WindowsXPにダウングレード
この文章は、数年後の自分に宛てたものです。
- Windows7 が重い。 使えない。 わかんないけど、兎に角、嫌
- Windows7 のSPが提供されない。 でも、WindowsXPを再インストールしたい♪
- ウィルスが入っている気がする。 不審がある
- なんだか暇だし、XPを再インストールしようかなー
とか思っているのでしょう。
でも、本当に必要ですか?
他に方法がありませんか?
絶対に後悔します。 考え直した方が良いですよ。
…。 言っても聞かないでしょうね。 貴様は、そういう奴だから。
なので、これを書きました。
読みながら思い出して下さい。 道の半ばで後悔しているでしょうね♪(○○が…)
小目次
- 対象読者
- 作業で必要になるもの
- 下準備
- 実施(奈落の底へ)
- 後片付け
1. 対象読者
以下に該当する場合、ここに書かれた内容が役に立つ可能性があります。
- WindowsVista がプリインストールされたマシンにWindowsXPをインストールしている。(ダウングレード)
- インストールするマシンのハードディスクが、SerialATA(S-ATA) 方式である。
- nLite を使ってWindowsXP(SP3)のインストールメディアを作り、再インストールしようとしている。
- インストール中のプロダクトキー入力画面において、無効なプロダクトキーです、と言われる。
- インストールしたけど、上手くドライブレター(ドライブ文字)が割り当たらない。
- WindowsXP のCUI インストーラ画面において、ハードディスク上のパーティションが認識されない。
- WindowsXP のCUI インストーラ画面において、不明なディスク、と表示される。
- WindowsXP のCUI インストーラ画面において、USB フロッピードライブが認識しない。
- WindowsXP のCUI インストーラ画面において、途中でUSB フロッピードライブを見失う。
何れかに該当する場合は、残念ながら既に地獄に落ちている、或いは、地獄の縁にいます。
検討中で何もしていない(地獄の縁)場合は、悪いことは言いません、引き返した方が無難です。
特に一つ目か二つ目に該当する場合は、正規の手段でインストールが出来ません。
1-2. 理由と対処
前述に挙げた項目の理由と対処を説明する。 なお、具体的な手順は、他のサイトを参照すること。
ここでは、道筋だけを説明する。
- WindowsVista がプリインストールされたマシンにWindowsXPをインストールしている。(ダウングレード)
そのマシンは、Vista 以降に初めて提供されたドライバを利用している可能性があります。
マシンに搭載されたハードウェアと提供時期に依存する為、それがどれかは判りません。
少なくとも、S-ATAは、Vistaから提供されたそうです。
- インストールするマシンのハードディスクが、SerialATA(S-ATA) 方式である。
WindowsXPをインストールする際に必須となる部品(ドライバ)ですが、MSはVista 以降から標準提供しているようです。
強行するには、XP用のS-ATA Textmodeドライバを入手(*1)して、それをインストール時に使えるようにする必要があります。
インストール時に使えるようにする、とは
1.新たにインストールメディアを作成する。
2.フロッピーディスクドライブを調達し、S-ATAのTextmodeドライバを格納したフロッピーを作成する。
のどちらかを選択する必要があります。
後者の場合、USB フロッピードライブを選択すると地獄に行きます。
XP のCUIインストーラは、一部のドライブしかサポートしないからです。
前者の場合、「nLite」と「SP+メーカー」というフリーソフトウェアが必要になります。
ですが、nLiteを使って「SP3のインストールメディア」を作ると地獄に行きます。
理由は、次の項目を参照してください。
- nLite を使ってWindowsXP(SP3)のインストールメディアを作り、再インストールしようとしている。
nLite(1.4.9.1)には問題があります。 これを見ている状態で後続バージョンが提供されていても疑って掛かってください。
XP(SP3)のメディアを作るとプロダクトキー入力で続行不能(無効なプロダクトキー)となります。
XP(SP2)のメディアを作ることをお勧めしたいのですが、XP-SP2は公開終了されている気がします。
- インストール中のプロダクトキー入力画面において、無効なプロダクトキーです、と言われる。
nLite(1.4.9.1)の問題です。
原因はnLiteになく、SP3がSP1を完全に収録していない事が原因な気もしますが、何にしろインストールが続行不能になります。
この場合「SP+メーカー(*2)」というソフトウェアを使うことでSP3を統合したインストール媒体を作成出来ます。
ですが、S-ATAドライバをメディアに収録したい場合は、nLiteでXP(SP2)のメディアを作った方が無難です。
これらに該当しない場合は、単純な入力ミスかもしれません。
試した限りでは、内部時計を巻き戻しても「無効な…」と言われました。
プロダクトキーチェックで有効期限はチェックしていないと思われます。
- インストールしたけど上手くドライブレター(ドライブ文字)が割り当たらない。
XPのCUI インストーラが持つパーティション管理機能が最小限の機能しか持たないことが根本原因です。
「有効なパーティションを優先的にCドライブとする」ことが最大のネックです。
ドライブ文字の変更、パーティションのアクティブ状態操作、パーティションの非表示ができません。
これを行うには、専用のパーティション管理ソフトウェアを購入する必要があります。
尚、フリーソフトウェア版は、おすすめしません。
恐らく、S-ATA未対応という原因で挫折すると思います。
- WindowsXP のCUI インストーラ画面において、ハードディスク上のパーティションが認識されない。
ハードディスクがSerial-ATA の可能性があります。
前述の「インストールするマシンのハードディスクが、SerialATA(S-ATA) 方式である。」を参照してください。
そうでない場合は、判りません。 闇雲な回答をするなら、ディスクドライブのドライバがインストーラに含まれていない。
確認せず盲目に信用した点(*3)を疑ってください。
- WindowsXP のCUI インストーラ画面において、不明なディスク、と表示される。
上と同じです。
- WindowsXP のCUI インストーラ画面において、USB フロッピードライブが認識しない。
XPのCUI インストーラは、ごく一部のUSB フロッピードライブのみ対応しているそうです。
提案できる対処は、前述の「nLite を使ってWindowsXP(SP3)のインストールメディアを作り、再インストールしようとしている。」になります。
フロッピードライブを使うのは、ドライバを追加したいから。 ならば、最初からメディアにドライバを入れておけば良い、っていう論法です。
- WindowsXP のCUI インストーラ画面において、途中でUSB フロッピードライブを見失う。
上と同じです。
*1 で、「そのドライバは、どこに行けば手に入るの? 私は、それが知りたいのです。」
と、思ってそうですね。 手に入らない可能性があります。
そもそも、この世に存在しない可能性がある代物です。 自力で探してください。
ハードディスクがS-ATAのディスクなのか? ならば何処のメーカー製なのか?
PCメーカーのサイトには無いと思います。
部品の製造元サイトに運が良ければ公開されているかもしれません。
*2 SP+メーカー
最初「えすぴー たす めーかー」と読みました。正しい読みは「えすぴーぷらす めーかー」なんでしょう。
サービスパックとメーカーを足すって、何それ?と思いました。
はい。 どうでもいい話ですね。 わざわざ、この文章を読んで頂きまして、ありがとうございます。
*3 昔SP2で成功したからSP3でも平気♪
Vistaが動くんだからXPも普通にクリーンインストールできて当然です♪(C.V. 好みの声で)
私は可愛いから大丈夫♪ 絶対なんとかなるよ♪
とか、思っているようなら考え直した方が良いです。
2. 作業で必要になるもの
- パーティション管理ソフトウェア
- 数日間は、この作業で時間を浪費するという事実に対する覚悟(最低でも1日は浪費する)
- バックアップメディア
- WindowsXP プロダクトキー(手元に置いて参照できる状態)
- WindowsXP インストールメディア
- WindowsXP 最新版サービスパック
- WindowsXP 各種ドライバ
細かい事は、書きません。 全て必要です。
幸運に恵まれればパーティション管理ソフトウェアのお世話にならないかもしれません。
ですが、多分、お世話になります。 無いと嵌ります。
貴方(筆者)は、Paragon Partition Manager 9.0ってのを買ったはずです。 探して下さい。
2-2. チェックポイント
- プロダクトキーは、手元にあるか?
- バックアップは、漏れなく取ったか?
- 日本語入力ソフトウェアの辞書は、バックアップしたか?
- 日本語入力ソフトウェアのプロダクトキー、ユーザIDの控えを取ったか?
- ブラウザのブックマークをバックアップしたか?
- メールボックス、個人作成の文書ファイル、ダウンロード販売で入手したアーカイブファイルは、バックアップしたか?
- プロダクトキー、シリアルキー、CDキー、FTPやメールの設定情報は、紙媒体で手元にあるか?
- ユーザIDがメールだけに記録されてないか?
- 電子ファイルのメモは、バックアップしたか?
- ディレクトリ構造は、バックアップしてあるか?
- バックアップを取ってからファイルに変更を加えていないか?
- まだ、思い出さないのか? 前にやった苦労を? 思い直すなら今だよ?
3. 下準備
先ず、現在日時をメモに記入しなさい。 必須です。
全ての作業が終わったら、その時点で浪費した時間を計算して認識しなさい。
「あほくさ…」
と思うことでしょう。
…。(見つめ合う視線。 僅かにブラウザが微笑んだ気がする。)
続けるの? 本当に? 説明したくないな…。 引き返せってマジで。
やることだけ箇条書きにしておく。 もう知らんよ。
3-2. やること
- 現在日時をメモに記入する
- 近所の神社に赴いてお祈りを捧げる
- 2-2にあるチェックポイントをチェックしながらDVDやCDなどにバックアップを取る
- WindowsXP プロダクトキーがシール、或いは、紙で視認できることを確認する
- WindowsXP インストールメディアを手元に持ってくる。 軽く握りしめること。
- 一度寝る。 そして、インストールしようとしたことを忘れる
4. 実施(奈落の底へ)
何、きちゃったの?
詳しいことは、説明しませんよ。
実施したいなら、勝手に実施すればいいよ。 さんざん止めたのに。
メディアをトレイに入れて DVD から起動すれば、後は勝手にファイルシステムの内容を壊してくれるよ。
そうそう。 リストア領域から起動するなら[F8]か[F11]を押せばいいらしい。
前に実行したらCドライブにイメージを上書きせず、見知らぬパーティションを作ってくれた。
おまけにユーザデータが入ったDドライブだけを跡形もなく壊してくれたよ。
その上(Xpを再インストールした後でわかったことだが)終わった時にはドライブが三つ存在していた。
そこにユーザデータのドライブは無かった。
原因は、初期出荷状態からパーティションのサイズを変更していたからだろうね。
だめ押しで再インストールした筈のVistaは、Bootstrap(MBR)が見つからないといって起動不能になった。
おっとそうだ。 前に再インストールした時の浪費時間は、約2日間だった。
メディアを5回ぐらい焼き直し、ブルースクリーンを2〜3回拝み、ハードディスクが見つからない表示に唖然とした。
「無効なプロダクトキー」も5〜6回は拝んだな。 nLiteでSP3を統合してもプロダクトキーはスキップできない。
某メーカーのサイトからS-ATA(Storage Matrix)ドライバを入手して、統合インストールでメディアに記録する。
統合する時のドライバは「ICH8R/ICH9R SATA RAID Conttoller」を選んだ。
この文章を筆者以外の読者が読んでいる時は、これを安易に選択しないこと。
貴方のマシンが搭載しているRAIDコントローラは、他社製かも知れないです。
トップシェアの筈♪
安心できるメーカーだし♪
確率的に自分の場合でも成功する可能性が高い。 或いは、可能性がある!
わかんないから兎に角やって誰かに責任転嫁したい
とか。
そういうのは、迷惑なので止めてください。
S-ATAのドライバを探してWindowsXPをインストールしようとしている時点で、誰も推奨していない行為を行おうとしている。
これを認識してください。
話を戻します。
おまけに、数回メディアを作って漸くインストールが進んだと思ったら、以前に作ったXP(SP2)のインストールメディアが出てきたよ。
加えて、前に購入したUSB-FDDは、XPのCUI インストーラでは認識しない代物だ。 捨ててしまえ。
無駄口が多くなった。 まだ諦めてないの?
え!? 既にインストールを始めた?
は?? インストーラがハードディスクを認識しない?
ん?? パーティションが気持ち悪いだと…。
まず、気持ちを落ち着けて深呼吸します。
次にペンとノートを探します。 心を落ち着けて思いの丈を書き連ねてください。
文末には、署名をしてください。
そして徐(おもむろ)にベランダに出ます。 そのまま空に飛んでください。
同じことを繰り返す、馬鹿な俺は○ね!
5. 後片付け
見慣れてサッパリしたWindowsXPのデスクトップが表示されて一息ついてる事でしょう。
でも、まだまだ作業は続きます。
その環境、本当に正常にインストールが出来ている?
5-2. チェックポイント
- ドライブレターは、期待通りに割り当たっているか?
- 全てのデバイスは、正常に認識されているか?(デバイスマネージャでチェック)
- SMバスコントローラの「?」は消えないから諦めろ
- OS起動直後のNum Lock は、必ずOnになるか? 再起動前の状態を引き継いでいるか?
- ウィルスチェックソフトウェアは、インストールしてあるか?
- サービスパックは、当ててあるか?
- 画面サイズ、画面色数は、期待通りに出力されているか?
- 自動ログインでエラーが発生していないか?
- 期待通りにネットワークを認識しているか?
- メールソフトウェアは、インストールしたか?
- メールボックスは、バックアップ媒体から復元したか?
- ライセンス認証は、行ったか?
- Office をインストールしたか?
- Office のサービスパックを当てたか?
- 自動更新を有効にしたか?
- Microsoft Updateをインストールしたか?
- 通常使用するユーザは、パワーユーザになっているか?
- Atok をインストールしたか?
- ユーザファイルは、バックアップ媒体から復元したか?
5-3. 後片付けの実施
- サービスパックの適用
どっかからサービスパックをダウンロードしてインストールすること。
- ウィルスチェックソフトウェアのインストール
McAfee のインストーラ(とか持っているウィルスチェックソフトウェア)でインストールすること。
最新状態に更新すること。
- ドライバの入手とインストール
真っ先に必要になるのは、以下のドライバの筈。
- nVIDIA GeForce 7系のドライバ
- Canon 製プリンタのドライバ
集めたら、さっさとインストールしましょう。
まだまだ続きます
- Atokのインストール
手元にユーザIDとシリアルキー、インストールメディアがあるよね?
有るはずだから、さっさとインストールすること。 「無いよ(泣)」とか言っても知らない。
インストール後は、コントロールパネル、クラシックメニューの「地域と言語のオプション」から「言語」タブを選択し「詳細」ボタンをクリックすること。
そのウィンドウから「MS-IME 8.1」の二つを削除すること。
「言語バー」ボタンをクリックし「言語バーをデスクトップ上に表示する」チェックをOFF にすること。
最後にATOKのパレットをタスクトレイに収納すること。
- アプリケーションのインストール
以下に挙げるアプリケーションをインストールすること。
- メーラ(ベッキー)
インストール前にメールデータをバックアップ媒体から復元すること。
その後にメーラをインストールすること。
- WZ Editor 5.0と最新パッチ
- Office とサービスパック
- 他、必要なもの(とか言ってパーティションエディタがインストールできないとか言うな)
投げやりになってきた。 もう、どうでもいいや。
- ユーザデータの復元
当然、バックアップは取ってあるよね?
そのメディアから望むディレクトリにファイルをコピーすること。
取ってなければ諦めること。
最近だとデータ復旧を生業にする人もいるらしい。 だが詳しいことは知らない。
- デスクトップの調整
多分、綺麗な壁紙が見えていることでしょうね。 よかったねぇ。
でも、以下の作業を続けること。
- 壁紙を取り除きましょう。 同時に背景色を「黒」にしましょう。
- スクリーンセーバを「なし」にすること。
- モニタ電源の設定時間を調整すること。 ハードディスクの電源カット時間を設定すること。
- 上と同じウィンドウで休止状態を「有効」にすること。
- 「デザイン」タブを選択し「効果」ボタンをクリックすること。
- 「次のアニメーション効果を…」チェックを外すこと。
- 「ClearType」にすること。
- 「ドラッグ中に…」チェックを外すこと。
- ブラウザを起動すること。
- スタート画面の指示に従って操作すること。
- 最後にスタートページを「空白」にすること。
- 「地域と言語のオプション」で「時刻の表示形式」を調整すること。
- 「タスクバーと[スタート]メニューのプロパティ」「[スタート]メニュー」タブの「カスタマイズ」ボタンをクリックすること。
- スタートメニューに表示する「電子メール」のプログラムを変更すること。
- 「最近開いた…」チェックを外すこと。
- 「新しくインストールされた…強調…」チェックを外すこと。
- 登録ファイルの拡張子を表示にすること。
- 動作検証
まだ終わりません。 正常に動作しているか検証してください。
- WindowsXPの自動更新は、最新状態まで更新されているか?
- ウィルスチェックソフトウェアは、最新状態に更新されているか?
- ブラウザは、期待通りに動作しているか?
- メールは、受信できるか? 送信できるか?
- FTPは、ウェブページサイトにアクセス出来るか?
- ブラウザは、Flushをインストールしていないか?
- Atok は、自然な動作をしているか? 違和感がないか?
- タスクマネージャを起動して、各ウィンドウのハードコピーを記録すること。
5-4. とどめ
ここまで作業が終わった。 メモを書いてくれた昔の私ありがとう(朗らかな笑顔)。
などと、思っている事でしょう。
そんな事はない。
全てが終わったに見えて、必ず何かが漏れている。
その不安と戦う日々が続く。
それが、OSを再インストールするという作業だ。
手助け出来るのは、ここまでだ。
後は、その漠然とした不安に苛まれながら過ごすことだな。
不安を忘れるその日まで。
振り返り、最初にメモに記録した作業開始時刻からの経過時間を計算すること。
恐らく、最低でも9時間は経過していることだろう。
作成日:2009/10/02