3月13日(木)、「6年生を送る会」が行われました。私たち5年生は、いろいろなアイディアの中から選ばれて、私たち1組の考えた劇「スイカ星人の贈り物」をすることになりました。
この劇は、川上校区の特産物である「スイカ」をもとに、今年一年間川上小全体で取り組んできた「環境教育」で学んだことも取り入れて、独自にまとめたものです。ごらんになったみなさんの感想を聞かせていただけたら、うれしいです。
○製作:平成9年3月13日(木)「6年生を送る会」にて上演
○脚本:ひとみ,なつみ
○配役:スイカ星人A−あすか
スイカ星人B−さゆり
スイカ星人C−しずき
スイカ星人D−めぐみ
スイカ博士 −りょうたろう
まさかず少年−まさかず
そ の 母 −しずか
西暦2997年、水星と火星が衝突し、スイカ星が誕生した。
やがてそこには、「スイカ星人」という生命が生まれた。スイカ星人たちは、平和と緑を愛する、心優しい人々だった。急速に文明を発展させたスイカ星人たちは、やがて他の星との交流を求めて、宇宙を旅することになった。この物語は、その中の4人が、地球を訪れたときのものである。
ここは、西暦3997年のスイカ星。最新の技術を使って、自由に宇宙を旅することのできる宇宙船が、スイカ博士の手で、今まさに完成しようとしていた。
スイカA「博士、宇宙船は完成しましたか?」
博士「ああ、立派なのができあがったぞ」
スイカD「どれくらいすごいんですか?」
博士「うーん。光の10万倍の速さでとべるんじゃ」
スイカD「それはすごい!!」
スイカA「博士、それを私たちに貸してください」
博士「何に使うんじゃ?」
スイカA「はい、地球へ行ってみたいと思いまして」
博士「うーん、よかろう。では、明日さっそく使ってみるか?」
スイカA・D「ありがとうございます」
スイカ星人A・Dが、博士にたのんで、宇宙船を使う許しをもらったことを伝えると、スイカ星人B・Cは大喜び。
スイカB「うわーっ、うれしいな」
スイカC「じゃあ、明日さっそく出発だ!」
スイカA・B・D「オーッ!」
そして次の日、スイカ星人A・B・C・Dは、うきうきしながら博士のところへ向かった。
スイカA・B・C・D「はー、かー、せ。こんにちは!」
博士「おう、来たな来たな。待っとったでぇ」
スイカD「博士、さっそくですが、宇宙船というのはどういうものですか?」
博士「これじゃよ」
スイカA・B・C・D「タネ太号!?」
スイカB「これに乗って行くのね」
博士「じゃあ、さっそく出発だ。無事に帰って来いよ!」
(宇宙空間をワープ)
スイカC「なっ、何だここは?」
スイカD「ここが本当に地球なの? まるで砂漠じゃない」
スイカB「場所を間違えたのかなあ」
スイカA「草も木も、何もないじゃない」
スイカB「いや、ここは確かに地球よ。あの、緑のあふれていたはずの・・・」
スイカC「ここにいた生物たちも、どうなったんだろう」
スイカD「そう言われてみれば、さっきから何も見てないわね」
スイカB「なんで、緑も生物も、消えてしまったのかしら」
スイカC「よくは分からないけど、地球人の自然破壊が原因じゃないかな」
スイカD「そんなあ。あんなに美しい星を、こんなにしてしまうなんて。地球人たちって、何を考えているのかしら?」
スイカB「何にも考えていないんじゃないかなあ」
スイカA「そうよ。きっと、自分たちが地球をほろぼしてしまうってことに、気がついてなかったのよ」
スイカC「どうにかしなくっちゃ」
スイカB「地球人たちに、環境破壊をやめさせなくっちゃ」
スイカD「そうだ、地球が破壊されてしまう前の時代にタイムスリップして、地球人に会いに行きましょう」
スイカA・B・C「賛成!」
(タイムスリップ)
スイカB「あれっ、ここは、どこ?」
スイカC「さっきとは、ずいぶん違うね」
スイカD「ここには、緑があふれているわ」
スイカA「やった、タイムスリップ成功。ここは、2000年前、1997年の地球だ!」
スイカA・B・C・D「やったあ!!」
スイカB「しっ、誰か来るわ」
少年「だっ、誰だ、君たちは?」
スイカA「怪しい者ではないわ」
スイカC「ぼくたちは、地球の様子を見に、はるかかなたのスイカ星からやって来た、スイカ星人だよ」
少年「えっ、スっ、スイカ星人だって」
スイカD「そうよ。私たちは、あなたたち地球人に、話があって来たの」
少年「はっ、話って?」
スイカA「あなたちの住んでいる、この美しい星地球は、あなたち地球人の環境破壊で、2000年後には完全に死の星になってしまうのよ」
スイカB「このまでは、あなたたち地球人のために、すべての生物が、死に絶えてしまうのよ」
少年「ええっ、そうなったらたいへんだ。でも、どうすればいいの?」
スイカD「これを使うのよ」
少年「これは、何?」
スイカD「これは、七色のスイカのタネよ。このタネには、一つ一つに魔法の力があって、そのタネを育てると、いろいろな願いがかなうようになるの」
スイカA「緑は、木がよく育つように。水色は、水がいつもきれいであるように」
スイカB「青は、空気がきれいであるように。オレンジは、争いのない平和な世界であるように」
スイカC「紫は、科学の進歩によって人々が救われるように。赤は、思いやりの気持ちを忘れないように」
スイカD「そして黄色は、みんな豊かな生活ができるように」
少年「すごいなあ。でも、どうしてそんな大切な物を、このぼくに?」
スイカC「それは、君が地球を救うために、選ばれたからだよ」
少年「選ばれたって、ぼくが? ぼくにできるのかなあ」
スイカB「するのよ」
スイカA「あなたたち一人一人が、自分ができることを精一杯やって初めて、何かができるのよ」
スイカD「そうした一人一人の力が集まって初めて、大きな力になるの。その大きな力が、歴史を動かすのよ」
スイカC「明るい明日のために、がんばるんだよ!」
少年「うん、がんばるよ」
(暗転)
母「まさかず、まさかず、早く起きなさい。何寝言言ってるの。早く起きないと、遅刻するわよ」
少年「ん、今のは夢だったのかな? あれっ、昨日はこんな箱、置いてあったっけ。あっ、これはもしかして、七色のスイカのタネ・・・・?」
6年生のみなさん、七色のスイカのタネは、この後どうなったと思いますか? まさかず少年は、無事に地球を救うことができるでしょうか?
それはともかく、6年生のみなさん、みなさん一人一人の力が集まって大きな力となり、その大きな力が、明るい明日を作るんだというスイカ星人からのメッセージは、みなさんの胸に届いたでしょうか。その「スイカ星人からの贈り物」を胸に、中学でも勉強やスポーツをがんばってくださいね。
最終更新日:平成9年5月13日