クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル 2012
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2012年12月1日(土) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
ピアノ:クリスチャン・ツィメルマン
 


ドビュッシー:版画
        1.パゴダ  2.グラナダの夕べ  3.雨の庭

ドビュッシー:前奏曲集 第1集より
        2.帆  12.吟遊詩人  6.雪の上の足跡  8.亜麻色の髪の乙女
        10.沈める寺  7.西風の見たもの

(休憩20分)

シマノフスキ:3つの前奏曲 (9つの前奏曲 作品1 より)

ブラームス:ピアノ・ソナタ 第2番 嬰へ短調 作品2
 
 

 12月を迎えて寒波襲来。新潟市も初雪を観測しました。郊外では積雪となり、一面の銀世界となりました。昨夜は宴会で飲みすぎ、ちょっと体調すぐれぬ中、コンサートに赴きました。

 新潟市でのツィメルマンの公演は、2008年7月2010年6月以来3回目となります。ビッグネームの来演とあって、きっと大盛況かと思ったのですが、意外にも空席が多くてびっくりしました。
 ステージ上には、ピカピカに磨き上げられたスタインウェイ。金具の金色も鮮やかであり、いつも見るスタインウェイとは明らかに異なります。今回も、ツィメルマンの持参したピアノと思われます。

 前半はドビュッシーです。当初の発表では、オール・ドビュッシーのはずでしたが、ツィメルマンの強い希望により、前半だけになりました。

 白髪のツィメルマンが登場して演奏開始。譜面台には横に長い楽譜があって、自分でめくりながら演奏が進められました。
 最初の1音からピアノの音の美しさに耳を奪われました。濁りの全くないクリアなサウンドは、音を聴くだけで心地良く感じます。
 演奏はゆったりとしていますが、緊張感が漂います。透き通るような弱音の美しさに息をのみ、音と音との間の静寂が胸を刺します。この張り詰めた空気は、生演奏の場でしか味わうことはできません。
 極上のドビュッシーを体験することができましたが、聴く方も精神集中を要求され、疲労感を感じました。でも、心地良い疲労です。

 休憩後はシマノフスキで開演。前半のドビュッシーからの流れを感じさせる、ゆったりとした情感豊かな曲が胸に染みました。

 続くブラームスも、音の粒立ちが美しく、精神性の高い演奏でした。音楽は娯楽だと考える私ですが、これはまさしく芸術だと実感しました。

 先週のパユも凄かったですが、やはり一流と言われる音楽家の演奏は違います。演奏もさることながら、音が違うんです。凄いものを聴いちゃったという満足感と疲労感を感じながらホールを後にしました。
  

(客席:2階C2−9、S席、会員割引:¥8100)