東宝ミュージカル特別公演
マイ・フェア・レディ
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2007年5月20日(日) 12:30  新潟県民会館 大ホール
 
 
脚本・作詞:アラン・ジェイ・ラーナー
       (翻訳:倉橋 健、訳詞:滝弘太郎、若谷和子)
音楽:フレデリック・ロウ
演出:西川信廣
指揮:井村誠貴
オーケストラ:東宝ミュージック、レガートミュージック    

イライザ:大地真央
ヒギンズ教授:石井一孝 
ドゥーリトル:上條恒彦
ピッカリング大佐:羽場裕一   
フレディ:浦井健治        
ヒギンズ夫人:草村礼子  ほか

 
 

 久しぶりのミュージカルです。「マイ・フェア・レディ」の新潟公演があると知って、早々にチケットを買っておきました。政令都市になったとはいえ、田舎町の新潟にはミュージカルなんてたまにしか来ません。こういう機会を逃すとまたいつ見れるかはわかりません。東宝ミュージカルの全国ツアーの一環で、新潟公演は昼・夜の二公演あったのですが、夕方に東響定期が控えていたので、昼公演にしました。本当は家内と一緒に行きたかったのですが、いろいろあって、ひとりだけです。
 会場に着くと開場待ちの長い行列ができていました。誘導の係員の声がうるさく響いていました。客はほとんどが女性で、男性は1割程度しかおらず、少々肩身が狭い感じがしました。席は2階の中央の4列目ですが、S席のすぐ後ろの列のA席なのでステージがよく見渡せていい席です。オークストラピットでは楽団員が音出ししていました。てっきりテープ演奏かと思いましたが、生演奏とは大したものです。

 照明が落とされ、序曲が演奏されていよいよ開演です。このミュージカルは映画でしか見たことはなく、実演は初めてです。
 映画といえば、オードリー・ヘップバーン主演であまりにも有名ですが、私もビデオで何度も見ています。その昔、ビデオディスクが出始めの頃、パイオニアのレーザーディスクとビクター/松下のVHDが覇権を競っていました。当時、「マイ・フェア・レディ」を初めとするヘップバーンの映画はVHDでしか発売になっておらず、私は迷わずVHDのシステムを買いました。
 VHDと言っても今となっては誰も知らないでしょう。プラスチックの頑丈な重々しいケースに入った黒いディスクで、たいそうかさばりました。プレイヤーの使い勝手も良くなかったですし、レーザーじゃなくて針での接触式というのがイメージを悪くしていたと思います。
 ソフトに魅力はありましたが、ほんの数年でVHDは敗退し、レーザーディスクの世界となりました。私も乗り換えて、ソフトも買い直してしまいました。
 そのレーザーディスクもやがてDVDに駆逐されて今日に至っているのは御存知の通りです。ということで、この映画は個人的には思い入れが大きいのです。

 話が大きくそれてしまいました。今日の公演に戻りましょう。「ラブリー」、「運がよけりゃ」、「踊り明かそう」、「君住む街」など、おなじみのナンバーが耳に心地よく、歌にダンスに、ミュージカルの楽しさを堪能させてくれました。大地真央はさすがにうまく、まさにピッタリはまり役。演技も歌も美しさも抜群です。上條が大声過ぎるように感じましたが、各出演者ともいい演技であり、脇役陣のコーラスも聴き応えがありました。

 大使館での華々しい舞踏会シーンで第1幕が終わりましたが、ここまでで1時間40分の経過です。25分の休憩を挟んで、終演はなんと4時。3時間半の長丁場でした。少々疲れましたが、時間を忘れさせてくれた夢の一時でした。
 
 外に出ると春の風が心地よく感じられました。またこういう公演が来ることを期待したいと思います。
 

(客席:2階4-18、A席¥8400)