場所:国道8号線法音寺交差点から山手に入る。前記の鷺乃湯と同様に看板に従って田舎の細道を進む。この道中は、時間を逆行するかのように、だんだん家並みが古っぽくなり、しまいには茅葺き屋根の集落になる。広場で子供たちが遊んでいたり、古き良き時代を彷彿させる。T字路に突き当たり、一瞬どっちに行こうか迷うが、ここは右折し、さらに道なりに進む。鷺乃湯のすぐ手前の林の中に小屋のような建物が見え、入り口に木の看板が出ている。ここが平成11年に新しくできた清乃湯である。布施さんというご老人が道楽に作ったという噂の温泉である。栃窪温泉といえば一般には鷺乃湯をさすはずだが、間違えてこちらを訪れる客も多いらしい。私が訪問していたときもそういう客が来た。 料金:大人500円、小人200円、タオルなし。 浴室:玄関を入ると8畳位の茶の間。のれんの奥に男女別の脱衣場と浴室がある。気分で男女を入れ替えているらしい。1人しか入れない小さな木製の浴槽があり、木のふたをはずして入浴する。一応シャワーがあり、板張りの壁、木製の洗い桶、木製の洗い椅子にこだわりを感じる。固形石鹸があるのみでシャンプーはない。基本的に1回1人の入浴であり、客が多ければ順番待ちとなる。 泉質:湯は黄緑褐色で塩辛い。臭気はないがぬるぬるした感じがする。源泉温度は18度、湧出量は毎分17L。分析表には泉質の記載がなかったが、成分表の数字から泉質を付けるとナトリウム-塩化物泉となる。主な成分は、ナトリウムイオン3699mg/kg、塩素イオン4941mg/kg、炭酸水素イオン1119mg/kgなどガス性除く成分総計は10010mg/kgとリッチである。炭酸水素イオンの多さは特記できる。浴槽には加熱した源泉の蛇口があり、ぬるかったらお湯を足して温かくする。温度計が置いてあって測ってみたが、41度でちょうど良かった。 コメント:休憩所というより茶の間というべきところに主人がいる。よその家に遊びに行った感じである。主人からお茶を入れていただいて、しばしの温泉談義。保健所の分析表なども見せていただいた。冷蔵庫があり、ビールなども出すらしい。主人がひとりで切り盛りしていて、一応5時半頃までは営業しているというが、客が来なければ早く閉めてしまうとのこと。実は、私が最初来たときは閉まっていて、今回は2度目の来訪であった。 (営業時間は10時頃から5時頃までであるが、その日の気分で変わるらしいのでご注意。) (No.187 2000/8/28) |
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