危険物製造所の構造・設備基準

危険物施設の基本となる製造所の構造・設備基準です。他の施設の基準を学ぶときも、この製造所を基準に「どこが違うのか」を比べると整理しやすくなります。


1. 製造所の建物構造(イメージ図)

製造所の建物は、万が一の爆発の際に「被害を最小限に抑える」ための特殊な構造が義務付けられています。

危険物製造所の構造

屋根:不燃材料 & 軽い金属板等(※爆風を上へ逃がす)/天井は設けない
柱・壁・床・はり:不燃材料で造り、延焼のおそれのある外壁は出入口以外の開口部を持たない耐火構造とする
窓・出入口:ガラスを用いる場合は網入ガラス(※ガラスの飛散防止)
出入口:防火設備(延焼のおそれのある外壁の出入口は特定防火設備)
換気・排出:可燃性蒸気を屋外の高所に排出する設備
床:危険物が浸透しない構造 + 傾斜 + ためます(集油溝)

2. 構造・設備のポイントの解説

① 屋根は「軽く」、壁や柱は「不燃材料+要所は耐火構造」

② 床の「3点セット」

床には液体危険物が漏れたときのための対策が必須です。

  1. 危険物が地中に染み込まないようにする(浸透しない構造)
  2. 液体が自然と流れるようにする(適当な傾斜)
  3. 流れた液体を1箇所に集める(ためます / 集油溝)

なお、屋外に設ける液体危険物の取扱設備では、地盤面をコンクリートなどで舗装し、周囲に高さ0.15m以上の囲いを設けて、漏れた液体が外へ流れ出ないようにします。

③ 窓・出入口のルール


3. 製造所の設備基準 一覧表

対象の設備 基準の内容 補足
保安距離・保有空地 保安距離(敷地外の建物等までの距離):住居10m以上、高圧ガス・LPG施設20m以上、学校・病院・劇場等30m以上、重要文化財等50m以上、特別高圧架空電線(7,000V超35,000V以下)3m以上(35,000V超は5m以上)。
保有空地(施設周囲の空地):指定数量の倍数が10以下は3m以上、10を超える場合は5m以上。
保安距離が必要な施設は、製造所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・一般取扱所の5つ。地下タンク貯蔵所や移動タンク貯蔵所などは不要です。
防火設備・特定防火設備 出入口には防火設備を設け、延焼のおそれのある外壁の出入口には特定防火設備を設ける。火災時に自動で閉鎖する構造のものなど。 ガラスを使用する場合は網入ガラスとします。
採光・照明・換気設備 危険物を取り扱うために必要な採光、照明、換気の設備を設ける。 可燃性蒸気がたまらないよう、換気は特に重要です。
排出設備 可燃性の蒸気や微粉が滞留するおそれがある場合は、屋外の高所へ排出する設備を設ける。 低所に排出したり室内に循環させたりすると、蒸気が地表付近にたまってしまうため適しません。
避雷設備 指定数量の10倍以上を取り扱う製造所には設置義務がある(第6類危険物を取り扱う製造所を除く)。 すべての製造所に必要なわけではありません。周囲の状況によって安全上支障がない場合は免除されます。

🎯 学びのポイント

他の「屋内タンク貯蔵所」や「一般取扱所」の構造を学習するときは、この製造所の図をイメージしてください。「製造所と何が違うのか?」を比較していくと、整理しやすいです。