毎月何度も利用し、私のホームグランドである新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)ですが、あくまで観客としての利用であり、バックステージがどうなっているのかは知ることはありません。
2006年7月に一度、有料のバックステージツアーに参加し、コンサートホール、劇場、能楽堂の舞台裏の見学をしたことがありましたが、何箇所も駆け足で回ったツアーであり、十分見学できなかったように思います。
その後も毎年、いろんな形式でバックステージツアーが開催されてきましたが、今回はコンサートホールに限ってのバックステージツアーが開催されました。
たまたまスケジュール的に都合も良かったので参加することにしました。
午前・午後の2回あり、各回20人限定のツアーでしたが、私は午前の部に参加しました。
受付で名前をチェックしてもらい、コンサートホールに入りました。いつもは撮影禁止ですが、今回は写真撮影・録画自由とのことですので、何枚も写真を撮りました。
まずはホールの概要や設備についての説明があり、天井のアクリル製の音響反射板を上下させたり、ステージのセリを上げたりを実際に見せていただきました。
その後はパイプオルガンの前に移動。上を見上げると水平トランペットがずらりと突き出ているのが壮観です。
オルガンについての詳しい説明がありました。実際に音を出しながらのわかりやすい説明でした。4段の鍵盤が、リュックポジティフ、正面、奥、水平トランペットなど別々のシステムにつながっていることや、シャッターで音の強弱をつけられることなど、興味深く聴けました。
各鍵盤は自分の弾きやすい段に移動したり、ストップをコンピューターに記憶させて、一つのスイッチで切り替えたりなど、実際の手順がわかって良かったです。
オルガン席から見た客席。なるほど、こういう眺めを見てるんですね。
その後は、オルガン横のオルガン奏者だけが通る秘密の階段で、ステージ裏に下りました。
ここでは壁一面に書かれた出演者のサインを見ることができました。前回のバックステージツアーでもこれが楽しみでした。今回もじっくり眺めさせていただきました。
この壁に最初にサインしたのが秋山さんだそうです。それが1999年の東響新潟定期のときです。その後、ゲリギエフがこのホールで演奏したのは自分が先だと、後日の来演時にキーロフとのオープニング公演の日付で書いたとのことです。
ステージに向かって右側にある音響調整室も見学しました。デジタル録音して、出演者はCDやメモリーカードで持ち帰るそうです。
実は私も某合唱団関係者から公演を録音したCDをいただき、聴かせていただきましたが、なかなか良い録音で驚きました。
ちなみに、このホールでは、山本真希さんのオルガンや、シエナウインドなどの名録音のCDが発売されています。
反対側には照明室があり、こちらも見学しました。
ステージ上は、ピアノコンチェルトを想定してのセッティングがなされていました。コンマス席に座っていい気分。
ピアノはスタインウェイD274。弾けはしませんが、鍵盤をたたかせていただきました。
このピアノでは、ランラン、ユンディ・リ、フジコ・ヘミング、ファジル・サイ、メジューエワなど、たくさんのピアニストが演奏しています。
ピアノ庫も見学することができました。
ここにはヤマハCFIIIS、もう1台のスタインウェイ、ベーゼンドルファー(インペリアル)の3台がありました。
まずヤマハの先代のフラッグシップモデルであるCFIIISです。
このピアノは、上原彩子、小曽根真、アレクサンダー・コブリンらが演奏しています。
続いて、もう1台のスタインウェイ。
このピアノは、キーシン、ガブリリュク、ブーニン、オピッツ、ルイサダ、中村紘子、仲道郁代などそうそうたるピアニストが演奏しています。
そして、ベーゼンドルファー。最上級のインペリアルです。
通常88鍵ですが、低音部に9鍵拡張し、97鍵になっています。拡張された鍵盤は黒く塗られています。このピアノは、トカレフらが演奏したそうです。
選ばれるピアノは圧倒的にスタインウェイ。やはり世界のスタンダードなんでしょうか。2台あるスタインウェイですが、それぞれに個性があって、演奏者の好みで選ぶんでしょうね。
楽屋も見学しました。世界の一流音楽家が使用するだけあり、なかなか立派な部屋ですね。
1時間の見学で解散となりましたが、細かい所まで見学できて良かったです。ホールをより身近に感じることができましたし、世界に誇れる素晴らしいホールであることを再認識しました。
さて、開演時刻です。ステージへ向かいましょう。
|