LFJ新潟3日目です。最初の交流ステージから聴こうと思ったのですが、到着が遅れ、すでにポッチャリーノ弦楽四重奏団によるブラームスのクラリネット五重奏曲の美しい調べがホワイエに響いていました。
クラリネット奏者の方は存じ上げていませんでしたが、心に響く音色に感動しました。このメンバーでの演奏をホールでゆっくりと聴きたいように思いました。
そして本日最初の公演の始まりです。コンサートホールへ行き、LFJ名物の「0歳からのコンサート」に参加しました。乳幼児が泣き叫び、音楽を鑑賞するという状況ではないのは百も承知ですが、何故か毎年聴いております。私も小さい子供がいれば、是非連れて行きたいコンサートです。
今年は演奏する曲目に興味があって聴くことにしました。お目当ては「青少年のための管弦楽入門」です。有名な割には実演で聴く機会はほとんどなく、新潟では2006年9月に新潟メモリアルオーケストラで聴いて以来です。
予想通りに赤ちゃんが泣き叫んでいましたが、想定内のことであり、私は十分に音楽を楽しめました。司会のかわいいお姉さんの語りで演奏されましたが、各奏者の力量が良くわかり、このオケの実力を再認識しました。ダンスを交えて演奏した他の曲も良かったです。
ここで交流ステージでの新潟市ジュニア合唱団を聴く予定でしたが、これからの長期戦に備えて外へ出て、パシオン広場のテントの中で早めに昼食をいただきました。某ホテルのカレーをいただきましたが、味はいいものの、量がちょっと少ないかな。
そして劇場へ行き、オーレリアン・パスカルとクレール=マリ・ルゲの演奏を堪能。席が奏者の直前であり、ダイレクトに届くチェロの響きを楽しみ、祈りの音楽が心にしみました。
交流ステージでのパリ・コロンヌ弦楽四重奏団を少し聴いて、続いては、コンサートホールでの鈴木大介さんのアランフェス協奏曲です。ギターはPAなしの演奏で、音量不足を感じましたが、抒情感にあふれる良い演奏だったと思います。
後半はファリャを演奏しましたが、いかにもスペインというような明るさと華やかさを感じさせました。ホールは盛り上がり、アンコールでさらに盛り上がりました。
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その後、交流ステージでのアモ−レ・マルーの皆さんの演奏を少しだけ聴きました。丸山先生が演奏するリコーダーの調べに心奪われ、今月開催される予定のコンサートは是非聴かねばと思いました。
次の時間帯は劇場での井上静香さんの公演も聴きたかったですが、能楽堂に上がって、一噌幸弘さんらの公演に行きました。
能管笛方とクラシック音楽のコラボを能楽堂で聴くという、まさに新潟でしか味わえない演目です。能管や篠笛の演奏はもちろん良かったですが、リコーダー演奏の素晴らしさに驚嘆しました。
その後、交流ステージに行きましたら家富有希さんの演奏の最中でした。ちょうど「リゴレット・パラフレーズ」が演奏されていましたが、あまりに素晴らしく感激しました。これまで存じ上げていませんでしたが、すばらしいピアニストですね。ゆっくりと聴いてみたいです。
次はコンサートホールでのオペラ・コンサートです。「豪華な衣装で情熱のオペラ・コンサート」と題されていて期待したのですが、それほどの豪華さではなく、小鉄さんにだまされたという印象です。
美しい富田さんのドレスは確かにきれいでしたが、ドレスとしてはそれだけです。あとは男性陣の衣装ということで、いろいろ解説はありましたが、感激はありませんでした。ステージにはピアノだけで殺風景。全体として質素に感じたのは私だけかなあ・・。歌は良かったですが・・。
交流ステージでデキシーランドジャズバンドをちょっと聴いた後、4階ギャラリーでの市長とマルタンさんの記者会見を少し覗きました。来年どうするのか質問したいところでしたが、時間が迫っていましたので、すぐに能楽堂に上がりました。
次は、今年私が一番楽しみにしていたオリヴィエ・シャルリエの公演です。演目にビーバーのパッサカリアがあり、今年はこれだけは聴こうと思い、早々にチケットを買っていました。その甲斐あって、席は正面の最前列です。
ビーバーは、2013年9月のコンチェルト・インストアライブでの野口さんの神がかり的名演を聴いて以来好きになり、これがプログラムに入っていましたので、同時刻開催の鈴木大介さんや奥村愛さんの公演を蹴ってシャルリエさんを選びました。
ビーバーもさることながら、バッハの魂を揺さぶるような演奏を目の前で聴き、打ちのめされました。まさに「いのちのパシオン」を実感しました。
続いては、コンサートホールでの最終公演となる小山実稚恵さんとオケの公演です。「ドン・ジョバンニ序曲」の後、ショパンのピアノ協奏曲第2番が演奏されました。流麗にロマンあふれる演奏に心は癒されました。
この曲は4月17日の佐渡豊指揮兵庫芸術文化センター管弦楽団とエフゲニ・ボジャノフの超個性的演奏を聴いたばかりでしたが、今日の演奏はその何倍も心に迫るものでした。さすがに小山さんは素晴らしいですね。
最後ということで、ソリストアンコールに引き続いてオケのアンコールもあって、大盛り上がりの中、コンサートホールでの最終公演を締めくくりました。
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交流ステージに行き、とりを務める新潟市ジュニアオーケストラの演奏を最初だけ聴きました。定期演奏会のロビーコンサートのように、各楽器のグループが順に出て演奏していました。最後まで聴いていたかったのですが、最終公演の開演が迫り、能楽堂へと急ぎました。
今年のLFJ新潟の最終公演は、劇場と能楽堂とで行われました。劇場でのオリヴィエ・シャルリエさんが率いるフォル・ジュルネ・カメラータも魅力的でしたが、演目のブラームスの六重奏曲は昨年の最終公演でも演奏されていて聴いていますので、今回は能楽堂を選びました。
この公演の主役は三味線の史佳さんなのでしょうが、私の目当てはバックを支える廣川さん、庄司さん、佐々木さん、渋谷さんのカルテットです。これに当初はクレジットされていなかったパーカッションの松井さんが加わって、絶妙の演奏を聴かせてくれました。
アンコールの津軽じょんから中節以外は正統的津軽三味線とは違って戸惑う面もありましたが、見事な撥さばきに聴きほれました。
ただし、会場には史佳さんのファンクラブの方々が多数を占め、ちょっと場違いなところに来たようにも感じました。でも、演奏そのものは素晴らしく、史佳さんの魅力を知るには良かったです。もちろんバックの弦楽四重奏も良くて、是非このメンバーでの活動も期待したいです。
これで、LFJ新潟2015はおしまいです。我ながら結構な数を聴いたものと思います。有料入場者数のカウントに貢献できて良かったです。さすがに疲れましたが、心地よい疲れです。
いろいろ議論もあることでしょうが、新潟にこのようなイベントがあるということは素晴らしく、誇るべきものと思います。北陸新幹線効果で元気いっぱいの金沢に比較して、地盤沈下が否めない新潟。この新潟の活性化の一助にはなっているはずであり、市税を投入するに値するイベントに違いありません。来年の開催も期待したいです。 |