曲も良かったと思います。
 3番目は仙台ジュニアーケストラです。これまた大編成で迫力満点でした。特に「パリのアメリカ人」はジャジーな雰囲気も感じさせ、すばらしい演奏だったと思います。
 4番目はジュニアオーケストラ浜松です。チャイコフスキーの緩徐部でアンサンブルの乱れが若干ありましたが、曲が曲だけに大爆発して迫力満点のすばらしい演奏でした。プロコフィエフも相当に難しい曲と思うのですが、演奏レベルの高さを実感させてくれました。組曲の中でも演奏映えのするにぎやかな曲じゃなくて、静かな曲を選んだのはセンスの良さを感じました。
 休憩ののち、5番目は豊田市ジュニアオーケストラです。モーツァルトのハフナーを全曲演奏したのですが、ジュニアの域を超えたすばらしい演奏でした。大人顔負けの演奏で、本日の演奏の中でも1・2を争う名演奏だったと思います。
 6番目は北九州市ジュニアオーケストラです。大編成で迫力ある演奏を聴かせてくれました。新世界は第4楽章だけとはもったいなく、全曲聴いてみたくなりました。
 そして最後は地元の新潟市ジュニアオーケストラ教室です。最初は年少者によるA合奏です。小学生が主体で、小柄な団員が大変かわいらしく、思わず顔がほころんでしまいました。チューニングのオーボエが怪しげで、ハラハラしちゃいましたが、演奏はしっかりと聴かせてくれました。大編成で思いっきり鳴らしたオケを聴いた後に小編成のA合奏を聴くと、音量が乏しく感じてしまいますが、演奏は良かったと思います。
 続いてメインのB合奏です。さすがに高レベルのすばらしい演奏です。りゅーとぴあはホームグランド。オケの鳴らし方も心得ていて、決してうるさくなりません。弦の美しさは全体でも一番だったと思います。モーツァルトも良かったですが、「謝肉祭」は本日の中で最も感銘深かい演奏に思われました。9月の定期演奏会も楽しみです。 
 休憩ののち、最後は各オケの選抜メンバーからなるフェスティバル・オーケストラの演奏です。通常のオケ2つ分はあろうかという大編成で、ステージいっぱいのオケは見るだけで迫力があります。練習時間は少ししかなかったはずですが、さすがに選ばれたメンバーだけあってアンサンブルも見事です。特に「スペイン」が良かったと思います。

 12時半に始まって終演は18時。聴く方も疲れましたが、各オケの個性ある演奏と頑張りに全く飽きることもありませんでした。ジュニアと侮るなかれ。それぞれがすばらしい演奏で、生き生きした音楽に心躍りました。プロ野球に飽き飽きした後に甲子園の高校野球を見るような新鮮な感動でした。単にいっぱい聴いたというだけでなく、演奏の一生懸命さ、頑張りに胸がいっぱいになりました。

 たくさんの人たちが新潟に集まってくれました。新潟にどんな印象を持ってくれたでしょうか。できることならばこれからも新潟でこのような催しがあってほしいと思います。甲子園のように、りゅーとぴあがジュニアオケのメッカになったらなあ、と夢想しながら家路につきました。
 

(客席:3階I 7-11、全席自由:900円、会員割引)