虚構推理

 講談社のコミックから入りました。 絵と表題と棚で買いました。

 棚に表紙を向けて並べているから視線を誘導され、比較的に綺麗な表紙と意味不明な表題で興味を持ちました。

 まずヒロインの台詞が可笑しい。 本音を隠さずに言っているだけなのに、容姿とのギャップが大きい。
 次に表題の不可解さが面白い。 この表題から内容を連想できない。 それにも関わらず、一部の少数の心を揺さぶる単語が二つ並んでいる。
 「虚構」と「推理」。 何それ?っと。
 5巻まで観て、その表題の意味がわかったけれど、そこからも面白い。 5巻に記載されている「とある台詞」も読者に優しい(つまり巧い)。
 この小説原作は、コミックが小説作品よりも原作の真意を強く語っているように感じました。

 紀伊國屋の棚で表紙を向けて並べられる作品だと納得します。

 ヒロインのキャラクター。 というか台詞。 理知的な言動と情動的な言動を兼ね備えて、それをストーリー構造にも組み込む。
 こういうキャラクターは、私の中だと記憶にない。 一面的な性格を強く歪曲して固定して、存在しえない性格を協調することが多いように感じます。
 二面あるキャラクターは、よくいます。 推理ものの犯人は、いつでも二面性を隠していますから。
 変な性格を複数持つ主人公ってのもよくいる。 でもそれは、エッセンスであって補完的な一面に留まっている。

 でもこのヒロインは違う。

 引く程にキュンキュンして、情動的な側面を持ち、隠さずに意思を表現する上に、それを物語を形成するプロットとなる部分にまで思考が進む。
 解決1と解決2の対比は、よくある宗教説法地味ているようで、物語の構造から必要性が存在している。

 小説だと一篇の単作だけど、これに類似、これを模倣する作品は、今後に作られるパターンだと感じました。


 手元に5巻までしかないけど、続きが読みたい。


最終更新日:2019/05/11