詐欺師が主催する乞食と馬鹿の集合体


 公開型知識ベース。 いわゆる質問−回答型掲示板の事である。

 これの欠陥が、以下の通りなのは周知の事と思う。 行き過ぎれば、反社会的な行動となり得る。

 ・集積された価値(=知識、情報)は、掲示板提供者の所有物である。
 ・質問者は、自己が所持しない価値を無償で要求する。
 ・回答者は、自己が所持する価値を無償で提供する。

 価値を対価なしで交換する事は、相手を蹴落す行動という側面がある事を認識しなければならない。

 むかーし、時代劇である裕福な侍が乞食に金銭を施した。
 その行動は、相手の健全な育成を妨げるという点において反社会的な行動であると裁く、という話である。

 つまり、この公開型知識ベースも同じ問題を孕んでいると認識すべき、って話です。
 無責任な施しは、本来、相手が支払うべき対価と、その結果で得る成長や見識という生産と利益を阻害する。

 その上で主催側は、その価値を本来の所有者から不当に得て、自己の利益とする点に詐欺性を感じるのである。
 彼処に集積された価値は、一体何処にいくのか? 情報提供者へ正当な分配が行われるのか?
 分配しないよね。 するわけがない。
 その事を理解しない馬鹿から社会的な行動、誰かの役に立てるという点を強調して価値を提供させ、果実(利息)を得られるから美味しいんだし。

 なので、題名の結論に達する訳です。 はい。

 こういうのは、一般普及している「Wiki」にも言える。
 あれってアメリカでは、コンピュータエンジニアリングの世界で、果実(利息)が発生する美味しい技術ですって事で、本気で研究されている。

 つまり、両者ともネット上で利用する分には良いけれど、決して書籍化された物を購入してはならない、となる。
 だが、書籍を購入しないからといって、結局は提供者が果実を独占できる点に問題があるから、それだけでは意味がない。
 提供者がサービスを止めて(決算して)自己の利益の為に使い始めたらアウトって話ですね。 あほくさい。 吐き気がしてきた…。

 なら、どうすれば、社会的な共有財産として利用できるのか?
 それは、許容量を超えない回答を出すこと、質問者と胴元に過度の価値を与えないこと。 この点に尽きる。
 書籍化や横領をして儲けられるような価値が高い回答を決して書かないこと。
 質問者が100点満点で満足する回答を書かないこと。
 理想としては、質問者が対価を支払う必要がある人間や組織に誘導する回答をすること。

 これが健全な回答者の使い方だと思う。

 こういう回答なら書籍化されても価値が低い。 単なる情報紹介ページで終わる。 立ち読みだけして終わる筈。

 書き足りないので、例としてWiki系の話題を最後に記す。

 あるオンラインゲームにおいて、wiki型の情報集積サイトが存在した。
 ゲーム内における特殊な行動の組み合わせ情報(=価値)を集積したサイトである。
 このサイトは、組み合わせ情報や関連して付随する情報まで網羅した便利なサイトであった。
 ユーザインターフェースの良さと利便性も相まって、ある時期までは誰もが知り利用するサイトだった。
 又、このサイトは、共有財産である組み合わせ情報を、利用者が一括して取り出す実質的な機能を持たなかった。
 だが、ある時期にサイト提供者は、集積された知識と環境を業者に売り渡した。
 売却価格は、知らない。 だが決して安くない値段になった筈である。 法的にも罰されることはなかった。

 大事な事なので、もう一度書きます。

「質問者が対価を支払う必要がある人間や組織に誘導する回答をすること」。

 回答者は、これを念頭に置いて回答を書くようにしましょう。

 あれに与えて良い価値は、そこまでだ。

 う〜ん。 なかなか傑作な文章になったと思う。


最終更新日:2009/09/30