新潟リング・アンサンブル 第20回定期演奏会
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2020年2月23日(日) 14:00 だいしホール
 
J.シュトラウスU:皇帝円舞曲

イベール:木管三重奏のための5つの小品

ベールマン:クラリネットと弦楽のためのアダージョ 変ニ長調

芥川也寸志:弦楽のための三楽章 「トリプティーク」

(休憩15分)

グノー:小交響曲〜9つの管楽器のための

久石 譲/大石航・編:低弦カルテットによる
         人生のメリーゴーランド 〜ハウルの動く城〜
         もののけ姫 〜もののけ姫〜
         君をのせて 〜天空の城ラピュタ〜

カバレフスキー:組曲「道化師」

(アンコール)
久石 譲/成嶋隆・編:鳥の人 〜風の谷のナウシカ〜

 今日もいろいろと魅力的なコンサートがありましたが、昨日来の強風が吹き荒れ、出かけるのはよそうと思い、ゆっくりと昼食を摂り、テレビを観ていました。
 しかし、家でごろごろしているのもはばかられ、次第に風も弱くなってきましたので、思い直して出かけことにしました。

 「新潟シューベルティアーデ」のご案内もいただいていたのですが、今日行ったのは「新潟リング・アンサンブル」です。
 新潟交響楽団の有志により結成されたこのアンサンブルは、ウィーンで活躍するウィーン・リング・アンサンブルを目指したいという思いで「新潟リング・アンサンブル」と名付けたのだそうです。そして、演奏会では毎回ウインナ・ワルツを演奏しているそうです。第1回演奏会は2001年3月で、今回は第20回という記念すべき演奏会です。

 「新潟交響楽団室内楽演奏会」とともに、毎年楽しみにしているのですが、都合が合わずに昨年は聴けず、2018年2月の第18回定期演奏会以来2年振りになります。

 だいしホールに着きますと、ちょうど開場時間となり、私も列に並んで入場し、いつもの場所に席を取りました。客の入りとしましては、例年の通りというところでしょうか。

 開演時間となり、第1回演奏会で演奏した「皇帝円舞曲」で開演しました。弦は、ヴァイオリン4、ヴィオラ2、チェロ2、コントラバス1で、管は、フルート1、オーボエ1、クラリネット1、ファゴット1、ホルン2で、他に、ティンパニ1、小太鼓1、ピアノ1という編成です。女性方はカラフルなドレス姿で、その艶やかさに目を奪われました。演奏は、春の明るさとウィーンの薫りを感じさせ、オープニングを飾るに相応しいものでした。

 ここでホルンの越野さんによる挨拶があり、以後越野さんのMCで演奏が進められました。2曲目は、オーボエ、クラリネット、ファゴットの美女3人により、イベールの「木管三重奏のための5つの小品」です。
 小品という名前の如く、あっという間に終わるような短い曲が5曲演奏されましたが、奏者の美貌とともに、すばらしいアンサンブルに聴きほれました。

 続いては、先ほど演奏したばかりのクラリネットと弦楽アンサンブル(ヴァイオリン4、ヴィオラ2、チェロ2、コントラバス1)により、ベールマンの「クラリネットと弦楽のためのアダージョ」です。ゆったりとした弦楽に載せて、クラリネットが優雅に、甘く、優しく歌い、夢見心地にさせてくれました。

 前半最後は、弦楽アンサンブルにより、芥川也寸志の「トリプティーク」です。弦5部は2-2-2-2-2と、コントラバスが2人になり、総勢10人のアンサンブルです。
 美しさと、アマチュアを感じさせる危うさが同居する演奏でしたが、軽快にリズムを刻み、躍動感がある演奏で楽しませてくれました。

 休憩後の後半は、フルート1、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2の9人により、グノーの「小交響曲」です。交響曲とはいうものの、管楽器だけでの室内楽ですが、交響曲の形式で4つの楽章からなります。
 管楽器だけとはいえ、9重奏ともなりますと、音に厚みがあり、聴き応えがあります。軽快で明るさがあり、美しいアンサンブルはお見事でした。文句なくすばらしい演奏でした。

 続いては、チェロ2人とコントラバス2人の4人により、ジブリのお馴染みの名曲が3曲続けて演奏されました。このような低弦カルテットでの楽譜があるはずもなく、チェロの大石さんによる編曲です。
 コントラバスがメロディを弾く編曲の面白さ、そして地を這うような低弦の重厚さ。なかなか聴けない珍しい演奏を楽しませていただきました。

 プログラム最後は、全員参加でカバレフスキーの組曲「道化師」です。弦楽器10人、管楽器9人、打楽器2人、ピアノ1人と、総勢22人ともなりますと、だいしホールの狭いステージは窮屈そうでした。
 全10曲からなる組曲ですが、今日の演奏の中でも最高のパフォーマンスを発揮し、生き生きとした躍動感溢れる音楽で魅了しました。打楽器が演奏を引き締めてくれて、聴き応え十分の演奏でした。
 この組曲では、運動会のBGMでお馴染みの第2曲「道化師のギャロップ」はしばしば演奏を聴く機会がありますが、全曲を聴いたことはなく、非常に楽しめる演奏でした。第10曲の盛り上がりはフルオケを聴くかのような迫力があり、素晴らしかったです。

 アンコールは「風の谷のナウシカ」のエンディングの「鳥の人」。今日の第1曲と同様に、この曲も第1回演奏会で演奏されたとのことです。編曲はコントラバスの成嶋さんだそうです。
 演奏はまさにフルオーケストラ。コンサートの最後を飾るにふさわしい感動的な演奏に、心の中でブラボーを叫びました。

 終演後はいつものように出演者が階段前に並んで観客を見送ってくれました。美しい女性方に見とれながらホールを後にしました。天候は優れませんが、心は晴ればれです。

 無料でこのような演奏を聴かせていただいて、リング・アンサンブルの皆さんに感謝です。このようなアンサンブル演奏で腕を磨き、潟響の演奏にも生かされることでしょう。20回目の節目をお祝いし、今後益々の発展を祈念したいと恩います。

 

(客席:G-6、整理券)