名もなき毒


 某有名作家の作品です。 今年に読んだミステリーの中で五指に入る作品です。
 私はハードカバーだと持ち運びに不便なので買わないので、この作品もノベルで読みました。
 読了した今、ハードカバーで読むんだったと後悔しています。
 …。 いや、途中で重さに耐えきれなくなって積み上げてたかなぁ。

 さて。

 ここでは「あ・ら・す・じ」を書きません。 「て・ー・ま」も書きません。
 それを求めて辿り着いた方は、どうぞ他を当たって下さい。

 相当な昔に「火車」を読んだことがあります。
 こちらの作品は、何かの賞を受賞したそうです。
 帯の煽りと題名に惹かれて購入したのですが、読み終わった時点で捨てたと思います。
 理由は簡単。 結末が無責任だ、と感じたから。 我ながら、ぼた餅な読者です。

 この作者名の作品は、二度と買うか!と思いながらも、気がつけばブレイブストーリーをハードカバーで読んだのが懐かしい。
 読んでる最中「…重い。 腕が疲れる。 前半は面白いんだけどなぁ」と感じてハードカバーは手を出すまいと思ったような。
 他にも「理由」も読んだような気がします。 この作品は、内容の記憶がないので、同名の作品と誤解してるのかもしれませんが。

 他にも色々ありまして、この有名作家の作品は鬼門でした。
 毒を込めていうならば、複数枚のジョーカーがあるババ抜き。 さぁ選びなさい。ジョーカーが●●●よ。

 脱線しますが、直前にちょ〜有名作家の短篇集・下に収録された「帝銀事件の謎」を読みました。
 この短篇は、実在の事件を分析して仮説を挙げ、そこから示唆を抽出する所までを行っています。
 非常に満足した内容でした。 こちらはノンフィクションです。 こういうのは、今だと一つのジャンルになっているのだろうか?

 次が、この作品。 架空であることを武器(いいこと)に、多数の問題を組み合わせてドラマが織り上がっていました。
 あるシーン(15)は、当事者の立場で現実に起きたら正気を保つ自信がないです。 迫真な文章だから始末に悪い。
 身近で切実な社会問題を取り上げているので、現実的な恐怖に襲われます。
 喩えるなら、前述の短篇が「対岸の火事」。 この長編は「隣家の火事」です。

「本当。フィクションで良かった。」

 そんな読了感です。


最終更新日:2009/09/14