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6月最初の日曜日ですが、今日はこれまでになくコンサートが重なってしまい、悩ましい日曜日になりました。
新潟市中央区では、この演奏会のほか、植木和輝さんの19世紀ギターリサイタル、濱野芳純さんのオルガンコンサートがあり、西区では新潟シューマン協会例会、北区では新潟室内合奏団、秋葉区では山宮るり子さん、長岡では小曽根真さん、柏崎ではガルシア・ガルシア、湯沢ではオペラ「道化師」など、たくさんの公演が同時開催されます。
手元には新潟室内合奏団とシティブラス越後のチケットがあり、優柔不断な私は、どちらに行こうか今日になっても決めかねていました。
昼になり、昼食をどうしようかと考えたときに、楼蘭の冷やし中華が食べたくなりました。上古町に行くとなれば、りゅーとぴあということで、結局シティブラス越後という選択になりました。
シティブラス越後は、新潟市民吹奏楽団、新潟ウインドオーケストラ、シンフォニック・アンサンブル・リルトと並んで、新潟の四天王と勝手に思っている団体であり、高水準な演奏を聴かせてくれます。
私が演奏会を聴くのは、2024年12月の第22回ふれあいコンサ―ト以来1年半ぶりになりますが、定期演奏会としては、2019年6月の第25回以来7年振りです。
ということで、白山公園駐車場に車をとめて上古町を歩き、楼蘭で極上の冷やし中華をいただきました。これを食べると傷んだ心が癒され、幸せな気分になれます。
腹も心も満たされて、上古町から白山公園を抜け、チラシ集めのため、県民会館に立ち寄りますと、木梨憲武展に来られた客が記念写真を撮っておられました。大ホールでは徳永英明のコンサートの準備が進められていました。きっと賑わうことでしょうね。
りゅーとぴあに入りますと、すでに開場待ちの列が長く伸びており、私もその列に並びました。今日は劇場では徳永兄弟も出演するフラメンコフェスティバルが開催され、その列も負けずに長く伸びていました。スタジオAでも催しがありますし、今日のりゅーとぴあは大にぎわいでした。
ほどなくして開場となりましたので入場しましたが、受付ではプログラムのほかに、スティック状のケミカルライトが渡されました。
2階正面前方に席を取りましたが、ステージには椅子や多彩な打楽器群がびっしりと並んでいました。プログラムを見ますと、賛助出演を含めて総勢70人での演奏だそうで、大編成に期待が高まりました。
開演前に、ステージではウェルカムコンサートが行われました。各楽器のアンサンブル演奏が順に行われ、フルート六重奏で「花は咲く」、クラリネット五重奏で「大きな古時計」、サクソフォン七重奏で「糸」が演奏されました。そして最後に各楽器が集まっての大きな編成で、曲名を思い出せませんでしたが、おそらく「イエヴァン・ポルッカ」が演奏されました。どんどんとスピードを上げて大きく盛り上って終わりました。
開演時間となり団員が入場しましたが、さすがに70人の大編成は壮観ですね。指揮の佐藤さんが登場して演奏開始と思いきや、ちょっとしたアクシデントがあって、仕切り直しをして演奏開始となりました。
前半の1曲目は「たなばた」です。吹奏楽界隈では定番曲だそうですが、大編成の吹奏楽団ならではの、ふくよかで厚いサウンドが気持ちよくホールに響きました。吹奏楽を聴く喜びをダイレクトに感じることができ、このオケの演奏水準の高さも如実に示されました。
プログラムの曲目解説によれば、作曲者の酒井格は、この曲を高校生のときに作曲したそうです。凄い才能に恐れ入りました。
司会者の星野さんが登場して曲目紹介があり、2曲目は「ロンドンデリーの歌」です。誰もが知るアイルランド民謡の名曲ですが、低音を多用した編曲も面白く、楽しめる演奏でした。
曲目紹介があり、前半最後は、本日の演奏会の中で最も大曲であり、難曲と思われる吹奏楽界の巨匠・リードの代表作のひとつである「オセロ」です。題名の如く、シェークスピアの「オセロ」を題材にした5曲からなる組曲ですが、シティブラス越後は初挑戦の曲だそうです。
佐藤さんが登場して、演奏開始です。第1楽章は、金管のファンファーレで始まり、劇的な物語の始まりを告げるに相応しい、劇的な大迫力の演奏で圧倒され、音楽劇の世界へと一気に引き込まれました。
銅鑼が鳴って、その音が消えるとともに第2楽章が始まりました。曲調は明るくなり、軽やかな音楽は、地中海の空気感を感じさせました。
第3楽章は、オセロとデスデモーナの愛が描かれた音楽のようですが、ゆったりと美しく演奏して、その愛の場面が思い浮かぶようでした。
第4楽章は、明るいファンファーレで始まり、高らかに勝利を祝うかのように、勇壮な凱旋の音楽が奏でられました。
そして第5楽章は、暗雲が訪れて、愛の場面が悲劇へ変わり、オセロがオスデモーナの死を嘆き悲しみ、オセロが自ら命を断ち、消え入るように音楽が終わりました。
解説を読まないとわからないことではありますが、劇的な物語の世界を表現した音楽を、見事な演奏で聴かせてくれました。
静かな場面では、アマチュアらしい音の不安定さは感じられましたが、強奏部では迫力いっぱいであり、大編成の吹奏楽の醍醐味を知らしめてくれました。聴き応えある演奏に大きな拍手が贈られて休憩になりました。
後半は吹奏楽コンサートのお決まりであるポップスプログラムです。ステージの中央にはドラムセットが設置され、指揮台は片付けられていました。
薄暗い中に団員が赤いTシャツで登場し、寸劇で役を演じる人はその衣裳を着て登場しました。指揮の佐藤さんは銀色のジャケットでした。
今回のテーマは「越後ブラスサーカス」とのことで、サーカス団の団長に扮した団員とピエロに扮した女性をキーパーソンとして、司会の星野さんとともに、他の数人の団員との寸劇を交えながら演奏が進められました。
1曲目は「Make Me Mine」で、スウィングしながら楽しく演奏しました。吹奏楽コンサートのお決まりですが、独奏者にはスポットライトが当てられて、拍手が贈られました。
2曲目は「We Are Confidence Man」で、スウィングするリズムが心地良く、ノリノリの音楽を楽しみました。聴く方は良いのですが、寸劇を演じる団員は、演奏席とステージ前方とを行き来して大変そうでした。
3曲目は「レット・イット・ゴー」で、雪の女王に扮したクラリネット奏者の名演技もあって、楽しく聴かせていただきました。
4曲目は「星に願いを」で、観客全員が入場時に渡されたケミカルライトを折って点灯させて、演奏と会場とが一体となって盛り上がりました。途中ポップス調になってスウィングしましたが、最後はしっとりと終わりました。
5曲目は「ライムライト」です。ゴージャスな音楽で、私が抱いているこの曲のイメージとはかけ離れた演奏でしたが、編曲が面白く、これはこれで楽しめる音楽でした。
ここで、これまた吹奏楽コンサートのお決まりの祝電披露があり、最後の曲は「SUITE FROM THE GREATEST
SHOWMAN」です。冒頭からかっこいい演奏で、ショーの世界へ一気に引き込まれました。途中はしんみりと、ゆったりと音楽を演奏し、そしてショーは盛り上がってミラーボールが輝き、最後は静かに締めくくって、音楽劇は終わりました。
学芸会のような寸劇とともに演奏を進めるという試みは、役を演じた団員の名演もあって、大成功だったと思います。なかなか落ち着いた演技には恐れ入りました。それでいて、演奏もしっかり行っているのですからたいしたものだと思います。
大きな拍手に応えて、アンコールに「Another Day of Sun」と「カイト」を演奏して、大きな盛り上がりと感動の中に、演奏会は終演となりました。
後半の演技は別にして、個々の曲の演奏は見事だったと思います。弱音部での演奏の安定感があればさらに良かったと思いますが、総勢70人の大編成での吹奏楽演奏は聴き応えがあり、迫力ある演奏を堪能できました。
一般クラシックファンとしては、演奏に専念すれば良いのにと思ってしまいますが、お遊び付きのポップスステージも欠かせないプログラムであることは間違いなく、これを楽しみにしている観客も、そして演奏者も多いものと思います。
ともあれ、良い演奏を楽しめて良かったです。クラシックコンサートとは重なる曲を演奏するにも関わらず、演奏会の空気感は大きく異なるのが吹奏楽コンサートの特徴であり、魅力です。
客層も異なり、クラシックと吹奏楽との間の見えない壁の存在は感じざるを得ませんが、両方とも楽しめますので、クラシックファンの皆さんは吹奏楽コンサートに、吹奏楽ファンの皆さんには、是非クラシックコンサートにも足を運んでいただきたいですね。
(客席:2階C3-7、¥800) |