山本真希 オルガンリサイタルシリーズ
グレツィングオルガンの魅力 No.2  
                               フランスのオルガン音楽 「華麗なる響き」
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2007年6月16日(土) 17:00  新潟市芸術文化会館 コンサートホール
 
パイプオルガン:山本真希
 
 
グリニ:来たれ、創り主なる精霊よ
ラヴェル(Seutin編曲):亡き王女のためのパヴァーヌ
フランク:コラール第3番イ短調

(休憩20分)

サン=サーンス(ギルマン編曲):動物の謝肉祭より「白鳥」
メシアン:二枚折り絵 〜現世の試練と来世の至福〜
アラン:リタニー Op.79
デュリュフレ:アランの名による前奏曲とフーガ Op.7

(アンコール)
レ・ボエルマン:ゴシック風組曲 Op.25 より「聖母への祈り」

 
 

 5月20日以来の久しぶりのコンサートです。今日は朝から晴天で、未だに梅雨入りしません。青空がすがすがしく感じられます。家の掃除をした後、今日発売の某チケットを買いに長岡まで行きました。いつも近道に利用する農道のドライブは快適でした。
 帰りに某温泉でくつろいで、体と心の洗濯をした後に会場に向かいました。少し時間があったので、りゅーとぴあ周囲の遊歩道から信濃川のやすらぎ堤まで降りて、川面を眺めていると水上バスがゆっくりと川を上って行きました。川べりによせる水音、心地よい風。新潟もいいなあ、と感慨にふけりました。

 さて、今日はりゅーとぴあ専属オルガニストの山本真希さんのリサイタルです。昨年4月の就任記念コンサート以来何度か演奏を聴く機会がありましたが、演奏もさることながら親しみやすい人柄もあってファンになりました。これまでの専属オルガニストとはひと味違った活躍ぶりもすばらしいと思います。
 このリサイタルシリーズは今日が第2回目ですが、土曜日の夕方の時間設定も行きやすくてありがたいと思います。前回のリサイタルはドイツ音楽でしたが、今回はフランス音楽です。

 照明が落とされたホールの中でパイプオルガンが輝き、荘厳な雰囲気を醸し出しています。山本さんが助手を引き連れ登場し、演奏が開始されました。17世紀のグリニから20世紀のデュリュフレまで、年代順に演奏が進みました。
 いずれも優美で鮮やかな音色とメロディの美しい曲でした。特に、前半のフランクと後半のメシアンの曲は聴き応えのある曲であり、演奏でした。りゅーとぴあの誇るグレツィングオルガンの多彩な音色を堪能させてくれました。ホールいっぱいに響き渡る重低音。反響する高音の輝き。ホールそのものが楽器であることを実感させてくれます。
 どの曲も素人の私でも聴きやすく、理解しやすい魅力ある曲であり、選曲のセンスの良さを感じます。アンコールも親しみやすい美しい曲でした。ただし、もともとオルガン曲でない超有名曲の「亡き王女のためのパヴァーヌ」と「白鳥」は、編曲はいいと思うのですが、スローなメロディーラインが息切れしてしまい、多少の違和感を感じてしまいました。

 久しぶりに聴くオルガンは心を癒してくれました。次は9月22日に「オルガンソナタ」と題するリサイタルが開催されます。楽しみですね。
 以前は無料のプロムナードコンサートや東響定期開演前のポジティブオルガンのコンサートなどがありましたが、いつの間にか消えてしまいました。リサイタルシリーズは画期的試みで賞賛されますが、市民の宝であるりゅーとぴあのオルガンを気軽に聴けるような場がもっと増えたらいいなあと感じています。

 外に出るとまだ明るく、随分と日が長くなりました。もうすぐ夏至ですものね。夏到来を実感しました。
 

(客席:2階C5-13、会員割引¥1350)