ナチュン


 沖縄SFとか書かれている一冊です。

 主人公の渇望と行動に惹かれる想いを抱いています。

 絵なんかどうでも良い。 登場するキャラクタが生きている。 これが、この作品の魅力だと思います。

 今更、現代漫画批評をする気はありません。 所詮は、娯楽。 売れれば良いだけ。 読んで捨てるだけの消費物。 毎年、どれだけの小説、映画、ドラマ、漫画が作られているのか知りません。 どうせ半世紀も経てば、殆どの物が存在すら忘れられる事でしょう。 数世紀後に、どれだけ残っているか。

 普通に推測して分かる通り、99%の書籍は残らないでしょう。 それに時間と金銭を投下した所で、大量生産して一万冊程度を目標にして、金銭が回収できればOKってな業界でしょうからね。

 東野圭吾も宮部みゆきも、100年後に振り返った時に、恐らくは名前すら残っていない気がします。

「今の時代の書籍は、それを目指して書いている訳じゃない」

 所詮は、消費物。 ティッシュやトイレットペーパ。 穀物、野菜、果物、化石燃料。 心に注ぐ燃料に過ぎない。 太宰治、松本清張、芥川龍之介だって、いつまで残り続けることか。

 けれど、それで良いのだと思う。 私も大衆も、それを望んでいるのだから。

 話を戻すと、この漫画は、結末が悲惨な物になりそうな展開になっていますが、ハッピーエンドにも為らない。 EDENの様に、ぐだぐだな終わり方をしそうな気がします。

 良くて和解。 良い所で主人公の事故死。 脇役を人身御供にして、主人公だけ隔離されながら生き続ける。 ライバルと共に野望を達成するが暗殺。 人知れず、山奥でひっそりと暮らす。 三極分化して、均衡構造を作り上げて平和を作る。 惑星から出て、別の恒星系に逃げる、など。

 色々と思いつくけど、薬師寺涼子と列んで、楽しみな作品です。

 相変わらず、アクセスカウンタは増えないけど、興味を惹いて手に取る機会があれば、読んでみることをお勧めします。


最終更新日:2010/01/10