新潟交響楽団第116回定期演奏会
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2026年5月17日(日)14:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
指揮:伊藤 翔
コンサートマスター:近藤将弘
 
メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」作品26

シューマン:交響曲第4番 ニ短調 作品120

(休憩15分)

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」Op.67

(アンコール)
シューマン(サン=サーンス編):夕べの歌
 
 

 今日は新潟交響楽団の定期演奏会です。今回は回を重ねて第116回となりました。指揮者は2022年6月の第108回から前回の第115回まで指揮していた平川範幸さんに代わって、伊藤 翔さんが再登場します。
 伊藤さんは、第97回(指揮:松沼俊彦)を除いて、2014年11月の第95回から2018年11月の第102回まで新潟交響楽団を指揮しています。新潟での指揮はその年の年末の「第19回新潟第九コンサート」以来になりますので、7年半ぶりになります。

 今回のプログラムは、前半がメンデルスゾーンの「フィンガルの洞窟」とシューマンの交響曲第4番、後半がベートーヴェンの交響曲第5番「運命」というオール・ドイツプログラムです。
 「フィンガルの洞窟」は、2010年11月の第87回以来16年ぶり3回目で、シューマンの交響曲第4番は今回が初めてです。そしてベートーヴェンの交響曲第5番「運命」は、2009年11月の第85回以来16年ぶり5回目です。

 なお、最近の定期演奏会を振り返りますと、第114回はシベリウスの交響曲第5番、第115回はシューベルトの交響曲第5番とマーラーの交響曲第5番、そして今回はベートーヴェンの交響曲第5番と、まさに5番続きになっています。
 この流れで次回も5番ということになれば、チャイコフスキーとメンデルスゾーンの5番は第108回でやってますから、ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、ブルックナーあたりかなあなどと、勝手に予想して楽しんでいました。

 今週は好天が続き、気温も高くなり、春を通り越して初夏を感じる週末になりました。今日も朝から晴れ渡り、清々しい日曜日を迎えました。
 雑用を済ませ、ゆっくりと昼食を摂り、晴れ渡った空の下に、りゅーとぴあへと車を進めました。白山公園駐車場に車をとめて、白山公園を歩きますと、コスプレイヤーの皆さんがたくさんおられ、中には女装した筋肉隆々のお兄さんもおられ、申し訳ありませんが、ちょっと気持ち悪かったです。

 県民会館で某コンサートのチケットを買い、りゅーとぴあ入りしますと、まだ開場の列は短かったですが、チラシ集めをしている間に伸びてきましたので、私もその列に並びました。
 開場待ちの列は紙チケット用の列のほかに電子チケット用の列も作られていて、時代の変化を感じました。開場時間となり、順番に入場しましたが、2階正面は指定席でしたので、2階Dブロックに席を取りました。

 ステージを眺めますと、オケの配置は通常型で、弦5部は13-11-10-8-6 となっていました。配られたプログラムに次回の定期演奏会の案内がありましたが、次も5番という予想(期待)は外れて、次はブラームスの2番でした。なお、指揮の伊藤さんは、今後2年間指揮をされるとのことです。
 この原稿を書きながら開演を待ちましたが、私の周囲はご高齢のご婦人方ばかりで、おしゃべりの賑やかさにいたたまれなかったですが、じっと耐えました。
 開演時間が近付くに連れて席は埋まり、指定席のCブロックは空席が目立ちましたが、他の自由席エリアはかなりの入りになり、盛況といえましょう。

 開演時間となり、拍手の中に団員が入場し、全員揃うまで起立して待ち、最後にコンマスの近藤さんが登場して大きな拍手が起こり、チューニングになりました。

 伊藤さんが登場して、1曲目はメンデルスゾーンの「フィンガルの洞窟」です。押し寄せる波のような弦楽で曲が始まりました。ゆったりと弦が歌い、管の各パートが交互に呼応し、緩急を繰り返して緊張感を生み、大きな身振りの伊藤さんの指揮に応えて、波が打ち寄せる洞窟の情景が眼前に表現されました。
 美しいクラリネット二重奏から情景が変わり、波は激しさを増してエネルギーアップし、嵐のような緊迫感が訪れて、静かな余韻の中に終わりました。
 フィンガルの洞窟がどういう場所なのか全く知りませんが、波が打ち寄せる洞窟の情景を思い起こさせるような演奏で、演奏会の1曲目として観客の心をつかむには良かったと思います。

 管楽器の入れ替えがあって増強され、2曲目はシューマンの交響曲第4番です。全4楽章が続けて演奏されますが、この曲は 生では聴く機会に乏しく、私は東響新潟定期で聴いた程度です。
 第1楽章は、ティンパニとともに強奏で重々しく始まり、その後は軽快に進みました。低弦とヴァイオリンとが呼応し、小気味良くアクセントを付けて、軽快に走り抜けました。緩急を反復してエネルギーを高め、力強く終わりました。
 切れ目なく第2楽章は、木管に続いて弦が暗く静かに歌いました。そして、ゆったりと流れるように演奏して美しく終わりました。
 続けて第3楽章は、一転して緊張感とともに始まりました。中間部は、ゆったりと穏やかに音楽が流れ、そして最初に戻り、力強くリズムを刻み、再びゆったりと歌いました。
 ベートーヴェンの「運命」の第3楽章〜第4楽章のつなぎの部分と良く似た流れで、暗雲が訪れるかのように少しずつ緊張感を増しながら、切れ目なく第4楽章に突入しました。
 緊張感から開放されて明るくリズムを刻み、たたみ掛けるようにエネルギーを増し、波を繰り返して大きなうねりとなりました。力強くリズムを繰り返して弦が激しく鳴り響き、大きな高揚感を生んでフィナーレとなりました。
 多少の乱れはありましたが、各楽章の対比も鮮やかに、全体としての大きな流れを力強く表現し、十分に楽しめる演奏に仕上げてくれました。高揚感の中に休憩に入りました。

 休憩時間が終わり、拍手の中に団員が入場し、後半はベートーヴェンの交響曲第5番「運命」です。伊藤さんが登場して演奏が始まりました。
 第1楽章の誰もが知る出だしがバッチリと決まって、好演が確信されました。ホルンの鳴りも良く、前半に感じられたアマオケらしさは消え去り、不安定な印象は皆無でした。オーボエのソロもお見事。終始乱れることなく緊張感を保ち続けました。
 第2楽章は、低弦のメロディでゆったりと始まりますが、このときの弦のアンサンブルも美しかったです。堂々と力強くリズムを刻み、弦の流れるような合奏もうまくこなしていました。静けさの中から木管が美しく歌い、そして力強く音楽を奏で、ゆっくり行進した後に駆け足し、ゆったりとした穏やかさの中からエネルギーを高め、高らかに終わりました。この間の音楽の流れがスムーズに表現されていました。
 第3楽章は、低減に導かれてホルンが叫び、そして、一番の聴かせどころのチェロとコントラバスの激しいパッセージも、スピード感とエネルギー感があって見事でした。ヴィオラへのメロディの受け渡しもきれいでした。
 静けさの中からピチカートでリズムを刻み、ティンパニとともに徐々に緊迫感とエネルギーを増して第4楽章へとつなぎました。
 高らかにファンファーレが奏でられ、立ち止まることなく、どんどんとエネルギーを増していきました。切れの良いティンパニとともに盛り上がり、少し速めで切れの良い音楽が沸き上がりました。
 一瞬の穏やかさから、どんどんとエネルギーを高め、再び高らかにファンファーレが鳴り響き、感動と興奮のフィナーレへと登りつめました。
 伊藤さんの身振りの大きな指揮に応えて、スピード感と躍動感、エネルギー感に満ちた演奏が繰り広げられ、新鮮な感動をもたらしました。
 大きな拍手とブラボーが贈られて、素晴らしい演奏を讃えました。カーテンコールが繰り返され、伊藤さんに花束が贈呈されました。

 そして、伊藤さんの挨拶があり、アンコールの曲目紹介があって、シューマンの「夕べの歌」が穏やかに、ゆったりと演奏されました。フルートやクラリネットのソロも美しく、しっとりと弦楽が歌い、先ほどの興奮を鎮めてくれました。

 感動とともに外に出ますと、暑さも感じましたが、すがすがしい春の空気で満たされていて、気分も爽やかでした。良い音楽を聴いた満足感ともに帰宅の途に着きました。

 次回の第117回定期演奏会は、11月22日14時開演で、ベートーヴェンのレオノーレ3番、R.シュトラウスの組曲「薔薇の騎士」、ブラームスの交響曲第2番です。次回も楽しみにしたいと思います。

 

(客席:2階D4-29、自由席:¥1000)