チェーザレ八巻


やだ。この人、漫画なんかをレビューしている。馬鹿じゃないの?

そんな方は、このページを読まない方が時間の節約になります

ですが、漫画の巻末にある文章を読む、作者ウェブページを訪れてみると漫画に対する認識が改まると思います。

時代考証、史書研究を平行しながら制作しているらしく、相当に面白い作品です。
他のウェブページでも取り上げられているので、十分認知されているのかもしれません。

今だとテレビドラマでも漫画原作が多くなってきており、小説こそがドラマの原作であるという図式は崩れている。
テレビ業界が小説業界のみを新人賞などを通じて奨励していた時代は薄れている。
見かけはしませんが、今後テレビ業界は漫画の新人賞を奨励していく(している?)のかもしれません。

実際、漫画の方が娯楽として優れていますしね。 視覚情報は、説得力が違う。
作画と原作を分離、或いは監修付きの漫画は、特に面白い物が多い。
この作品も、その一つです。 他にもバクマンとかも娯楽として面白い。

七巻では、歴史史料に基づいた新説を提唱して話題になりましたが、今回の八巻は、巻末の文章と作者ウェブページが特に面白い。
時代も対象も異なりますが、こういう所は、松本清張の昭和史研究に近い楽しさを感じます。
松本清張の昭和史研究や歴史考証を読んだとき、相当に興味を惹かれました。
これと同じ気持ちは国とは関係ないので、チェーザレも舞台であるイタリアやフランスでは、話題や人気を惹いていると思います。
(同社が発売するワインの漫画も、フランスでも大好評とか言われていますしね)
教育された認識とは(恐らく)違う観点で考察された この漫画は、日本人以上に現地の人間には、好奇心をそそる一冊だと思います。

この一冊を読むと、この時代への興味が湧いてくる、今日この頃でした。
この作品が無事に完結を迎えられることを祈るばかりです。 久しぶりに、お金を払って得をした気分になりました。


最終更新日:2010/10/22