東京交響楽団 第7回新潟定期演奏会
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2000年6月10日 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:大友直人
ピアノ:アンドレ・ワッツ
 
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」

(休憩20分)

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 作品47

(アンコール)
J.シュトラウス ポルカ「雷鳴と電光」

 
 
 
 新潟も梅雨入りし、どんよりとした日です。隣の競技場では地元のアルビレックス新潟が人気の浦和レッズに大勝し、梅雨空を吹き飛ばすがごとく、大いに盛り上がっていました。

 今日の定期は、「レジスタンス作曲家からのメッセージ」と題され、ベートーヴェンのピアノ協奏曲とショスタコーヴィチの交響曲の共に5番同士の組み合わせです。不勉強な私にはベートーヴェンとショスタコーヴィチがどうつながるのかわからないですが、ポピュラーな名曲の組み合わせで、私のような素人でも楽しめそうで期待が膨らみました。

 例によって、土曜の夕方6時の開演。客席は満席です。チューニングが終わってワッツの登場。若い頃のイメージとちょっと違って、どっしりとした体格です。演奏は力強く、悪くいえば少し荒っぽい演奏です。鍵盤が壊れるんじゃないかと思うほどであり、堂々としたダイナミックな「皇帝」でした。2楽章なんかはもっとソフトに、ロマンチックでも良かったんじゃないかと思いましたが、3楽章で大いに爆発。まさに豪快な演奏で大いに盛り上がりました。大友さん、東響のサポートもワッツに負けないくらいに頑張ってくれました。前半で大いに満足しました。

 後半は、ショスタコーヴィチです。結論から言って、これはすばらしい演奏であったと思います。大友さんの指揮ぶりは個性的なものはないですが、曲に潜む暗さ、陰影、苦悩を見事に描き、強制された歓喜を的確に表現していました。などと書くと、音楽評論家の書くような訳の分からない文章になってしまいますが、要するに良かったと言いたいのです。前回の定期のマーラーでは、今ひとつ鳴らしきれなかった感のあった東響も、本日は大いに盛り上がり爆発しました。ストレス解消にうってつけでした。やっぱり革命はこうじゃなけりゃねえ・・。会場の盛り上がりも最高。ブラボーの嵐。大友さんの挨拶の後、アンコールをサービス。金管は立っての演奏。さらに盛り上がったところでコンサート終了。

 前半、後半ともわかりやすい曲、盛り上がりやすい曲で、私のような素人にはありがたかったです。いつもながら、芸術性がどうのと議論するつもりはありません。音を楽しむというのが音楽であり、音響の洪水の中に身をゆだね、ひとときの陶酔を得るということが私にとっての音楽です。そういう点で、満足できたコンサートであり、すっきりと爽やかな気分で会場を後にできあした。次回の定期は、ミサ・ソレムニスですので、こういうわけにはいかないだろうなあ・・。