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今日は今シ−ズン初めての東京交響楽団の演奏会ですが、通常の定期演奏会ではなくポップスコンサート的な特別演奏会です。
2024年からこの特別演奏会シリーズが始まり、2024年5月には「ジョン・ウィリアムズ大作戦!」と題して
角田鋼亮 さんの指揮で 映画音楽界の巨匠・ジョン・ウィィアムズの名曲が演奏され、2025年6月には「IT'S
SHOW TIME」と題して、原田慶太楼さんの指揮で ブロードウェイに関連した音楽が演奏されました。
そして今年は「音楽船シンフォニック号」と題して、スタジオジブリの音楽が演奏されます。指揮は若手指揮者の注目株である太田弦さんです。太田さんは2022年5月の第125回新潟定期演奏会以来、4年ぶりの新潟登場となります。
ファミリー向けのプログラムで、本来は私のようなジジイは対象としていないように思いますが、たまには誰もが知るジブリの音楽を気兼ねなく楽しませていただこうと思います。今回は遠慮してA席にさせていただきました。
今週末は天候に恵まれて、今日も朝から青空が見えて、すがすがしい日曜日を迎えました。昨日の石田組の記事を書き上げてアップし、ゆっくりと休日の昼を過ごし、3時半過ぎに家を出ました。
心地良い晴天の中に快適に車を進めましたが、車の外気温計は31℃を表示していました。春は終わって、もう夏ですね。
白山公園駐車場に車をとめて、新潟県民会館に立ち寄った後にりゅーとぴあに入りますと、ロビーは開場を待つ人たちで賑わっていました。
程なくして開場時間となり、私も列に並んで入場し、ホワイエの椅子に座って、この原稿を書きながら開演を待ちました。
ホワイエは多くの人で賑わっていましたが、いつもの東響定期とは客層が明らかに異なり、子ども連れや若者が多く、平均年齢はかなり低いものと思います。私のようなボッチの高齢者は少なく、ちょっと寂しさを感じましたが、精神年齢は子どもですので、開き直りましょう。
ホワイエには、小道具とともにフォトスポットが設けられており、記念写真を撮る人たちで賑わっていました。
開演時間が迫ったところで席に着きました。私の席は3階席正面でしたので眺めは良く、ホール全体を俯瞰できましたが、客席にはわずかな空席があるのみで、びっしりと埋まり、ホールは開演を待つ熱気に満ちていました。
ステージを眺めますと、弦は通常配置の14型で、弦5部は 14-12-10-8-6 でした。左にハープ、チェレスタ、ピアノが配置され、後方には多彩な打楽器群が並んでいました。
開演時間となり、拍手の中に団員が入場し、全員揃うまで起立して待ち、最後にコンマスの景山さんが登場して大きな拍手が贈られて、チューニングとなりました。
指揮の太田さんが登場し、1曲目は「ハウルの動く城」です。ステージ後方とパイプオルガンにオレンジ色の照明が当てられて、特別な空気感とともに演奏が始まりました。
久石さん自身の編曲による「シンフォニック・ヴァリエーション」ということで、名前通りにシンフォニックな響きに引き込まれました。映画のサントラ的な音楽を気軽に楽しもうと思った皆さんは、いきなりの本格的なオーケストラ演奏に驚かれたことと思います。
東京交響楽団の厚くて美しい弦楽アンサンブル、抜群のパフォーマンスを発揮する管・打楽器群。トランペットやピアノのソロも美しく、演奏の質の高さを感じました。
太田さんが紡ぎ出す音楽は、色彩感と躍動感に溢れ、ポップスコンサートの範疇を超えて、交響詩を聴くような感覚でした。子供さんも多かったようですが、長大なシンフォニックな音楽と全力疾走するフルオーケストラに圧倒されたのではないでしょうか。
司会の佐藤さん、榎本さんが登場して、軽妙なトークがあり、この間にマンドリンとアコーディオンが入場して右側奥にスタンバイしました。
続いては「魔女の宅急便」です。久石さん自身による交響組曲版による演奏で、照明の色がカラフルに変わって8曲が続けて演奏されました。あくまで久石さんの楽曲で構成され、映画で使用された松任谷由実の曲は含まれません。
オーケストラとともにマンドリンやアコーディオンが爽やかな空気感を生み、「魔女の宅急便」の世界が眼前に広がるようでした。オカリナも聴こえて素朴さを感じさせ、コンマスのソロも美しく、しっとりと終わりました。
休憩後の後半は、まず佐藤さんと榎本さんによるトークがあり、指揮の太田さんが呼び出されてインタビューがありました。この間に団員が静かに入場し、指揮台の左に語りとして出演する2人の席が設けられました。
後半最初は「となりのトトロ」です。照明は緑色に変わり、佐藤さんと榎本さんの語りとともに演奏が進められました。
「さんぽ」で演奏が始まりましたが、この曲に合わせて楽器紹介があり、木管楽器→金管楽器→弦楽器→打楽器・ハープ・ピアノ・チェレスタという順に、各パートごとに演奏して各楽器が紹介されました。紹介時には弦楽器の皆さんも、チェロ以外は立って演奏してくれました。
その後は2人が語る物語とともに各曲が演奏され、お馴染みのトトロの物語が展開され、大きな感動をいただきました。
「となりのトトロ」はストーリーもわかりやすく、曲も親しみやすくて良いですね。語りもあって物語に没入できました。子供たちも大いに楽しめたものと思います。ほのぼのとした感動とともに演奏が終わり、語りを努めた2人にも大きな拍手が贈られました。
曲目紹介があり、プログラム最後は「千と千尋の神隠し」です。照明の色が変わって演奏が始まりました。組曲ですが全10曲が切れ目なく演奏されました。
物語の空気感を色彩感豊かに醸し出し、フルオーケストラが創り出すゴージャスなシンフォニックサウンドに酔いしれました。
多彩な打楽器群を6人の奏者が演奏し、音響的にも楽しめて、東京交響楽団の素晴らしさが知らしめられました。最後はピアノとともに、しっとりと終わり、感動の音楽劇は終演となりました。
大きな拍手とともにカーテンコールが繰り返され、アンコールは私の予想通りに「天空の城ラピュタ」からの「君をのせて」でした。
この曲は毎年夏に恒例の子供向けコンサート「オーケストラはキミのともだち」のアンコール曲として毎回演奏されており、今日のアンコールもこれしかないと思っていました。
ここまでの演奏と同様に、切れが良いゴージャスで迫力あるサウンドで楽しませ、「音楽船シンフォニック号」と題されたコンサートの最後を飾るにふさわしいシンフォニックな演奏で感動を誘いました。
これまでこの曲は、飯森範親さん、原田慶太楼さん、永峰大輔さんの指揮による演奏で聴いてきましたが、今日はこれまでにない新鮮な感動をいただき、若きマエストロ・太田さんの魅力を感じ取ることができました。
拍手は鳴りやみませんでしたが、最後に太田さんが指揮台のスコアを閉じて、名残惜しくも演奏会は終演となりました。
久石さん作曲によるジブリ音楽の素晴らしさ、そして東京交響楽団の素晴らしさを知らしめてくれた内容豊富な演奏会でした。
久石さんは、ジブリや北野作品など、映画音楽での活躍が目覚ましく、耳から離れないシンプルなメロディが魅力ですが、本来はミニマルミュージックで知られる現代音楽の作曲家であり、オーケストラの指揮者としても活躍しています。活発な作曲活動・指揮活動をしておられ、つい最近も自作曲を海外で初演しています。
今日のプログラムは、こういうクラシック音楽の基盤の上に再構成された曲からなり、映画音楽というより交響詩と言うべき内容だったと思います。ファミリー向けのポップスコンサートの枠を大きく超えて、定期演奏会に足を運ぶクラシックファンも十分に楽しめたものと思います。
このような魅力あるコンサートを企画したりゅーとぴあ関係者に感謝するとともに、来年はどういう企画を立ててくれるか楽しみにしたいと思います。
こういうコンサートをきっかけにして、東京交響楽団新潟定期演奏会にも若い世代にたくさん来てもらいたいですね。
大きな満足感とともにホールを出て、日が伸びて明るさが残る日没後の白山公園を歩き、ジブリのファンタジックな世界から、現実の世界へと戻りました。
(客席:3階 I 4-8、A席:¥5000) |