新・本格推理 特別編


「お前という奴は、本格嫌いなんじゃないのかよ!」

 この無責任なページ集の特定ページを一読した酔狂な人がいて、この題名を見た瞬間に感じたかも知れません。
 というか、率直に自己批判しました。 なんで、こんな文庫を持ってるんだ? おまけに全部読んだ記憶があるぞ!?

 言い訳を考えてみました。

 先ず、この文庫は、デビュー前後の作家が投稿した作品を掲載する形になっています。
 但し、この特別編の場合は、本格推理という投稿型の作品集からプロになった作家の作品が掲載されています。
 そして、最後の一作品のみがアマチュア作家の作品になっているそうです。 正しくは、興味を持った方が書店で確認してみて下さい。

 で。 七作品中、最後のアマチュア作家の作品。 私は、この作家の作品が一番好きです!
 この特別編以外でも同作家の作品を拝読した事があり、その作品を読んでファンになりました。
 素材は、時間遡行関係の作品だったと思います。 お名前は、園田修一郎さんです。
 現時点では知りませんが、プロになったのだろうか…。

 さて、この方のトリックは興味を惹きました。 たしか、前提を明記した上で荒唐無稽なトリックを展開した作品だったと記憶しています。
 知的好奇心をくすぐる内容だったんですよね。 別の言い方をすると、思考実験している。
 悪い表現をすれば、もしもボックスの中で事件が展開する。

 只、今後も本格推理小説が求められるとしたら、この作家の手法が一つのアプローチになると思います。
 「本格な推理」は、別の言い方をすれば「推理ができればよい」という事で、ミステリーや小説の暗黙のルールに縛られる必要はない。
 「もしも」を明記して、それ以外は自然な論理で組み上がる図式ができれば、推理をさせる土壌を作れそうですからね。

 まぁ、自分は推理小説を買わないけど。
 ドラマがないんじゃ、クイズ本でも買った方が早い。 思考トレーニングをしたいなら、何かの問題集でも買った方が有意義ですしね。


最終更新日:2009/09/24