ミュージアムコンサート Duo Anima
←前  次→
2016年2月20日(土) 11:30  新潟市新津美術館
 
Duo Anima Vn:加藤礼子、Vc:前田美華
 

J.S.バッハ:インベンション第1番 ハ長調 BWV772

ベートーヴェン:3つの二重奏曲 WoO27 より 第1番 ハ長調 第1楽章

バルトーク:ハンガリー民謡
  T.Allegro ironico
  U.Allegretto
  V.Moderato
  W.CHORAL Andante
  X.Allegretto
  W.Con moto

プレイエル:バイオリンとチェロのための3つの二重奏曲 より 第3番 ハ短調

(アンコール)同上より メヌエット

 新津美術館では年に何度かミュージアムコンサートが開催されており、私も数回聴かせていただいておりますが、今回は、「東区の隠れた名品展、新津美術館所蔵品展」の関連イベントとしてのミュージアムコンサートです。

 今回の出演は、ヴァイオリンの加藤礼子さん、チェロの前田美華さんの二人による Duo Anima です。私は加藤さんの大ファンであり、何度も聴かせていただいていますし、前田さんも旧姓時代に聴かせていただいたことがあります。この実力者二人の出演ということで期待して行くことにした次第です。11時30分と13時30分の2回公演ですが、午後は所用がありましたので、11時30分の回に行くことにしました。

 職場で雑務を片付け、大急ぎで新津美術館へ向かいました。開演10分前に到着。入館料500円を払い、2階の展示室へ行きました。右側の展示室の中央に椅子が並べられており、中央2列目に席を取りました。

 モスグリーンのドレスの加藤さん、赤いドレスの前田さんが登場して開演です。お二人ともこれまで以上に美しく、見とれてしまいました。加藤さんの曲目紹介で演奏が進められました。Duo Anima の意味について説明がありましたが、Anima はイタリア語で、ヴァイオリンやチェロの中にある「魂柱」という意味なんだそうですね。

 バッハのインヴェンションで開演です。もともとピアノ曲ですが、右手パートを加藤さん、左手パートを前田さんが弾いて、美しい調べに、うっとりと引き込まれました。

 続いてはベートーヴェンの二重奏曲です。もともとはクラリネットとファゴットの二重奏曲ですが、オリジナル曲のように楽しく聴かせていただきました。

 次はバルトーク。珍味のように味わい深いと話されていましたが、確かにバルトークならではの味わいがありますね。これも演奏の良さがあってのことです。

 最後はプレイエルの二重奏曲です。「東区の隠れた名品展」にちなんで、知られていない隠れた曲を探してきたとのことです。暗い曲だと解説していましたが、確かに重苦しさを感じましたが、演奏の良さで楽しませていただきました。
 アンコールは、同じ曲からのメヌエット。暗い曲の後に、実は明るい曲が続いているんだそうです。明るく軽快に〆てくれて、終演となりました。

 展示室は直方体であり、残響が豊かで、響きは豊潤です。ヴァイオリン、チェロの演奏の良さは言うまでもありませんが、響きの美しさに感激しました。
 曲も、一般向けの名曲コンサートではなく、一ひねりしたものであり、大変楽しめました。30分強の短いコンサートでしたが、内容の濃いものでした。

 演奏もさることながら、容姿端麗なお二人は、展示された美術品にも引けをとりません。今度は是非リサイタルを開催してほしいですね。


 終演後展覧会を観ましたが、新潟市の東区だけをみても、「隠れた名品」が数多くあることに驚きました。そういえば、昔、学校には絵画などの美術作品があったように思います。当時は何の興味も感じませんでしたが、今なら少しは違った感慨があるかもしれませんね。
 

(客席:正面2列目、無料:入館料500円)