NEC PC-9821CS2/S3

1994年5月購入


 長らく活躍してくれた UV2も時代の流れには勝てません。デスクワークしている限りはそれほど不自由ということではないのですが、世の中はウインドウズだのマルチメディアだの騒いでいるし、少し取り残された気分になったのでした。医学の世界ではマッキントシュを使用している人が多数派でした。学会発表用のスライド作成など当時はマックでないとうまくできませんでしたし、画像処理などマックの独壇場でした。最近はウインドウズで難なくこなせるし、むしろ環境が整っているのですが、こういう経緯があるため、医学関係ではマックから離れられない人が多数います。私もマックに移行しようかと考えた時期がありましたが、MS-DOSとの長いつき合いがありましたし、過去の資産がありましたので、ウィンドウズの登場もあって、是非ウインドウズが走るマシンを買おうということにしました。購入したのはNEC PC-9821CS2/S3。DOS/V機は考えませんでした。MS-DOSのソフトをそそまま走らせたかったからです。
 さて、CS2/S3ですが、98multiと称していたもので、メーカー希望小売価格は468,000円。CPUは i486SX/33MHz。メモリ 5.6MB、HDDは340MB、3モードの3.5インチのFDDを1台内蔵、グラフィックはCIRRUS LOGIC GD5428で、VRAM 1MB、1024x768 で 256色表示、CD-ROMは2倍速というスペックでした。当時ではそれなりのスペックでしたが、さらに思い切ってメモリを8MB増設(何と49,000円)し、これなら当分大丈夫かなと安心していました。それに、FDDが1台だとなぜか寂しいので、1台増設してしまいました。今思えば、2台必要なことはほとんど無かったのですが。
 ソフトは、一太郎5、花子3.1、エクセル、ワード、1-2-3、ワードパーフェクトと種々雑多。実はキャンペーン商品で、単体で買うよりセットで買った方が安かったりして、ソフトばかりやたら増えてしまいました。当時はCD-ROMでの供給でなく、フロッピーだったので、何十枚というフロッピーを入れ替え差し替えしていたのが懐かしく思えます。
 Windows 3.1は画期的なものでした。ただしMS-DOSの640KBのシステムメモリの壁はまだ存在し、いかにメモリを節約するか苦労したのを思い出します。抜群のチューニングを自負していましたが、今度は Windows 95 の登場です。3.1の環境で不自由なかったので、導入は半年遅れました。
 さて、人並みに Windows 95 を入れようということにしたのですが、現状では実用にならないので、メモリをさらに 8MB増設し、メルコの526MBの HDDを増設しました。たった8MBの増設だって4万円くらいかかりました。それでようやくメモリは 21.6MB。そして、CPUもアセットコア・テクノロジーの Viper Power MULTi VM4 を載せて、DX4/100MHzにバージョンアップです。これで Windows 95を無事導入することができました。なかなか快適な環境でしたが、グラフィックは非力でした。しかし、一般的な事務作業には十分なマシンでした。今振り返って、なかなかの名機であったと思います。