ヒラリー・ハーン ヴァイオリン・リサイタル
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2016年6月11日(土) 14:00  兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
 
ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン
ピアノ:コリー・スマイス
 

W.A.モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ ト長調 K.379

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005

(休憩20分)

アントン・ガルシア・アブリル:無伴奏ヴァイオリンのための6つのパルティータ より
     第2曲「無限の広がり」、第3番「愛」

アーロン・コープランド:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ

ティナ・デヴィッドソン:地上の青い曲線

(アンコール)
佐藤聰明:微風
ガース・ノイシュタッター:ヴォリテーション (世界初演)
マックス・リヒター:慰撫

 昼まで京都で仕事。午後は京都観光でもして帰るのが良いのでしょうが、神社仏閣よりは音楽が好きですので、西宮まで出向いてこのリサイタルを聴きました。
 京都から兵庫へ。ずいぶん遠いような印象を受けますが、阪急電車に乗ってあっという間に西宮に着きました。広大な新潟県に生活していますと、隣の県に行くのはかなりの覚悟が必要ですが、新潟から長岡へ行くような感じで行けちゃうんですよね。

 ということで、あっという間に阪急・西宮北口駅に到着しました。なかなか大きな駅でびっくりしました。この西宮北口の南口に兵庫県立文化センターがあります。駅からは屋根付きの通路でつながっています。

 4層バルコニー形式の2001席の大ホール、2層800席の中ホール、417席の小ホールのほか、リハーサル室や練習室があり、巨大かつ豪華な施設です。佐渡裕を芸術監督とし、専属の兵庫芸術文化センター管弦楽団があり、2015年4月に新潟でも公演しています。

 館内のレストランで大急ぎでランチをいただき、入場しました。私の席は1階席後方。空席がサイドにごくわずかあるのみで、客の入りは良好です。

 ハーンさんとスマイスさんが登場して、モーツァルトのソナタで開演しました。優しく美しいヴァイオリンとちょっと控えめなピアノが融合して、上品な音楽を作っていました。

 次はバッハの無伴奏ソナタです。卓越した技巧と音楽性で、難曲を難曲と感じさせずに、さらりとした感じで弾いてのけるのはたいしたものだと思います。

 前半は古典的な名曲でしたが、休憩後の後半は現代作品です。ハーンさんがスペインのアブリルに委嘱した無伴奏パルティータに始まり、以後はピアノとの演奏が続きました。
 緊張感あふれる音楽に息を呑んで聴き入りました。現代曲ではありますが、見事な演奏に飽きる間もなく時間は過ぎました。

 アンコールの3曲を含め、様々な現代曲を聴かせてくれて、その音楽性に感銘を受けました。ノイシュッタッターの曲は世界初演だとハーンさん自身が日本語で紹介してくれました。

 このように見事な演奏には違いなかったですが、ヴァイオリンを聴くには、ホールは巨大すぎたように思います。音量の小ささは否めず、聞き耳を立てるような精神集中を要しました。1000席以下の小さなホールで聴けたならもっと楽しめたように思いますが、それは贅沢すぎますね。

 終演後はサイン会があり、長い行列が出来ていましたが、私は新潟へ帰らねばなりませんので、後ろ髪を引かれながらホールを後にしました。

 

(客席:1階X-9、A席:\6000)