西表島バーチャル紀行
    English 更新日:2004/06/20

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垣の離島桟橋には、八重山観光フェリーと安栄観光の高速新造船が、今や遅しと出発の時を待っている。船首は細長く、いかにもスピードが出そうである。乗船すると、ほとんど揺れなど感じることもなく、たった45分で船浦港に到着する。約37kmの船旅である。港は、民宿やダイビングサービスの出迎えの車でごった返していた。

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あんえい号

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西表島のパイナップル畑

浦港近くのレンタカー屋で、エコノミーと言うクラスの車を借りる。一日4、000円の三菱ミラージュは、10万キロ以上を走った年代物だった。もちろん、新しい車もあったのだが、この方がむしろ南の島に合うのではないかとかってに解釈し、暑さで、目玉焼きを焼くときのフライパンのごとく熱せられた、ビニールシートに腰を沈めた。
進路を上原方向にとる。上原にある「デンサー食堂」で沖縄そばでも食べようかと車を停めると、あいにく今日は休みであった。仕方なく、ハンドルを握る。車内のエアコンが程よく効いてきたころ、右手にパイナップル畑が広がってきた。青い空と、パイナップル畑のコントラストが乾燥した大地に潤いを与えていた。そろそろ、星砂の浜である。
 
星砂の浜は、文字どおり星砂だらけだ!!
久しぶりに、訪れた星砂の浜は、以前に比べて人影が多くなったようである。それもそのはず、すぐ近くに、多分“日本最南端のキャンプ場”があるかだ。キャンプ場はだいぶ前からあったが、現在は良く整備されて、とても快適そうに見えた。ちなみに、一泊、一人300円であった。 星砂の浜

星砂の浜

この浜は、星砂だらけである。無造作に砂をすくってみても、半分以上は星砂である。ここで、バケツ一杯の星砂を採って土産屋に卸たら、さぞ儲かるのではないかと、スケベごころが出てきたので少し泳ぐことにする。

浜から、50m程のこころに、ちょうど良いイドプールがある。以前、良く潜っていたところである。残念ながら珊瑚の復活は、あまり順調ではないようだ。しかし、小島の周りには、たくさんの熱帯魚がのびのびと泳いでいるので、初心者にお勧めのシュノーケリングポイントだ。

今度は、キャンプで一泊しようと、心に決めて先に進むことにする。
 


浦内川は、東洋のアマゾン
浦内川遊覧ボート 浦内川は、沖縄県最大、最長の河川である。とうとうと流れるその姿は、優雅で美しい。
乗船券を買い乗り込むと、いかにも沖縄の風貌をまとった女性が、軽妙な案内をしてくれる。まるで、ディスニーランドのジャングル船に乗っているような気分だ。しかし、カバやワニは出てこないので安心あれ。
河川の両側には、マングローブと呼ばれる木々が、何本もの根を水中に降ろしているのがよく見える。マングローブとは、河口のような、海水と真水が混じり合う環境に適合した植物の総称を言う。その代表格が、八重山観光フェリーで船名にもなっている、“ひるぎ”である。
 
巨大なシダの仲間 ひるぎ サキシマスオウの木
シダ ひるぎ サキシマスオウの木
流船着き場付近で、とても神秘的な浦内川を見ることが出来る。透明で、褐色がかった、水中にはたくさんの小魚達が泳いでいる。そっと水面に手をやると魚たちが、どっとよてくる。ひとなつこい魚たちに、西表の懐の深さを感じた。
 

浦内川

浦内川上流(船着き場付近)


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マリウドの滝





カンピレの滝

カンピレーの滝

覧船は、30分ほどで終点の上流船着き場に到着する。ここからは徒歩で上流に向かう。良く整備された登山道を行くと、時折、大きなトカゲがカサカサと音を立てて目の前を横断する。昼間は、あまり出てこないが、ハブが出てこないかと少々ハラハラしながら、めざすマリウドの滝までは約40分ほどで到着する。ジャングル気分満点のハイキングだ。視界が開けると、マリウドの滝が、やや褐色がかった水を、勢い良く放出していた。更に、10分ほど、上流に行くと、カンピレーの滝がある。
西表島には、有名なイリオモテヤマネコが生息しているが、夜行性のため昼間は、まず見ることができない。イリオモテヤマネコが、安心して住める環境をこれからも守っていきたいものである。
 

内にたどり着くと、何やら、長いものが町中を占領している。それをたどって行くと、何人もの男達が汗だくで大綱を編んでいるまっ最中であった。聞くと、どうやら豊年祭で使用する綱引きの綱らしい。それにしても何人の人たちがこの綱を引くのだろうか。大綱引きは、どうやら明日のようだ。残念ながら綱引きを見る事はできなかった。
 
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祖内、星立の豊年祭2

豊年祭

(祖内、星立)

祖内、星立の豊年祭

なおみこし


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年祭に使用する綱は、その年に収穫した稲のわらを使用して編み上げられる。



白浜から先にもう道はない

白浜の天草干し


内を出てしばらくすると、西部最西端の町、白浜に到着する。ここからは、もう道が無い。自分の影が見えないほどの炎天下の中、港で2二人の老人が天草を干していた。こんなに暑ければ、1時間で人間も、天草も干しあがってしまうであろう。天草の香りが、あたり一面に漂っていた。

今日は、船浦まで戻り、石垣経由で竹富島に戻ることにする。

おわり



サバニ

サバニ(白浜)

 


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