東京フィルハーモニー交響楽団長岡特別演奏会
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2015年5月3日(日) 17:00  長岡市立劇場 大ホール
 
指揮・ピアノ:チョン・ミョンフン
コンサートマスター:荒井英治
 

(特別演奏)
 モーツァルト: 「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲.
          (キラキラ星変奏曲). K.265


モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488

  (ソリストアンコール)シューマン:トロイメライ

(休憩15分)

ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 op.92
 
 

 久しぶりの長岡遠征です。長岡市はこれまでも東京フィルと密接な関係を持ち、毎年コンサートが開催されていますが、この度事業提携協定を締結し、その記念コンサートが今日の特別演奏会です。

 長岡での東京フィルの演奏会は何度か聴かせていただいていますが、チョン・ミョンフンの指揮でも2003年に聴いたことがありました。今日は弾き振りというのが楽しみです。

 某所に出かける用事があり、その帰りに長岡に寄りました。ちょっと早めに着きましたので、車の中で東京でのLFJの中継を聴いていました。ちょうどLFJ新潟でも演奏予定の公演が放送されていて、素晴らしい演奏であり、新潟での期待が膨らみました。

 開場時間になって入場。当日券が若干枚発売されていたようですが、ほぼ満席の客席は熱気むんむんでした。今日の席は10列目の右寄り。ちょっとステージを見上げるような感じでした。

 最初は当初の予定になかったミョンフンさんによるピアノ独奏です。演奏のアナウンスがあって、客席から拍手が沸きあがりました。特別演奏会のために特別に演奏することになったそうです。ミョンフンさんは舞台右手から登場。曲目紹介がないままキラキラ星変奏曲を演奏しました。
 演奏開始とともに客席から笑い声が上がっていましたが、どうしたんでしょう。簡単なようでいて実は難しいこの曲をさらりと弾いて、ピアニストとしての実力を見せ付けてくださいました。

 拍手の中団員が入場し、本来のプログラムの開演です。弾き振りのためか、オケの配置が変わっていて、弦楽がステージ左手に集まり、ピアノを挟んで管楽器が右手に配置という変な形です。こういう配置で聴くのは私は初めてですが、聴いていて違和感は全く感じませんでした。
 ミョンフンさんは軽やかにピアノを弾きながらオケを統率し、明るく生き生きとした躍動感にあふれた演奏を生み出していました。拍手に応えて、アンコールにトロイメライをしっとりと演奏し、前半が終了しました。

 後半は通常のオケ配置となって、メインのベト7です。これも前半同様に、躍動感にあふれた演奏でした。第1楽章から第2楽章へはアタッカでつなぎ、第3楽章、第4楽章間もほとんど休みなしにつなげて怒涛のフィナーレへと突入しました。
 エネルギッシュなミョンフンさんの指揮についていく東京フィルの皆さんの気迫に圧倒されました。弦の各パートのトップは大きく体を揺らしながら後方のメンバーを統率していました。猛スピードで突進してもアンサンブルの乱れは全くなく、息の合った切れの良い演奏を作り出していました。

 こんな演奏を聴かされて盛り上がらないはずはありません。久しぶりの精神の高揚を感じました。これまでベト7は何度も聴いていますが、jこれほどまでに興奮させる演奏は最近なかったように思います。スタンディングオベーションの中終演となりました。

 長岡まで遠征した甲斐のある見事な演奏に、満足気分で帰路に着きました。新潟では東響定期があるせいか、東京フィルの来演はありません。でも、長岡で聴くことができるのが幸いです。 

 

(客席:10-40、S席:¥6000)