ボローニャ歌劇場プレミアムコンサート
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2006年6月2日  ミューザ川崎シンフォニーホール
 
指揮:カルロ・リッツィ
ボローニャ歌劇場管弦楽団・合唱団
 
 
ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」より 序曲
ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクワーレ」より 第三幕の合唱 ”終わりのない騒動”
ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」より 合唱 ”行け、わが想いよ、金色の翼に乗って”
ヴェルディ:歌劇「アイーダ」より 凱旋の合唱、凱旋行進曲、バレエ音楽

(休憩)

ヴェルディ:歌劇「椿姫」より 第一幕への前奏曲
                  第二幕後半より ”仮装の楽しい夜を”
                  合唱 ”私たちはジプシーの娘” ”我らはマドリッドの闘牛士”
ヴェルディ:歌劇「シチリア島の夕べの祈り」より 序曲
ヴェルディ:歌劇「第一回十字軍のロンバルディア人」より 合唱 ”主よ、生まれ故郷の家から”
ボンキエッリ:歌劇「ラ・ジョコンダ」より バレエ音楽「時の踊り」
プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」より ハミング・コーラス
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスチカーナ」より 間奏曲
マスカーニ:歌劇「イリス」より 合唱 ”太陽の賛歌”

(アンコール)
ヴェルディ:歌劇「マクベス」より 合唱 ”虐げられた祖国”
ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」より 合唱 ”行け、わが想いよ、金色の翼に乗って”

 
 
 

 東京出張の夜、今回は川崎へ向かいました。ボローニャ歌劇場の公演に先立つ前夜祭的コンサートです。ミューザ川崎は2004年11月にノセダ/BBCフィルハーモニックを聴いて以来2度目ですが、交通アクセスは抜群です。新潟の田舎的常識から考えますと、川崎は隣の県ですので遠いように感じてしまいますが、すぐ隣り。川崎駅直結ということもあって、私のような田舎者でも行きやすくて良いですね。

 入り口からエスカレーターに向かう光の通路は、現実から隔絶するような心理的効果を与えてくれて気分を高揚させてくれます。そして長いエスカレーターを昇って降りるとそこは芸術の世界。

 手回しオルガンの演奏を合図に開場です。今回の席は1階席左前方。客席は9割方埋まっています。スパイラル様の客席は前回は異様に感じましたが、今回は美しく感じます。「りゅーとぴあ」と同様に卵形のアリーナ型ホールですが、こちらの方が容積的には大きいようです。

 拍手の中楽員が入場し、定刻にコンサート開始。ステージ後方に合唱団が陣取りました。ステージ後方の客席は空けられています。

 1曲目の「ウィリアム・テル」の手慣れた軽妙な演奏で観客の心をつかみました。2曲目から合唱が加わります。迫力ある合唱がホールを満たしましたが、残響の多いホールは少し響きすぎに思います。360度の全周囲から降り注ぐ音の洪水は感嘆ものですが、金属的残響が少し耳に不快に感じあした。
 イタリア第二の国歌とも称される”行け、わが想いよ、金色の翼に乗って”は心を打ちました。前半最後は「アイーダ」。ステージ後方のP席に、若手日本人の応援のブラスが陣取り、左右にアイーダ・トランペット。左の女の子が音を外しちゃったけれど、視覚的効果を含めて迫力満点に、娯楽的には楽しませてくれました。

 後半は「椿姫」で開始。独唱者も登場して流麗に演奏が進みます。いずれもすばらしく、オペラを見たいなあ・・、という気持ちにさせました。「カヴァレリア・ルスチカーナ」ではパイプオルガンも加わって、しっとりとさせました。「イリス」の迫力ある合唱でコンサートを締めました。

 アンコール2曲でコンサート終了。アリアがないのは残念でしたが、イタリア・オペラの楽しみを存分に堪能させてくれました。オペラの本公演は高くて行けないので、ボローニャ歌劇場の顔見せ公演でガマンしましょう。何万円もする外国の一流のオペラを見るだけの経済的・精神的余裕は私にはありません。いつの日か・・。楽しみは取っておきましょう。
 

(客席:1階1C−6−7、S席13000円)