山本貴志ピアノコンサート
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2010年5月30日(土) 13:30  新潟市音楽文化会館
 
ピアノ:山本貴志
 
 
〜ショパン生誕200周年を記念して〜


ノクターン遺作 嬰ハ短調

ワルツ第2番「華麗なる円舞曲」 変イ長調 op.34-1

スケルツォ第1番 ロ短調

4つのマズルカ op.30

バラード第1番 ト短調 op.23

(休憩15分)

即興曲第2番 嬰ヘ長調 op.36

舟歌 嬰ヘ長調 op.60

アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 op.22

(アンコール)
ワルツ第7番 嬰ハ短調 op.64-2
練習曲第12番 ハ短調 op.10-12 「革命」
 
 

 昨日まで肌寒い日が続いていましたが、今日は天候が回復し、過ごしやすい陽気になりました。こんな日曜日の午後、楽しみにしていた山本貴志のコンサートに行ってきました。

 山本貴志は2005年のショパンコンクールで4位入賞を果たしましたが、その時のビデオやライブCDを聴き、衝撃を受け、ファンになってしまいました。特にピアノ協奏曲第1番は情感豊かで、聴く度に涙が出ます。優勝したブレハッチより上であり、名盤の誉れ高いツィメルマンの弾き振りのCDより感動的と感じています。
 ということで、生の演奏を是非聴きたいと思っていたところ、2009年1月に見附市でチェロの水谷川優子とのジョイントコンサートがあり、喜び勇んで聴きに行きました。期待に違わぬ感動的な演奏であり、今度は是非単独のコンサートを聴きたいと願っていました。そしてついに新潟市でコンサートを行うとの情報を得て、早々にチケットを買い、今日を待っていました。来週はツイメルマンのコンサートもあるのですが、個人的には山本貴志の方が楽しみだったりしていました。

 自由席でしたので、早めに会場に行き、開場の列に並びました。チケットは完売であり満席です。ヤマハの主催ですので、ピアノ教室の関係者がほとんどであり、子供たちも多かったです。ピアノは当然ながらヤマハのCFIIIS。プログラムには調律師の名前も記載されていました。そう言えば、ショパンコンクールで使用したピアノもヤマハだったはず。

 さて、小柄な山本さんが登場して開演です。ハンカチで汗を拭いたり鍵盤を拭いたりしながら次第に精神集中していくようであり、椅子に座ってから演奏が始まるまでかなり時間がかかります。聴く方もつられて精神集中させられます。演奏は緩急自在、ダイナミックレンジの広い演奏であり、緩徐な所は限りなくゆっくりと柔らかに、激しいところは情熱が爆発します。例によって背中を丸め、鍵盤を舐めるようにしながら演奏し、山本ワールドを創り出していました。

 花束贈呈と挨拶の後にアンコールを2曲演奏して終演となりましたが、どの曲もそれぞれの良さを引き出し、感動的でした。やはりただ者ではありません。ますますファンになりました。今度CDを出してメジャーデビューするそうです。今後の活躍が楽しみですね。

 気分爽やかにホールを出ると青空が気持ち良く、風も暖かくて心もウキウキ。つかのまの精神的高揚を感じ、ストレス解消できました。
 

(客席:9−8、全席自由:3000円)