キーロフ歌劇場管弦楽団演奏会

   1998年12月3日,新潟市民芸術文化会館コンサートホール

   指揮:ワレリー・ゲルギエフ

   曲目:チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」

      チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲

          チェロ:マリオ・ブルネロ

      アンコール:カサド「無伴奏チェロ組曲」より 間奏曲と舞曲

      (休憩)

      リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

      アンコール:チャイコフスキー「くるみ割り人形」より トレパーク
            チャイコフスキー「くるみ割り人形」より 花のワルツ
            ワーグナー「ローエングリン」第3幕への序奏


 新潟市民芸術文化会館開館記念事業として、4夜に渡ってゲルギエフ/キーロフのコンサートが開催された。こんな地方都市で、興行的に成功するのかと心配していたのだが、何とか乗り切れたようである。12月1日が第1夜で、これは来日初公演であったが、東京出張中であり、聴くことはできなかった。2日はコンサート予定はなく、リハーサルに励んでいたのだろうか。さて3日は第2夜である。

 新潟公演は「チャイコフスキーとロシアの偉大な作曲家たち」という副題が付けられており、オールロシア物である。東京からの帰りを早め、会場に何とかたどり着く。客席は少し空席があるが、まずまず入ってくれて安心。席は2階中央のベストポジション。斜め前には新潟市長御一行がおられる。NHKの収録があり、各所にテレビカメラ、録音用マイクが配置されている。18時45分開演のはずだが、19時を過ぎて漸く開演。ゲルギエフのホテルからの到着が遅れたためらしいと後日噂を聞いた。

 さて、ロメオとジュリエットである。キーロフの技量を見せつけるにはいい選曲であった。厚い低弦に支えられながらブラスが咆哮する。強奏時の音量はすさまじいが、決してうるさくならない。それでいて弱奏時も美しい。やっぱりこれがゲルギエフ/キーロフだ!と3年前東京芸術劇場で初めて聴いたときの感動を思い出した。2曲目はブルネロの好演もあってブラボーの嵐。アンコールにも答えてくれた。

 さて、後半はシェエラザード。会場には演奏を終えたブルネロもみえ、サインの要求に応えている。ダイナミックかつロマンティックな演奏。ソロのコンサートマスターも好演。こういうわかりやすい曲は感情移入もできて感動しやすい。この曲は芸術性がどうこう言う前に、思いっきりせつなく、色彩豊かに演奏してもらいたいものだが、この点申し分なかった。新潟での3公演を聴いたが、この日が一番出来が良かったのではないかと思う。テレビ撮りも入って気合いが入っていたのかな。アンコールも名曲のパレードで、これまた名演であった。幸せな気分で家路についた。テレビ放映が楽しみである。

 蛇足ですが、花束を渡すタイミングが悪いですね。また、職員が制服姿で渡すのは白けませんか?東京並にきれいなお姉さんが席まで案内してくれる。いい時代になったものだなあ・・。遅れてきた人の案内のタイミングがちょっと悪いかな。