| American Dream in Concert 〜真夏の午後にアンサンブルを〜 | 
  
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    | 2016年8月7日(土) 14:00  新潟市黒埼市民会館 | 
  
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    | ソプラノ:鈴木愛美、桑野 彩 ヴァイオリン:松村牧子、チェロ:宇野哲之
 ピアノ:田中幸治、鈴木賢太
 コーディネーター/MC:谷口昭弘
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    | アメリカ合衆国国歌:星条旗 (Sop:桑野)
 
 バーンスタイン:キャンディード序曲 (Pf:田中、鈴木)
 
 フォスター:ケンタッキーの我が家 (Vn:松村、Vc:宇野)
 フォスター:夢路より (Sop:桑野、Vc:宇野、Pf:鈴木)
 
 ガーシュウィン:サマータイム (Sop:鈴木、Pf:田中)
 
 黒人霊歌:時には母の無い子のように (Vc:宇野、Pf:田中)
 スコットランド民謡:アメージング・グレース (Sop:鈴木、Pf:田中)
 
 ジョプリン:ジ・エンターテイナー (Pf:鈴木)
 ボルコム:ゲレイスフル・ゴースト・ラグ (Pf:田中)
 
 アンダーソン:シンコペーテッド・クロック (Vn:松村、Vc:宇野、Pf:鈴木)
 アンダーソン:ワルツィング・キャット (Vn:松村、Vc:宇野、Pf:鈴木)
 
 スーザ:星条旗よ永遠なれ (Vn:松村、Vc:宇野、Pf:田中、鈴木)
 
 (アンコール)
 メンケン:美女と野獣 (Sop:鈴木、桑野、Vn:松村、Vc:宇野、Pf:田中、鈴木)
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    |  毎年恒例になった、新潟大学教育学部音楽科と新潟市西区が連携してのコンサートです。毎年テーマを変えて開催されていますが、今年は10周年記念として「西区から世界へ、世界から西区へ、〜いま、音楽で、つながる〜」をテーマに3公演開催されます。今日はその2回目の公演で、アメリカ音楽の特集です。
 無料ということもあってか、申し込み受付2日目で満席になったそうで、地域に根ざしたイベントになっているようです。
 今日はほかにも魅力あるコンサートがあったのですが、西区民である私ですので、こちらのコンサートを聴かせていただくことにしました。会場は私の自宅から車ですぐの便利な場所にある黒埼市民会館です。
 
 早めに会場入りしましたが、すでに開場待ちの列ができていて、私もその列に並びました。パソコンで受付し、再度並んで開場時間を待ち、正面前方に席を取りました。もちろん音響だけでなく、ビジュアルも重視です。
 
 水色のドレスが爽やかな桑野さんが登場し、アメリカ国歌を斉唱して開演しました。声も容姿も美しく、前方に席を取った甲斐がありました。桑野さんは大学院2年在学中とのことですが、師匠の鈴木さんと良く似た声質で、華が感じられて、すばらしい歌い手だと思います。
 
 以後谷口さんの分かりやすい解説と進行により演奏が進められました。2曲目は「キャンディード序曲」。新潟を代表する男性ピアニストといえば、田中さんと鈴木さんを挙げないわけにはいかないでしょう。この二人の連弾という何とも贅沢な演奏でした。軽快でダイナミックにな演奏は切れがあり、聴いていて気分爽快でした。
 
 続くフォスターの「ケンタッキーの我が家」はヴァイオリンとチェロの二重奏で、しっとりと演奏されました。松村さんは相変わらず上品で美しく、宇野さんは左手小指を怪我されてるようでしたが、演奏には問題ないようでした。
 「夢路より」は、再び桑野さんが登場して、チェロとピアノをバックにしっとりと歌い、透き通るようなきれいな歌声にうっとりと聴き入りました。
 
 続いては、薄い黄色のドレスが麗しい鈴木さんが登場し、田中さんのピアノで「サマータイム」が歌われました。さすがに存在感抜群であり、きらめきのある高音の美しさに息を呑み、鈴木さんファンの私は魅了されてしまいました。
 
 宇野さんの弾く黒人霊歌の魂を揺さぶるような演奏に涙し、再び登場した鈴木さんの「アメージング・グレース」のリリカルな歌声に酔いしれました。
 
 次は雰囲気が変わって、ピアノによるラグタイムの演奏です。鈴木さんがジョプリンを軽やかに演奏し、田中さんがボルコムをしっとりと演奏しました。
 
 続いてはアンダーソンのお馴染みの曲を2曲、ヴァイオリン、チェロと鈴木さんのピアノという編成で、軽やかに楽しく演奏して会場を和ませてくれました。
 
 そして最後は「星条旗よ永遠なれ」です。アメリカの曲といえばこれは欠かせませんね。ヴァイオリン、チェロ、そしてピアノ連弾で、軽快にダイナミックに演奏して盛り上げ、大きな拍手が贈られました。
 
 アンコールは鈴木さんと桑野さんも加わって、全員で「美女と野獣」が演奏されました。鈴木さんと桑野さんの二重唱は素晴らしいとしか言いようがなく、心が洗われるような透明感あふれる歌声と、バックの4人の情感あふれる演奏に胸は高鳴り、感動の中に終演を迎えました。
 
 どれも馴染みのある曲ばかりでしたが、演奏はお見事でした。新潟大学の音楽学・音楽マネジメント研究室の学生さんが企画・運営されていましたが、学生さん方は高感度抜群。手作り感のある良いコンサートだったと思います。
 帰りには、西区のお菓子屋さん提供のお菓子のお土産もあり、地域とのコラボがうまくなされた素晴らしい企画力に感銘を受けました。
 
 このシリーズの次回は、10月1日に西新潟市民会館で、西区出身のハーピスト・山宮るり子さんのコンサートが予定されています。この回のみ有料となりますが、きっと盛会となることでしょう。
 
 
 (客席:正面2列目 、無料) |