クァルテット・エクセルシオ 弦楽四重奏曲連続演奏会 総集編
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2012年2月4日(土) 14:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
 

ハイドン:弦楽四重奏曲 ハ長調 作品76-3 「皇帝」

モーツァルト:弦楽四重奏曲 第15番 ニ短調 K.421(417b)

(休憩15分)

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第9番 ハ長調 作品59-3 「ラズモフスキー第3番」

(アンコール)
ボロディン:弦楽四重奏曲 第2番 第3楽章
 
 

 今週はこの冬最強の寒波が襲来し、寒い毎日であり、体調も不良です。大雪で車も出せず、立ち往生。このコンサートも行けるかどうか思案しましたが、無理をして出かけました。雪が雨に変わり、道路はぬかるんで悲惨です。苦労の末に車を出し、無事りゅーとぴあに到着しました。

 ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンと、3年に渡って毎年3回ずつ連続演奏会が開催されてきましたが、今年度でひとまず終了ということになりました。これまではスタジオAでのコンサートでしたが、今回は総集編ということで、コンサートホールでの開催です。

 これまでのシリーズはみな平日の開催でした。そのためチケットを買っておきながら仕事で行けなくなったことが多く、何枚も無駄にしてしまいました。この最後を飾る「総集編」が土曜日開催で良かったです。とは言え、私は隔週の休みなので、1週ずれたらこれにも行けなかったのですが。

 さて、ホールは1階と2階正面に客がパラパラと入っていて、2〜3百人程度でしょうか。ちょっと寂しげではありますが、もともとが100人規模の会場で行っていたわけですから、かなりの動員と言うべきかもしれません。自由席でしたので、私は2階正面に席を取りました。

 最初はハイドンです。まず響きの良いホールと相まって、音の美しさに感動しました。感冒薬を服用し、ボーッとした頭で聴いていましたが、息の合った4人のアンサンブルも素晴らしく、曲に引き込まれました。緩徐部での歌わせ方にうっとりしました。
 続くモーツァルトは、短調の曲の陰影が胸に響きました。後半のラズモフスキー3番はお見事。弦楽四重奏の醍醐味を味わうことができました。良くできた曲であることを再認識させてくれる演奏でした。終楽章の盛り上がりには息を呑みました。アンコールにボロディンを叙情豊かに演奏して終演となりました。

 輝きのある音色でリードするファースト・ヴァイオリンの西野さん、それに寄り添うセカンドの山田さん、ときどきハッとする柔らかい音色で存在感を主張するヴィオラの吉田さん。容姿そのままに美しい演奏でした。そしてドーンと基礎を支える男一匹大友さん。ベートーヴェンでは男らしさを感じさせました。
 さすがに、弦楽四重奏一筋の常設の四重奏団だけあって、それぞれが自己主張しながらも音色が良く溶け合って、安定感ある演奏でした。

 スタジオAのような小さな空間で、音響的にも視覚的にも至近距離で、互いに息遣いを感じながらダイレクトに音楽を楽しむのも良いのですが、コンサートホールで聴く室内楽も良いですね。観客数的には音楽文化会館が適当と思いますが、コンサートホールで演奏して正解だったと思います。豊潤な響きが極上の調味料となっていました。

 これで連続演奏会も一区切りとなりましたが、是非継続して欲しいと思います。休憩時間にロビーで音楽仲間と話をしましたが、その方はバルトーク、ショスタコーヴィチ、シェーンベルクなど、20世紀の弦楽四重奏などは次の企画として良いのではないかと話されていました。私にはちょっと敷居が高そうなので、アンコールでやったボロディンなどを聴いてみたいところです。
 

(客席:2階C2-9、自由席:会員割引:1800円)