太鼓の天才善松君
國に居る今年六ツの善坊は太鼓の天才である。楽隊の太鼓、相撲の太鼓、祭の太鼓は就中お得意のものである。 いつか活動寫眞を見に行つた時、僕に負されて居て、頻りに楽隊の拍子をとって居る。帰つたら早速「大なみ小なみ」の楽隊を始め出した。よく覚えて居たと云つてお母さんに御褒美をもらつた。そして寫眞は一つも覚えて居かなかつた。
わが庭
渡辺与平