場所:栃窪温泉「鷺乃湯」の手前に、平成11年に「清乃湯」がオープンした。「鷺乃湯」とは別源泉であり、通称・新栃窪温泉と呼ばれ、温泉ファンの間では高く評価されていた。布施さんというご老人が始められたのであるが、ご高齢になり、後継者もないため、長らく休業状態となっていた。再開が待ち望まれていたが、この度新しい経営者を迎え、リフォームされて、平成20年4月11日に「あばれ井戸の湯」として再オープンした。主人によると「清乃湯」という名を受け継ごうとも考えたそうだが、インパクトがないので、源泉の名前を取って「あばれ井戸の湯」としたそうである。浴室は従来のままであるが、旧来の建物の手前側が拡張されて、休憩場所とキッチンが作られ、軽食(うどん、カレー、丼物)が可能となった。外の源泉池は従来同様に存在感たっぷりであるが、護岸が石積みになって立派になっている。 料金:大人500円、小人300円、タオルなし。 浴室:浴室は旧来と同じであり、変更はない。左右2つの浴室があり、右が板張り・木製浴槽の浴室で、左はポリバス浴槽の浴室である。ともに家庭風呂の大きさなので、1人ずつしか入れない。浴槽には厚い木のふたがしてあるので、ふたをめくって入浴する。浴槽には源泉の蛇口と普通の水・湯の蛇口がある。洗い場にはシャワーがあり、ボディソープ、シャンプーが置いてある。脱衣場には洗面台、脱衣籠のほか、一応ロッカーもある。ドライヤーも置いてあった。窓から見える木々の緑は爽やかであり、鳥のさえずりが心を癒す。 泉質:源泉名は栃窪温泉・あばれ井戸。泉質はナトリウム-塩化物泉。源泉温度9.6℃。主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成20年1月23日分析)は、Li 0.36、Na 2900、K 28、NH4 28、Mg 10、Ca 14、Sr 0.74、Ba 0.34、Al 0.08、Fe(III) 0.27、Cu 0.02、Zn 0.06、Cl 4000、Br 23、I 12、SO4 24、HPO 0.04、HCO3 780、CO3 14、メタ珪酸 29、メタ硼酸 61、遊離CO2 14、など、成分総計は7490mg/kgである。湯は淡緑色混濁、微アブラ臭、上品な塩味がして昆布茶のようである。肌のツルスベ感がある。湯は溜め湯になっているが、加熱した源泉蛇口があるので、掛け流すことも可能ではある。濃厚なお湯で温まりは良い。以前の分析表より数字の上では若干薄くなっているが、源泉の良さは変わらない。源泉温度が非常に低いが、分析が1月であったためであろうか。 コメント:浴室は旧来のままであるが、休憩所が若干拡張され、軽食やビールなども提供されるようになった。混み合うこともないとは思うが、入浴は1人ずつとなるので順番待ちになる場合もあろう。館内はきれいであり、生け花などちょっとしたところに主人のセンスの良さを感じる。営業日が少なく、営業時間が短いのが難点であるが、源泉の良さは満足感が高い。 (No.441 2008/7/5、2008/10/6営業日・時間変更) |
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