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毎年子どもたちの夏休み期間に開催されている「オーケストラはキミのともだち 」に今年も参加させていただきました。
かつて新潟市では、市内の小学校5年生全員をりゅーとぴあに招待して東京交響楽団の演奏を聴いてもらうという「わくわくキッズコンサート」が毎年秋に開催されていました。
東響の皆さんは日曜日の定期演奏会に引き続いて新潟に泊まり込み、2日間に渡って1日3公演行い、子どもたちにオーケストラの生演奏を届けてくれました。私の娘たちも参加して感動していました。
しかし、新潟市の財政難から2017年を最後に中止され、それに代わるものとして、2018年夏から始まった有料のコンサートが「オーケストラはキミのともだち」です。
指揮者は「わくわくキッズコンサート」に引き続いて、2018年、2019年と当時の東響正指揮者だった飯森範親さんが務めましたが、飯森さんの退団に伴い、
2020年から次の正指揮者の原田慶太楼さんに代わりました。2021年と2023年は多忙な原田さんに代わって、新潟市ジュニアオーケストラ教室を指導していた永峰大輔さんが指揮しましたが、2022年、2024年、2025年と原田さんが指揮をして、躍動感のある演奏で楽しませてくれました。
しかし、昨シーズンで原田さんは退団されましたので、今年は2024年5月の東響特別演奏会を指揮した角田鋼亮さんが指揮することになりました。
例年のように、11時からの公演は3歳以上、14時からの公演は小学生以上となっており、休憩なしで1時間ほどの演奏会になります。
小学生には、お仕事体験やバックステージツアーも用意され、楽器展示やスタンプラリーも行われます。また、開演前にはパイプオルガンのウェルカム演奏も行われます。
子どもたちには、新潟が誇る素晴らしいコンサートホールで、東京交響楽団によるオーケストラ演奏、そしてパイプオルガンの魅力を味わってもらいたいと思います。
プログラムは、楽器紹介の「ディズニーのメロディによる管弦楽入門」とパイプオルガンが加わるエルガーの「威風堂々」は不動の演目ですが、ほかは年によって変わりますので、毎年聴いても楽しめます。
趣旨としては「子どものための芸術文化体験事業」としてのファミリー向けのコンサートですので、私のようなジジイは対象にしていないのですが、精神年齢は子供ということで許していただき、毎年聴かせていただいています。今年も14時の回に参加させていただくことにしました。
梅雨空が続く新潟。先週は新潟市中心部でも浸水被害が出ましたが、今日も天候はすぐれず、雨こそ降らないものの、心も暗くなるような土曜日になりました。
不眠の夜が明け、ネコと戯れて、いつものルーチンワークを終えて、ゆっくりと家を出ました。白山公園駐車場に車をとめて、上古町の楼蘭で、いつもの極上の冷やし中華をいただきました。毎度ワンパターンですので、この店に入れば、こちらから注文することなく、この冷やし中華が出てきます。このところ精神が疲れ気味でしたが、これを食べて幸せな気分になりました。
上古町から白山公園を抜けて、りゅーとぴあ入りしますと、すでに開場が進んでおり、たくさんの家族連れで賑わっていました。ホールに入り、席に着いてこの原稿を書きながら開演を待ちました。
ステージを見ますと、弦の配置は通常型で、ハープが左にあり、チェレスタ、ピアノも左に配置されていました。Pブロックは使用されず、ステージ後方とPブロックには照明装置が設置されていました。ステージ後方の左右には、毎年お馴染みのコンサートの垂れ看板が設置されていました。
客席は次第に埋まり、3階のサイド席に空席が目立ちましたが、ほかは満遍なく埋まり、まずまずの入りでしょうか。
開演10分前に、ホール内は明るいまま、静かに濱野芳純さんが出てきて、パイプオルガンによるウェルカム演奏が行われました。
迫力いっぱいのオルガンが、ざわついているホールに響き渡りましたが、曲は面白いものでなく、子供やファミリー向けとは思えませんでした。もうちょっと楽しめて興味を引く選曲が良かったかなと思いました。
開演時間となり、拍手の中に団員が入場し、最後にコンマスの小林壱成さんが登場してチューニングとなりました。弦は12型(12-10-8-7-6)で、コンマスの隣は田尻さんでした。
角田さんが登場して、ステージ後方とPブロックに置かれた照明効果とともに、ビゼーの「カルメン」の第一幕への前奏曲で演奏が始まりました。
これまでにない鮮やかな白い照明にはっとさせられながら、スピード感にあふれる演奏が展開されました。躍動感とともに爽やかさが感じられ、これまでのこの曲のイメージが覆されるようでした。
角田さんによる挨拶と東響の紹介があり、以後は角田さんによるお話しや曲目紹介とともに演奏が進められました。
2曲目は、楽器紹介のための定番曲である「ディズニーのメロディによる管弦楽入門」です。例年と同様に、榎本さんが登場して、慣れたナレーションとともに演奏が進められました。照明は七色に変わりました。
各楽器が順次紹介されましたが、ヴァイオリン・ヴィオラは立って演奏し、コントラバスの紹介では、1人が前方に出てきてパフォーマンスをしてくれました。
各パートとも、美しい演奏で楽しませ、最後のフーガは、何度聴いても聴き応えがありますね。ブリテンへの強いリスペクトを感じる素晴らしい編曲だと思います。
3曲目は、ブラームスの「ハンガリー舞曲第5番」です。出版時の盗作スキャンダルの話題など、興味深いお話もあったのですが、子供たちは興味なかったでしょうね。思いっ切りアクセントを付けた癖のある演奏で、曲の展開に合わせて、照明は赤→ピンク→赤と変化して、視覚効果とともに楽しませてくれました。
4曲目は、ヨーゼフ・シュトラウスの「鍛冶屋のポルカ」です。オレンジの照明とともに、金床をハンマーで叩く音が賑やかに鳴り響きました。
5曲目は、料理番組のテーマ曲に使われてお馴染みのイェッセルの「おもちゃの兵隊の行進曲」です。ピアノがスタンバイして演奏が始まりました。点滅する白い照明とともに、おもちゃの兵隊が行進する様子が楽しく演奏されました。全曲聴く機会はなかったので、聴けて良かったです。
6曲目は、ハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」からの「ワルツ」です。ピンクやパープルの怪しげな照明とともに始まり、曲調の変化とともに色を変えて楽しませてくれました。演奏は重々しくなく、明るくクリアなサウンドが新鮮に感じられました。
ここで、新潟市内の小学校や特別支援学校にアウトリーチしてくれた団員の紹介があり、大きな拍手が贈られました。訪問校の生徒も来ていたようで、音楽に興味を持ってくれて良かったです。
7曲目は、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」から「金平糖の精の踊り」と「トレパック」です。演奏前にチェレスタの解説がありましたが、このときハリーポッターのメロディを聴かせてくれました。照明の色を変化させながら、2曲楽続けて、楽しく演奏を聴かせてくれました。
そして最後の曲は、エルガーの「威風堂々第1番」です。オルガンの濱野さんを紹介して演奏が始まりました。オレンジの照明とともに、明るいサウンドで迫力いっぱいに演奏してくれました。終盤にオルガンが加わりますと、何度聴いても感動してしまいます。ホールいっぱいの大音響は、オーケストラを聴く醍醐味を感じさせてくれました。
拍手に応えて、アンコールは毎年恒例の「君をのせて」です。これも大音響で始まって、美しいメロディを奏でて感動を誘い、1時間の演奏会は終演となりました。
さて、子どもたちはオーケストラを楽しんでくれましたでしょうか。全く楽しめていなそうなお子様も見受けられましたが、多くの皆さんはオーケストラの素晴らしさを感じ取っていただけたものと思います。大きくなったら東響新潟定期に来てくれることを願いたいと思います。
さて、今年の演奏会は派手な照明効果もあって、新機軸を打ち出したものと思います。指揮者が角田さんになり、オケの配置が原田さんの対向配置から通常の配置になり、コンマスも昨年までのニキティンさんに代わって小林さんになり、これまでの東響の演奏とは全く異なるサウンドとスピード感で、新鮮な感動をいただきました。
とにかく軽快で明るく、透明感のあるサウンドでした。重厚感は排除して、淀むことなく音楽が流れました。どの曲も初めて聴くような印象すら感じるほどで、指揮者が代わると、ここまで音楽が変わるんだなあということを実感しました。昭和世代としてはやりすぎにも感じましたが、まさに新時代の演奏といえましょうか。
原田さん時代には、子どもたちをステージに上げて指揮をしてもらうコーナーを設けていましたが、今回は演奏だけでのストレート勝負でした。解説しながらの指揮でしたので、初めての角田さんは大変だったことと思います。
毎年聴いていても、新しい曲を加えてくれますし、同じ曲でも全く違った演奏に出会えますので、飽きることはありません。これが楽しみで毎年聴かせていただいています。
来年は誰が指揮してくれますでしょうか。そして、現在空席の東響正指揮者には誰が就かれるでしょうか。そんなことも考えながらホールを後にしました。
東響の皆さんは、今シーズンは、5月31日、6月28日、7月19日と新潟で演奏し、2週間も経たずに再び新潟。次は9月27日、10月18日と、新潟での演奏会が続きます。まさに準フランチャイズオーケストラですね。
私はこういうファミリーコンサートも大好きです。元気でいれば、来年もまた聴かせていただきたいと思います。
(客席:2階C6-11、¥1500) |