国立パリ管弦楽団
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2005年4月10日 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:ミシェル・プラッソン
 
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

ショーソン:交響曲 変ロ長調 op.20

(休憩20分)

ドビュッシー:「海」 管弦楽のための3つの交響的素描

ラヴェル:ボレロ

(アンコール)
ビゼー:「カルメン」より 間奏曲
ビゼー:「カルメン」より 前奏曲
ビゼー:「アルルの女」より アダージェット

 
 
 

 ようやく春到来、白山公園の桜もつぼみがふくらみ、開花間近となりました。開演前に屋上の遊歩道を散歩すると、暖かな日差し、爽やかな川風が何とも快かったです。

 さて、会場は7分程度の入りで、両脇に空席が目立ちます。ちょっと寂しいですが、個人的にはフランスのオケでオールフランス物のプログラム、大いに興味が湧きます。

 前半1曲目は「牧神の午後への前奏曲」。ああ、何と柔らかな音色だろう。上品な、ビロードのようなソフトなオーケストラサウンドに酔いしれ、心は癒され、安楽な境地に誘われます。
 2曲目も柔らかなサウンドに酔いしれ、意識レベルが低下していくのを感じました。曲そのものが叙情的ですが、それをさらに際だたせた演奏でした。日頃コンサートで聴く機会のない曲であり、曲の良さを再認識させてくれました。そういえば、20数年前の学生時代に、この曲を初めて聴いたのは、プラッソン指揮のLP(トゥールーズ市立管弦楽団)でした。

 後半1曲目は「海」。これまたきらびやかな音の洪水におぼれそうになりました。そして、「ボレロ」。決して力任せでない上品な演奏。楽器の音色のきれいさに感激しました。クライマックスでも音は全く濁りません。これまで聴いたボレロの実演の中でも最も感銘を受けた演奏であったように思います。アンコールはビゼーで3曲。

 いずれの演奏も、オーケストラの音色のきれいさに感激しました。フルートなど、ちょっと怪しげな演奏が気にかかりましたが、こんな柔らかな、こんなに濁りのない、上品なサウンドは、「りゅーとぴあ」でこれまで聴いてきた外来オケの中で最高ではないかと思います。ソフトなだけでなく、ところどころにきらびやかさも感じます。演目にぴったりなサウンドであり、久し振りに満足したコンサートでした。(今日は3階正面のIブロック中央。Iブロックがオケでは一番いいように思います。) 今回はブラボー屋さんのフライングもなく、タクトを下ろすまでの間、しばしの静寂を味わうことができたことにも感謝。

 会場を出ると雨。でも肌寒くはありません。春はいいなあ。
 

(客席:3階I 4-17、A席:11700円:会員割引)