マスター編

工場の完全な設計図!P&ID(配管計装図)とは?
~すべてのパイプとセンサーを書き込む方法~

1. P&ID(配管計装図)ってなに?

これまで、ざっくりした地図の「BFD」、機械と温度をのせた「PFD」を学んしてきました。今回のP&ID(Piping and Instrumentation Diagram / 配管計装図)は、工場の設計図の最終形態です!

P&IDには、工場に張り巡らされる「すべての配管(太さや素材)」と、温度や圧力を測る「すべてのセンサーや自動バルブ(計装)」を完全に書き込みます。これを見れば、工事をする職人さんが迷わずに現場を組み立てられるレベルの詳細な図面です。

計装(けいそう)ってなに?

工場の中の温度・圧力・液体の量を「測り」、自動でバルブを「コントロールする」仕組みのことです。人間の体でいうと、熱いと感じて(センサー)手を引っ込める(筋肉・バルブ)ような神経のネットワークです!

2. P&IDの図解(こんな風に細かく描きます)

PFDよりもずっと具体的になり、配管のサイズ(3Bなど)や、丸で囲まれたセンサーのマークが登場します。

タンク
T-101
│ 配管(太さ: 3B)
▼ 手動バルブ通過
▶◀ 3B-CS
TI
101
温度計
│ 配管継続
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3B-CS は「3インチ(約8センチ)の太さの炭素鋼(鉄)のパイプ」という意味です。
※丸の中の TI は「Temperature Indicator(温度メーター)」というセンサーを表しています。

3. P&IDの記号ルール

P&IDでは、アルファベット2文字から3文字の暗号(タグ)を使って、何のセンサーかを表現します。1文字目が「何を測るか」、2文字目が「何をするか」を表しています。

よく出る記号 英語の意味 日本語での意味
TI Temperature Indicator 温度計(現場で見られるメーター)
PIC Pressure Indicator Controller 圧力制御計(圧力を測って自動調整する装置)
FIC Flow Indicator Controller 流量制御計(流れる水の量を自動調整する装置)
LIC Level Indicator Controller 液面制御計(タンク内の水位を自動調整する装置)

4. P&IDを書き進める3つのルール

  1. すべての配管に「住所(仕様)」を書く:
    ただの線を引くだけでなく、その配管の「太さ」「通す物質(水、油、ガスなど)」「パイプの材質(ステンレスや鉄など)」をすべての線に細かく文字で書き入れます。
  2. 安全装置(安全弁や逆止弁)を忘れない:
    圧力が上がりすぎて工場が爆発しないように勝手にガスを逃がす「安全弁(スプリング付きの弁)」や、液体が逆流しないための「逆止弁」なども1つ残らずすべて描きます。
  3. 「現場用」か「コントロールルーム用」かを区別する:
    丸のマークの中に一本横線を引くと「遠くのコントロールルーム(監視室)のパソコン画面で見られる数値」、線がない丸は「現場の機械の横まで行かないと見られないメーター」という意味になり、これで工場の役割分担が分かります。

5. まとめ

P&IDは、職人さんが工場を組み立て、運転員さんが安全に動かすための「細かい設計図」です!

BFD(ざっくり) ➔ PFD(まんなか) ➔ P&ID(完ぺき)とステップアップすることで、巨大な工場は安全に設計されています。