新潟ARS NOVA 新春コンサート
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2017年1月8日(日)14:00 新潟市音楽文化会館
 
ヴァイオリン:廣川抄子、枝並清香、加藤礼子、佐々木友子、庄司 愛 
ヴィオラ:片倉多恵、井口 歩 チェロ:渋谷陽子、コントラバス:星野勝彦
フルート:市橋靖子、オーボエ:金子いつか、クラリネット:広瀬寿美、岩渕仁美、ファゴット:小武内茜
ホルン:宮野大輔、トランペット:藤井裕子、打楽器:本間美恵子、ソプラノ:山下尚子
(共演)箏:武藤祥圃、ピアノ:品田真彦、チェンバロ:笠原恒則  (編曲)小西奈雅子
 
宮城道雄:春の海

J.シュトラウスII:オペレッタ「こうもり」より アデーレのアリア

チャイコフスキー:組曲「白鳥の湖」より 情景、白鳥の踊り

ビゼー:オペラ「カルメン」より 間奏曲

(楽器紹介:木管楽器) ふるさと

ヴィヴァルディ:「四季」より 冬 第1楽章、第2楽章

(楽器紹介:トランペット、ホルン) アルプホルン(藤井) アメイジング・グレイス

ハチャトリアン:剣の舞

(休憩15分)

J.シュトラウスII:トリッチ・トラッチ・ポルカ

アンダーソン:プリンク・プランク・プルンク

ドビュッシー:ゴリウォークのケークウォーク

ラフマニノフ:ヴォカリーズ

中能島欣一:三つの断章より 二、三

日本の調べ(赤とんぼ、松島音頭)

エルガー:威風堂々

(アンコール) J.シュトラウスI:ラデツキー行進曲
 

 新潟の音楽家により2006年4月に結成された新潟ARS NOVA は、数多くの演奏活動を重ねており、私も何度も聴かせていただいいます。メンバーは新潟で活躍するプロの音楽たちであり、メンバーリストを見るだけでわくわくしてきます。毎回楽しませていただいていますが、一番最近では、昨年10月のチャリティコンサートを聴いています。

 今回は県内の小中学校でのスクールコンサートが10周年になるということで、それを記念して、メンバー全員が集まり、共演者も迎えてのコンサートが企画されました。音楽ホールで、メンバー18人が全員揃ってのコンサートは、これが初めてだそうです。

 太平洋側は低気圧の通過によって雪模様だそうですが、新潟は穏やかな天候で、白山神社の参拝客も多くて、駐車場は混み合っていました。私は早めに会場入りし、開場待ちの列の先頭になりました。
 正面8列目に席を取り、開演を待ちましたが、ステージは緞帳が下ろされたままで、通常のコンサートとは違った雰囲気でした。

 時間となり場内が暗転。緞帳が上がりますと、ステージにはメンバーが並んでおり、女性陣の色とりどりのドレスが鮮やかで、春が来たような華やかさを感じました。
 中央には箏が置かれ、正月ということで春の海で開演しました。武藤さんの箏とバックのアンサンブルがきれいに調和し、美しい調べに魅了されました。

 以後山下さんのMCで演奏が進められました。山下さんの歌うアデーレのアリアはさすがです。山下さんを初めて聴いたときから心奪われ、虜になっていますが、華のある素晴らしい歌声です。
 品田さんのピアノを交えてオーケストラを聴くかのような情感豊かな白鳥の湖。市橋さんの美しいソロが聴けた間奏曲。木管楽器の紹介の後、笠原さんのチェンバロ、廣川さんのソロでの冬。さすがに新潟を代表する奏者と感心しました。
 続くトランペットとホルンの楽器紹介では、藤井さんがアルプホルンを見事に演奏して驚かせました。さすがに芸達者でいらっしゃいます。本間さんのマリンバ紹介の後、剣の舞で妙技を披露し、前半が終了しました。

 後半も山下さんのMCで楽しい演奏が続きました。どれも学校訪問で鍛えられただけあって、全く飽きさせません。透き通るような山下さんのヴォカリースで夢幻の世界へと誘われ、武藤さんの箏独奏で和楽器の素晴らしさを知らしめられました。山下さんの歌う日本の歌曲にうっとりした後、威風堂々を小編成とは思えない迫力で演奏し、会場を盛り上げました。

 大きな拍手に応えて、アンコールはラデツキー行進曲。すぐに会場からは手拍子が始まりました。ゲスト奏者の3人のソロでの見せ場もあり、ユーモアも交えた楽しい演奏でした。

 緞帳が下り、春の宴は終演となりました。個々がソロで、ユニットで活躍している百戦錬磨のプロの音楽家たちですので、演奏が悪いはずはありません。今日の特別な編成に合わせた小西さんの編曲も忘れてはなりません。各奏者の見せ場が作られて、小さな編成からは考えられないようなスケール感と色彩感を生んでいたと思います。
 
 今後も新潟の子供たちに音楽を届けてくれるそうですが、大人も楽しませていただきたいと思います。これからも何かの機会に聴かせていただこうと思いますので、ご活躍をお祈り申し上げます。

 

(客席:9-16、¥2500)