コンチェルト インストアライブ トリオ・ベルガルモ
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2014年7月20日(日) 17:00  コンチェルト
 
トリオ・ベルガルモ  Vn:庄司 愛、Vc:渋谷陽子、Pf:石井朋子
 


フォーレ:ピアノ三重奏曲 ニ短調 Op.120


(アンコール)
サン=サーンス:白鳥
 
 
 恒例の東掘のCDショップ・コンチェルトさんでのインストアライブです。これまでも何度か聴かせていただきましたが、今回は何とトリオ・ベルガルモ。26日の結成10周年記念コンサートを前にして、満を持しての登場です。

 きっと混み合うと予想し、りゅーとぴあから急ぎ足で駆けつけて、汗を拭き拭き開演を待ちました。佐藤さんの計らいで、3人の真正面に席をいただきました。すぐ前に石井さん、左に渋谷さん、右に庄司さんがおられます。これ以上の幸せがありましょうか。

 曲は26日に演奏されるフォーレのピアノ三重奏曲です。3人のすぐ前で聴いたわけですので、楽器の音はダイレクトに伝わり、正面にピアノ、左耳にチェロ、右耳にヴァイオリンという究極のステレオサウンドです。

 室内楽に疎い私ですので、この曲を聴くのは初めてです。フォーレ晩年の作品ですが、なかなか良い曲ですね。ベルガルモの演奏を通して、知らない曲を知ることができるのも楽しみです。

 石井さんの背中越しに楽譜が見えましたが、ピアノパートは音符がぎっしり。それに比較すればヴァイオリン、チェロはすっきりした印象に感じました。朗々と歌うヴァイオリンとチェロを追いかけるように、ピアノが急ぎ足で走り回っているようでした。

 20分ちょっとの短い曲でしたが、奏者のすぐ前で聴くことができて、大満足なひとときでした。遠くからステージを眺めるだけではきっと気付かないと思われる楽器間のせめぎあいなど、曲の構成も良く分かりました。癒しを感じさせるメロディーもあって、上質なフランス音楽に酔いしれました。

 私の眼前で繰り広げられる音楽の饗宴。3人が私のためだけに演奏してくれているような錯覚を感じたりして、想像の翼が広がりました。まさに至福のひとときと申せましょう。

 アンコールは「白鳥」。チェロの名曲ですが、ヴァイオリンを加えての演奏は初めてのように思います。チェロからヴァイオリンにメロディが受け継がれ、天に上るかのような美しさの中に終演を向かえました。

 新潟の音楽界を牽引するトップランナーのベルガルモの3人。インストアでアップライトピアノ、演奏場所を決めるのも一苦労という状況ではありましたが、期待に違わぬ演奏にうっとりと聴き入りました。

 美しい3人が奏でる美しい音楽。どんな場所でも聴く人に喜びを与えてくれます。集まった人たちの笑顔がすべてを物語っているものと思います。

 いよいよ26日には、だいしホールで結成10周年記念コンサートが開催されます。今日演奏されたフォーレのピアノ三重奏曲のほか、私の知らないフンメルのピアノ三重奏曲、そしてチャイコフキーの大曲「偉大な芸術家の思い出に」が演奏されます。チケットの売れ行きもよく、プレイガイドによっては完売した所もあるようです。まだの方はお早めにどうぞ。

 最後に、このようなインストアライブを企画してくださいました佐藤さんに感謝申し上げますとともに、演奏してくださいましたトリオ・ベルガルモの皆さんの益々のご発展とコンサートのご成功をお祈り申し上げます。 
 
   
(客席:正面、無料)