視覚誘発電位
( Visual evoked potential: VEP )


    <目的>
    光刺激によって誘発される脳電位を記録することによって、視覚路の異常を把握
    する。

   <対象>
        視覚路を障害し得る種々の疾患。特に、視神経炎、MSなどでは必須の検査であ
    る。

  <方法>
      ストロボによる閃光刺激(Flash VEP)または Checkerboard (白黒の格子縞模様)
    を用いた図形反転刺激(Pattern reversal VEP)により誘発する。(後者が一般的)
       通常片眼ずつ刺激する。
      記録は後頭部より行う。Fzや耳朶を基準とする。
      約100ms で出る P100 が視覚野起源と考えられている。その振幅や潜時、左右差
       などが問題にされる。

  【当科の方法(pettern reversal 法)】
       記録電極:Ch1.LO:MOより外耳孔に向け左方5cm
                 Ch2.MO:後頭結節上方5cm
                 Ch3.RO:MOより外耳孔に向け右方5cm
    基準電極:前額部(Fz)
       接地電極:頭頂部(Cz)
       分析時間:300ms     150回加算で2回以上施行。
    刺激方法:pettern reversal :白黒格子模様を2Hz の頻度で反転。
         checker size 16 :モニター前約1.5m のところに座ると、ひとつの格
                                    子の視野角度は、約45分となる。 
       注意点:
     ※画面が見えなければ意味がない。眼鏡使用者は眼鏡をつけて検査する。
      検査中は画面を凝視しているか確認すること。
     ※画面中央のマークを凝視し、できるだけ視線は動かさないよう指示する。
     ※安楽椅子に座らせ、頚の力を抜いてもらう。
     ※片眼ずつ行う。(非検査眼は目隠しする。)
     ※ルーチンは全視野であるが、必要に応じて1/2視野、1/4視野刺激を追加する。

   当科VEP正常値 (Pattern reversal:全視野)

       P100潜時  (12人、23眼:年齢28.3±6.2歳)

          mean± SD    97.0± 6.2 ms
                            ( 90.8〜103.2 ms )
                  mean±2SD    97.0±12.4 ms
                            ( 84.6〜109.4 ms )

戻る